足関節後方インピンジメントと超音波治療|福岡県筑紫野市二日市

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こんにちは!福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の陣内由彦です。

つま先立ちをしたときやサッカーでボールを蹴ったときバレエで足を伸ばしたときに足首の後ろに痛みを感じることはありませんか?

もしかしたら、それは「足関節後方インピンジメント症候群」と呼ばれる症状かもしれません。

今回は、この症状に対する治療法特に「超音波治療」について論文などの研究データをもとにできるだけわかりやすくご紹介していきたいと思います。

目次

足関節後方インピンジメント症候群とは

まず、少し難しい名前ですが、「インピンジメント」というのは「挟まる」とか「ぶつかる」という意味です。つまり、足首の後ろ側で、骨や軟らかい組織が挟まってしまうことで痛みが出る症状のことを指します。

どんな人に起こりやすいの?

特に次のような方に多く見られると言われています。

  • バレエダンサーの方: つま先立ち(ポワント)の姿勢を繰り返すことで
  • サッカー選手の方: インステップキック(足の甲でボールを蹴る動作)を繰り返すことで
  • 水泳選手の方: 足首を繰り返し曲げ伸ばしする動作で

主な症状について

  • つま先を伸ばしたときに足首の後ろに痛みが出る
  • アキレス腱のあたりが痛む
  • 足首の後ろが腫れることがある
  • つま先の動きが制限される感じがする

最初は運動をしたときだけ痛むことが多いのですが、症状が進むと、歩いているときや階段を上り下りするときにも痛みを感じるようになることがあります。

どうして痛くなるの?

足首の後ろには、いくつかの骨や腱、靭帯が集まっています。つま先を伸ばすと、これらの組織が一点に集中して、挟み込まれるような形になります。

代表的な原因としては:

  1. 三角骨: 距骨(足首の骨)の後ろにできる余分な骨で、約10人に1人の割合で見られると言われています
  2. 距骨後突起: 距骨の後ろの部分が長く伸びている場合
  3. 軟部組織の炎症: 関節を包む膜や靭帯が腫れて厚くなっている場合

繰り返しの動作や足首の捻挫などがきっかけで発症することが多いと考えられています。

治療法について

足関節後方インピンジメント症候群の治療は、まず「保存療法」と呼ばれる、手術をしない治療から始めることが一般的です。

保存療法の基本的な考え方

保存療法の目的は、次の3つです:

  1. 痛みを起こしている部分への負担を減らすこと
  2. 炎症を抑えること
  3. 正しい体の使い方を身につけて再発を防ぐこと

具体的な治療法としては:

  • 安静: 一時的に痛みを起こす動作を控える
  • 消炎鎮痛剤: 痛み止めや炎症を抑えるお薬
  • 注射療法: 痛みが強い場合に行われることがある
  • リハビリテーション: セラピストによる運動療法
  • 物理療法: 温熱療法や超音波治療など

研究によると、約90%の症例で保存療法による症状の改善が見られるという報告もあります。ただし、3ヶ月間の保存療法で改善が見られない場合や、症状を繰り返す場合には、手術が検討されることもあります。

超音波治療とは?

ここからが本題です。超音波治療について、詳しく見ていきましょう。

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超音波治療のしくみ

超音波治療は、人間の耳には聞こえない高い周波数の音波を使った治療法です。皮膚の表面から機器を当てることで、深い部分の組織に音波を届けます。

理論上は、次のような効果が期待されています:

  1. 温熱効果: 組織を温めることで血流を良くする
  2. 機械的効果: 細かい振動が組織を刺激する
  3. 代謝促進: 細胞の活動を活発にする
  4. 炎症を抑える効果: 腫れや痛みを和らげる

実際に整形外科やリハビリテーション科では、長年にわたって様々な筋骨格系の症状に対して使われてきた治療法です。

歴史も深く科学的根拠に関する研究も物理療法の中では多い分野になります。

超音波治療の実際

治療を受けるときは、ジェルを塗った上から、丸い機器を痛みのある部分にゆっくりと動かしながら当てていきます。痛みはほとんどなく、ほんのり温かく感じる程度です。

治療時間は通常、1回あたり5分から10分程度で、週に数回行われることが一般的です。

超音波治療ってなぜ効くのだろう?

まず、超音波とは「人間の耳には聞こえない高い音の振動」のことです。医療で使う超音波治療では、1秒間に100万回から300万回という、とても細かい振動を体に当てていきます。

この振動が体の中で働きかけることで、血液の流れが良くなったり、傷ついた組織が修復されやすくなったりする効果が期待できるんですね。

炎症に対する超音波の働き方

超音波治療には、大きく分けて二つの使い方があります。

パルス波モード(非温熱効果)

超音波を断続的に当てる方法で、患部に熱を持たせずに振動だけを届けることができます。ケガをした直後の急性期は、患部が腫れて熱を持っていることが多いですよね。そんな時に温めてしまうと、かえって炎症がひどくなってしまうことがあります。

でも、このパルス波モードなら、炎症を悪化させずに治療できる可能性があるんです。

研究によると、低強度の超音波は炎症を軽減し、組織の修復を促進する効果が確認されています。具体的には、以下のような働きが報告されているんですよ。

  • 細胞と細胞の間にある体液の循環を良くして、むくみを減らす
  • 損傷した組織の修復を早める
  • 炎症物質が体内に吸収されやすくなる

連続波モード(温熱効果)

一方、炎症が落ち着いた慢性期には、連続的に超音波を当てることで温熱効果を得られます。患部が温まることで血流が良くなり、痛みの軽減や筋肉の緊張をほぐす効果が期待できるんですね。

研究で分かってきた具体的な効果

急性期の炎症を抑える効果

動物実験では、パルス波と連続波の両方の超音波が腫れを軽減し、特にパルス波の方が高い効果を示しました。また、週5回の治療頻度で腫れの抑制効果が、週2〜3回では主に痛みの軽減効果が見られたという結果も出ています。

捻挫や打撲、肉離れなどのケガをした直後から使える治療法として、超音波は非常に期待されているんです。

骨折の治癒を早める効果

超音波療法を使うと、骨折の治癒期間が30〜40%短縮されることが確認されています。骨折した部分に超音波の細かい振動を当てることで、骨を作る細胞が活性化されて、骨がくっつくスピードが速くなると考えられているんですね。

腱や靭帯の炎症にも

腱の炎症を抑えて、回復を促進する効果も報告されています。テニス肘や腱鞘炎、アキレス腱炎など、腱や靭帯に関わる痛みにも超音波治療は活用されているんです。

脊髄損傷後の炎症反応にも

ラットを使った研究では、超音波刺激によって炎症反応が抑えられ、運動機能の回復が促進されました。これは、超音波が炎症を起こす細胞の働きを調整する作用があることを示唆しているんですね。

つまりこれらの効果を狙って足関節後方インピンジメントに超音波治療器は有効なのがわかってきます。

杏鍼灸整骨院ではこの超音波を使い足関節周りの障害に対してしっかりアプローチをしています。

手術という選択肢

保存療法を3ヶ月程度続けても改善が見られない場合、または日常生活に大きな支障がある場合には、手術が検討されることがあります。

現在では、関節鏡を使った低侵襲手術(体への負担が少ない手術)が主流になっており、従来の方法に比べて:

  • 傷が小さくて済む
  • 術後の痛みが少ない
  • 回復が早い(術後4週間でジョギング開始、6〜8週間でスポーツ復帰が目安)

ただし、手術にもリスクはありますので、主治医とよく相談して決めることが大切です。

日常生活で気をつけること

治療を受けながら、日常生活でも次のようなことに気をつけましょう。

予防のために

  1. 足首の柔軟性を保つ: 毎日のストレッチを習慣に
  2. 適切な靴を選ぶ: 足に合った、クッション性のある靴を
  3. 足首を捻挫したら適切に治療する: 放置すると不安定性が残り、インピンジメントの原因になることも
  4. 徐々に運動強度を上げる: 急激な負荷の増加は避ける
  5. 痛みを我慢しすぎない: 早めに専門家に相談する

リハビリを続けることの大切さ

研究によると、前外側インピンジメント(足首の前外側の症状)では、適切なリハビリによって90%の症例で症状が改善し、2年後も46%の方が痛みなく過ごせたという報告があります。

継続は力なり、という言葉がありますが、リハビリにおいても、コツコツと続けることが何より大切です。

まとめ

足関節後方インピンジメント症候群について

  • つま先を伸ばしたときに足首の後ろに痛みが出る症状
  • バレエダンサーやサッカー選手など、特定の動作を繰り返す方に多い
  • 三角骨などの骨や、軟部組織が挟まることが原因

治療について

  • まずは保存療法(手術をしない治療)から始めるのが基本
  • 保存療法の中心は、安静、薬物療法、そしてリハビリテーション
  • 3ヶ月の保存療法で改善しない場合は手術も検討

おわりに

足関節後方インピンジメントは様々なスポーツで痛みが出る可能性があります。実際に杏鍼灸整骨院でも色んなスポーツをされている方が足関節後方インピンジメントによって痛みを生じ来院されています。

早く痛みをなくすことはもちろんの事痛みの再発などを繰り返していかないために様々なアプローチをしております。

何かございましたらご気軽にご相談ください。

またテーピングや怪我に関して疑問がある方は気軽にご質問ください。


参考文献:

  • van den Bekerom MP, et al. Therapeutic ultrasound for acute ankle sprains. Cochrane Database Syst Rev. 2011
  • Nyanzi CS, et al. Randomized controlled study of ultrasound therapy in the management of acute lateral ligament sprains of the ankle joint. 1999
  • Robinson P, et al. Posterior Ankle Impingement in Professional Soccer Players: Effectiveness of Sonographically Guided Therapy. AJR. 2006
  • 日本整形外科学会「足関節インピンジメント症候群」に関する情報

注意事項: この記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個々の症状や治療方針については、必ず医療機関を受診して、専門医の診断を受けてください。

投稿者プロフィール

陣内由彦
陣内由彦柔道整復師、鍼灸師
院長  柔道整復師  鍼灸師

福岡医健専門学校卒業

株式会社セイリン様、株式会社伊藤超短波などでもセミナー活動をしており精力的に鍼灸をひろめようと活動もしております。

陸上競技、ソフトボール、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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