超音波治療器の温熱効果｜軟部組織の伸張性増大について

こんにちは！！

福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川（いもかわ）です。

今回は【超音波治療器の温熱効果｜軟部組織の伸張性増大について】について紹介していきたいと思います。

超音波治療器は多くの整形外科や美容関係や整骨院に導入されています。

また、一般家庭用に販売されているものもあるため、聞き馴染みがある機器の1つではないかと思っています。

しかし、超音波という名前は知っていても効果が分からないという方も多いと思います。

『色々な所で超音波とは聞くからいい機械なのはわかるけど・・・』

このような方は多いと思います。

そこで今回は、超音波治療器の《温熱効果》について少し詳しく紹介していきたいと思います。

また、温熱効果の中でも《軟部組織の伸張性増大》に関してピックアップしながら話していきたいと思います。

超音波治療器の使い方に関してはこちらにも紹介していますので、合わせて読んでみてください。

超音波治療器とは？？温熱効果と非温熱効果の違い

超音波治療器には大きく分けて２つの効果があります。

《温熱効果》と《非温熱効果》に大別できます。

温熱効果とは

細胞や組織に超音波振動を与える事で、細胞や組織を振動させて細胞間の摩擦や振動による運動エネルギーによって熱を発生させ、温度上昇による効果と振動による効果を期待しています。

温熱効果の臨床効果内容

• 血流の増大
• 疼痛の軽減
• 筋緊張の軽減
• 軟部組織の伸張性増大
• 関節可動域の増大
• 筋機能の向上
  など

温熱効果の中には軟部組織の伸張性増大があり、これが関節や筋肉や腱などに対して大きな効果を発揮します。

これに関しては詳しくは後述していきます。

非温熱効果とは

組織や細胞に弱い超音波振動を与える事で、温度上昇を出さずに超音波振動による効果を発揮していきます。

非温熱効果の臨床効果内容

• 疼痛の軽減
• 浮腫の軽減
• 創傷・潰瘍の治癒促進
• 軟部組織の治癒促進
• 骨折の治癒促進
  など

非温熱効果の中には軟部組織の治癒促進や骨折の治癒促進などの効果を主に狙っている事が多く、弱い振動を与える事で組織や細胞の活性化や治ろうとする力を強くしてくれます。

温熱効果も非温熱効果もそれぞれが違った形で、様々な効果を発揮していきます。

その時に合わせて、どのような効果を発揮したいかを考えて選択していきます。

温熱効果の軟部組織の伸張性増大とは？？

温熱効果の中にも様々な効果があります。

その中でも今回は《軟部組織の伸張性増大》について紹介していきたいと思います。

温熱効果に限った事ではないですが、臨床効果は様々な生理学的効果が重なって臨床効果を発揮しています。

温熱効果が起きている時に体の内部的には様々な生理学的効果が起きています。

• コラーゲン線維の配列異常の低下
• コラーゲン線維の伸張性増加
• 局所血流の促進
• 組織代謝の促進
  など

振動と温度上昇によって、これらの生理学的効果を発揮しています。

軟部組織とは、筋肉や靭帯や腱や脂肪体や関節包などの骨を除いた部分の事をいいます。

これらの組織の多くはコラーゲン線維を多く含んでいています（脂肪体は少ないです）。

そのため、超音波振動を組織に照射する事でコラーゲン線維を含む組織に対して効果を強く発揮しやすいです。

そこで臨床効果を考えていくと軟部組織の伸張性増大は、軟部組織内に含まれているコラーゲン線維に効果を発揮している事が分かります。

超音波の臨床効果の軟部組織の伸張性増大は、筋肉や腱や靭帯や関節包などの伸びやすさを上昇させるという事です。

これらの伸張性が上昇するという事は、筋の過緊張や筋機能低下や、腱や靭帯や関節包による可動域制限に対しても改善を起こしやすくなってきます。

なので、超音波治療器の温熱効果は、筋肉や腱や靭帯（特に腱や靭帯）に対して効果が高い事が言えます。

しかし、軟部組織の伸張性増大にも欠点があります。

軟部組織の伸張性増大は、あくまでも伸びやすい状態になっているという事が身体の中では起きますが、決して筋や靭帯が伸びている訳ではありません。

超音波振動によって温度上昇が起きて伸びやすい状態にはなっていますが、超音波を照射して温度上昇が起きた後にも、そのままにしておくとすぐに元に戻ってしまいます。

そこで、同時又は直後にストレッチなどを行う事で初めて伸張性増大としての効果を発揮していきます。

これらの事を考えて行うだけで軟部組織の伸張性増大としての効果は違ってきます。

《軟部組織の伸張性増大》

超短波の温熱効果に《軟部組織の伸張性増大》があるので照射して温度上昇を起こしながらストレッチをしています

伸張性増大は伸びやすくなっていますが伸びている訳ではないです
同時または直後に介入する事で効果が上がります#超短波 #物療好き pic.twitter.com/OF61tlj6aq

— 妹川 和志 (@kazuyuki_imo) March 29, 2023

まとめ

今回は【超音波治療器の温熱効果｜軟部組織の伸張性増大について】について紹介しました。

超音波治療器は、本当に優れた治療器です。

しかし、せっかくの優れた治療器も使い方一つで効果の出かたは変わって行きます。

当て方・当てた後の処置・狙う効果などを考えるだけで、効果は今までとは全く違うものになってくると思います。

市販にも超音波の機器はあるのでお持ちの方は是非参考にしてみてください。

杏鍼灸整骨院の妹川でした。