内側側副靭帯損傷後に対して行う運動|重心移動とバランス

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こんにちわ!!

福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川(いもかわ)です。

今回は【内側側副靭帯損傷後に対して行う運動|重心移動とバランス】に関して紹介していきます。

今回紹介している内容は柔道をしている高校生で膝の靭帯損傷をした後に競技復帰前に行った運動です。

どのような競技でも同じことが言えますが、怪我をした場合の復帰の仕方がとても大切です。

この運動がしっかりできているかどうかで復帰後のパフォーマンスが全然違ってきます。

そこで今回は内側側副靭帯に関しての紹介と運動に関しての紹介をしいきましょう。

目次

膝関節内側側副靭帯ってどんな靭帯??

膝関節の内側側副靭帯に関して少し知っていきましょう。

ちなみに❝膝関節の❞と書いているのは肘関節や指関節にも側副靭帯があるためです。

今回は膝関節の側副靭帯に関して説明を行っていきます。

まずは靭帯とは何なのかを少し知っていきましょう。

靭帯とは❝コラーゲン線維と弾性線維を主成分として構成された結合組織で、骨と骨を結ぶバンドのような形と役割をした組織❞の事をいいます。

そして靭帯は関節に対してとても大切の役割がいくつもあります。

《靭帯の役割》
〇関節の安定
〇関節運動の制動
〇関節運動の誘導
〇関節の固有知覚のセンサー

❝関節の安定❞とは靭帯が関節をぶれないように支える役割があります。

関節運動の制動❞とは関節運動時に正しい方向以外に過度に関節が動かないようにしています。

❝関節運動の誘導❞とは関節運動の制動によって関節の動く方向を導いています。

❝関節の固有知覚のセンサー❞とは関節の動きや曲がり角度の位置などを感じ取っています。

いつも何気なくただ単に関節を動かしていると思いますが、関節がスムーズに動いているのはこれらの靭帯が上手く働いているからです。

では内側側副靭帯に関して知っていきましょう。

まず内側側副靭帯はどこにあるのでしょうか??

内側側副靭帯は膝関節の内側にあります。

起始部は大腿骨の内側上顆から始まって、停止部は脛骨内側顆・内側半月板・半腱様筋(浅層)や内側半月板・関節面直下(深層)に幅広く付着しています。

内側側副靭帯はこのように付着しているので、若干後方から始まって若干前方に向かって斜めに走行している靭帯です。

この内側側副靭帯の位置を確認して働きを知っていきましょう。

では内側側副靭帯の役割はどのように働いているのでしょうか??

内側側副靭帯によって関節は安定しやすくなります。

特に完全伸展時軽度屈曲位(約30度)には側副靭帯の緊張状態が強くなり膝関節の安定化が高くなります。

また運動時には膝関節の外反下腿の外旋を制動しています。

簡単にいうと内側に内側側副靭帯(+外側に外側側副靭帯)がある事で屈伸時の横ブレと捻じれを防いでいます。

これらの運動の制動のおかけで膝関節の屈伸時は内側側副靭帯(+外側側副靭帯)に誘導されてスムーズに真っ直ぐに行われていきます

そして膝関節がどれくらい曲がっているかなどを感じ取っているのも内側側副靭帯の役割の一つで、これによってバランスも保ちやすくなっています。

内側側副靭帯はこのようにして働いています。

これは膝関節には反対側に外側側副靭帯という靭帯もあるのでこの靭帯と共に協力しながら膝のサポートを行っています。

また側副靭帯に限らず足関節や肘関節などどの関節でも同様に靭帯は存在していて、これらの靭帯によって関節は守られているしスムーズに動けるようになっています。

それくらい関節にとって靭帯は大切な役割を果たしています。

内側側副靭帯損傷に対して行った運動|競技復帰に向けての一歩

内側側副靭帯に対して行った運動を紹介していきます。

運動の内容を紹介していく前に運動を行う上で気を付けて欲しい事があります。

それは❝膝関節の向き❞に関してです。

膝関節の向きで気を付けるのがニーイントゥーアウトknee in toe outになっていないかどうかという事です。

このニーイントゥーアウトというのは膝関節にとって良くない状態を作ってしまいます。

ニーイントゥーアウトはどのような状態かというと❝膝が内側に入って足が外側に向いてしまう状態❞の事をいいます。

この状態は膝関節を捻っている状態になるので、このまま運動を行っていくと内側側副靭帯の状態を悪くする可能性がありますし、運動の効果もしっかりと出にくくなります。

なのでニーイントゥーアウトにならないように気を付けて運動を行っていきましょう。

ニーイントゥーアウトに関してはこちらに詳しく紹介していますので合わせて確認してください。

では運動の紹介をしていきましょう。

今回行っている運動は重心を落とした状態で重心移動と捻り動作を加えています。

この運動の目的は以下の通りです。

《運動の目的》
〇大腿四頭筋の強化
〇ハムストリングスの強化
〇殿部の筋肉の強化
〇殿部の筋肉の機能改善
〇足関節や膝関節の固有知覚の獲得
〇バランス感覚の獲得
〇ニーイントゥーアウトの改善
など

以上のような事を目的に行っていますが、実際に重点を置いて行っているのは下方にある4つを考えながら行っています。

これらをしっかりと意識して行う事で一緒に筋力強化も行う事が出来ます。

重心を下げながら前方と側方(左右)に置いた印をタッチしていきます。

この時に❝上体を倒していくのではなく重心を下げていく事❞がポイントです。

それによりふらつく時のバランスを保とうとする力が働いて、関節の固有知覚の獲得を行いやすくなります。

また殿部周りからしっかりと負荷がかかるので機能改善と強化を行いやすくなります。

左右にタッチしていく時には膝関節が捻られないように注意が必要です。

それによりニーイントゥーアウトにならないように力の使い方を覚えていくので、結果的に膝関節の靭帯に掛かる負荷を減らす事が出来て再負傷などを起こす可能性も減らす事が出来ます。

また柔道では投げる時や受けて耐える時に重心を下げる動作や捻る動作は多くあると思います。

これらの動きにもこの運動を行う事でスムーズに対応しやすくなると思います。

また投げる時や受けて耐える時にニーイントゥーアウトなどによって怪我をする可能性を下げる事が出来ると思います。

まとめ

今回は【内側側副靭帯損傷後に対して行う運動|重心移動とバランス】に関して紹介しました。

今回紹介している運動は簡単に見えますが、しっかりと重心を下げる事や膝関節の向きを考えながら行っていくとバランスを崩して上手く出来ない人も多いと思います。

それだけ身体を上手く使えていない人が多いという事がいえますし、怪我のリスクも高くなっている事も考えられます。

なので怪我をしている人の復帰前の運動には是非行ってほしい運動の一つです。

また運動を行っていない人でも、生活の中でのちょっとした怪我を防止出来たり、屈む動作などの動きがスムーズに行いやすくなると思います。

内側側副靭帯損傷やその他の怪我に関してや運動に関してなど何でも疑問がありましたら、気軽にご相談ください。

また当院では内側側副靭帯損傷を含めた膝関節に対するテーピングの方法などもYouTubeInstagramの各種SNSにアップしていますので気になる方は参考にされてみてください。

杏鍼灸整骨院の妹川でした。

投稿者プロフィール

妹川 和志
妹川 和志柔道整復師
柔道整復師

福岡柔道整復専門学校(現 福岡医療専門学校)卒業

陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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