
こんにちは!
福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の陣内由彦です。
今回は当院に来院された中学生の陸上部の短距離走者の膝の裏の痛みに対しての施術をご紹介していきたいと思います。
膝の裏の痛みって意外と多いんですよね・・・
走る時、止まる時など様々なシーンで痛みが出ます。ただ膝の裏の痛みは痛みが出ている部位で原因となる組織も違いますのでしっかりとみていくことが大事だと思っています。
今回の方の原因は「腓腹筋内側頭」が原因だと考え施術をしていきました。
腓腹筋内側頭ってどんな筋肉?

腓腹筋の内側頭は大腿骨の内側顆(膝の内側の骨の出っ張り)から始まりかかとのアキレス腱につながる筋肉です。
膝と足首をまたぐ「二関節筋」で膝を曲げる動きと足首を底屈(つま先立ち)させる動きの両方に関わっています。
この筋肉が最も引き伸ばされるのは膝が伸びた状態で足首が背屈(つま先が上がる)したとき。
このポジションが、痛みを理解するうえでの鍵になります。
なぜ痛みが起きるのか

① 遠心性収縮による微細損傷

ダッシュ・ジャンプ・急な切り返しなどの動作では、膝が伸び、足首が背屈した状態から一気に筋肉が収縮します。
このとき腓腹筋内側頭には強い遠心性ストレス(伸びながら力を出す負荷)がかかります。
繰り返されると筋線維の微細損傷や筋膜の滑走障害、局所炎症が生じ膝裏の内側にピンポイントの痛みとして現れます。
② 伸張ストレスの蓄積
以下のような要因があると内側頭への負担はさらに大きくなります。
- ストライドが大きい走り方
- 接地時に強くブレーキがかかるフォーム
- 筋肉の柔軟性の低下
これらが重なると慢性的な張り感や運動時の違和感につながっていきます。
③ 筋内圧の上昇と循環障害
筋肉の緊張が続くと内部の圧力が高まり血流が低下します。
その結果疲労物質や発痛物質が筋肉内に蓄積し、「重だるい」「動き始めに痛い」といった症状として現れることがあります。
こんな症状があれば腓腹筋内側頭が怪しい
臨床的には以下のような特徴が見られることが多いです。
- 膝裏の内側を押すとピンポイントで痛い
- 膝を伸ばしながら足首を背屈すると痛みが増す(=ストレッチで痛い)
- つま先立ちをすると痛む(=収縮で痛い)
- ダッシュやジャンプで痛みが再現される
- 朝よりも運動後に症状が悪化しやすい
膝裏の内側の痛みはさまざまな原因が考えられますがこれらの特徴が複数当てはまる場合は腓腹筋内側頭への負荷が積み重なっているサインかもしれません。
今回の杏鍼灸整骨院の施術
では実際にどのような施術をしたかご紹介していきたいと思います。
今回は超音波とハイボルテージのコンビネーション治療をおこなっていきました。
InstagramやYouTubeでも紹介しております。
こちらをご覧ください。
なぜ膝裏(腓腹筋内側頭)に超音波が向いているのか

膝裏の奥にある「腓腹筋内側頭」という筋肉にはいくつかの特徴があります。
- 体の深いところに位置している
- 普段から強い張力がかかりやすい
- 血流が滞りやすく、疲労が蓄積しやすい
- 筋肉が硬くなりやすい(硬結化)
こうした特徴を持つ部位に対して超音波療法はとても相性がよいとされています。
超音波は皮膚の表面だけでなく深部まで熱を届けられるのが大きな強みです。
これにより
- 筋肉の緊張をほぐす
- 血流を改善する
- 痛みを感じにくくする(痛覚閾値の上昇)
- 組織の動きをスムーズにする
といった効果が期待できます。
超音波が特に効果を発揮しやすいケース
① 張り感・硬いしこりがある場合
膝の内側うしろを押したときに、
- 膝裏の内側あたり
- 腓腹筋の起始部(筋肉の根元)
- 半膜様筋との境目
このあたりに硬い索状のしこりを感じるタイプの方には超音波が効果的なことが多いです。
深部から筋肉をじっくり温めることで、慢性的な硬さが緩みやすくなります。
② 肉離れ後に残った違和感・痛み
軽い肉離れのあと
- 走ると違和感がある
- 伸ばすと突っ張る感じがする
- なんとなく再発を繰り返してしまう
こういった状態にも超音波が役立つことがあります。
傷が治った後に残った瘢痕(かたくなった組織)まわりの柔軟性を取り戻すことを目的として使われます。
超音波だけでは効果が限られるケース
① 半月板や関節の中に原因がある場合
- 深くしゃがむと痛む
- ひっかかる感じがある
- 膝がロックされるような感覚がある
こうした症状が強い場合は痛みの原因が関節の内部にあることが考えられます。
超音波は軟部組織(筋肉・筋膜など)へのアプローチが得意ですが関節内の問題には単独では対応しきれないこともあります。
② 神経が原因になっている場合
脛骨神経や坐骨神経など神経由来の痛みがある場合も超音波単独では効果が限定的になりやすいです。
具体的には
- しびれがある
- 痛みが足先などに広がる(放散痛)
- 熱っぽい感じがある
- 電気が走るような痛み(電撃痛)
といった症状が見られるときは超音波以外のアプローチも組み合わせていく必要があります。
ハイボルテージ療法(HV)とは?

スポーツ現場でよく使われるもうひとつの物理療法が、**ハイボルテージ療法(High Voltage Pulsed Current/HV)**です。
腓腹筋内側頭の起始部は走る・跳ぶといった動作のなかで
- 筋肉が引き伸ばされるストレス(伸張ストレス)
- 繰り返しの収縮
- 着地の衝撃
が集中しやすく炎症や過緊張が残りやすい部位です。
HVはこうした状態に対して
- 痛みを抑える(疼痛抑制)
- むくみを軽減する(浮腫軽減)
- 筋肉の緊張を整える(筋緊張調整)
- 神経の興奮を落ち着かせる(神経興奮性調整)
といった効果を狙えるのが特徴です。
特に次のような場面で使いやすいとされています。
- 急性の痛みがあるとき
- 走ったときに痛むとき
- 肉離れの初期〜回復期
- 筋肉の緊張が強いとき
- 再発を予防したい時期
超音波とハイボルテージ何が違うの?
ひとことで言うとアプローチの方向性が異なります。
| 超音波 | ハイボルテージ(HV) | |
|---|---|---|
| 主な働きかけ | 深部組織への物理刺激・温熱 | 神経・疼痛の制御 |
| 得意なこと | 硬結・瘢痕・柔軟性低下・慢性化した症状 | 急性痛・運動時痛・防御性緊張 |
それぞれに得意な領域があるため症状の段階や状態に合わせて使い分けたり、組み合わせたりすることが大切です。
ハイボルテージが特に合いやすいケース
① 走ると痛い
加速・接地・蹴り出しなど動いているときに膝裏が痛むタイプ。
HVによって痛みを感じにくくする閾値が上がることで動きやすくなることがあります。
② 触ると筋肉が過度に緊張している
膝裏の内側が張っていて力が抜けない・防御的に収縮しているタイプ。
筋スパズム(筋肉のけいれん的な緊張)を和らげる目的で使われます。
③ 肉離れの初期
軽度の肉離れ直後に見られる、痛み・軽い腫れ・筋肉の防御収縮に対しても、比較的相性がよいとされています。
今回はこれらの良いところを組み合わせたコンビネーション治療をおこなっております。
まとめ
今回は腓腹筋内側頭の痛みに対しての超音波+ハイボルテージのコンビネーション治療をご紹介しました。
色んな症状に原因や痛くなっている要因に様々なアプローチをしていく事は大事なことだと考えています。
何か痛みでお困りなら是非ご相談ください。
最後までご覧くださりありがとうございました!
杏鍼灸整骨院の陣内由彦でした。
また当院で行っている施術やテーピング方法などをInstagramやYouTubeなど各種SNSにアップしていますので気になる方は是非見てみてください。
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投稿者プロフィール

- 柔道整復師、鍼灸師
-
院長 柔道整復師 鍼灸師
福岡医健専門学校卒業
株式会社セイリン様、株式会社伊藤超短波などでもセミナー活動をしており精力的に鍼灸をひろめようと活動もしております。
陸上競技、ソフトボール、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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