肉離れ後の運動で復帰に向けた準備|EMS(NMES)で筋収縮

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こんにちは!!

福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川(いもかわ)です。

今回は【肉離れ後の運動で復帰に向けた準備|EMS(NMES)で筋収縮】に関して紹介していきます。

今回紹介している動画は陸上競技をしている高校生です。

スタート練習をしている時に飛び出してダッシュの途中で負傷しています。

症状はかなり良好に進んでいて、状態に合わせて運動を開始した時に初期の方で行った運動になります。

肉離れに限らずどの怪我でも同様ですが、症状が改善してくると復帰に向けて運動などを開始していく事がとても重要になってきます。

これがしっかりと出来ているか出来ていないかで❝復帰時のパフォーマンス❞❝再発の可能性❞❝痛みが残るのか❞などが全然違ってきます。

そこで今回は当院で行っている比較的初期の方で行う運動の施術例とEMS(NMES)に関して少し紹介していきましょう。

ちなみにこちらでもハムストリングスに対して別の運動を紹介しているので是非合わせて読んでみてください。

目次

運動を開始する時期は??どこまで運動していいの??

怪我の復帰には『運動は大事ですよ』とか『運動をしないといけないよね』という事はよく聞くと思います。

もちろん私自身も色々な患者様に同じように言っています。

しかし運動が大切なのはわかっていても『いつから運動していいの??』とか『何をしたらいいの??』が出てくる疑問だと思います。

そこでここでは簡単な運動の目安に関して話していきましょう。

先ほど紹介した別の記事でも書いているのですが、運動を開始するタイミングとどんな運動をしていくかがとても大切になってきます。

これがしっかりと行えているかどうかで復帰のスムーズさや予後が全然違ってきます。

では何を目安に行っていくといいでしょうか??

ここで基準としているのが痛みです。

患部に感じる痛みが❝どんな種類の痛みなのか❞または❝どんな時に痛みがあるのか❞などを基準に考えていきます。

大前提として痛みが出るような動作は基本絶対に行いません。

痛みがない程度で行っていける運動を選択して行っていきます。

《損傷初期に行う運動》

損傷部位に疼きが出ている間は基本的に安静にします。
疼きが落ち着いたタイミングで筋肉を若干の伸長方向に動かします。
伸びている感覚の全くないストレッチ姿勢くらいの形です。

この時は基本的に安静です。

しかし筋肉などの組織は痛みを絶対に感じない範囲の若干のストレスをかけてあげてた方が、より強く早く治ろうとする特性があります。

その特性を狙ってストレッチ感の全くないストレッチ姿勢をとってあげる事で、損傷部位に若干のストレスが加わるので損傷部位には線維芽細胞といって筋肉などを作っている材料が沢山集まりやすくなります。

これにより損傷部位周辺は修復されやすくなりますし、集まってきた線維芽細胞はバラバラではなく整列して綺麗に並びやすくなります。

結果的に筋肉は早く強く治ろうとしていきます。

ちなみにストレッチ感の全くないストレッチ姿勢はハムストリングスの場合は❝椅子に座って膝を伸ばしておく❞くらいの形で十分です。

《中期から後期に行う運動》

疼きがなくなって歩行等が問題なくなった時期は軽い運動を開始していきます。
運動の強度としては筋収縮を起したり関節運動の開始をしていきます。
ここでも基本は痛みがない範囲で行う事が大切です。

この時期から少しずつ運動として筋肉や関節に動きを出していきます。

歩行時に痛みが無くなったり階段で痛みが無くなったりすると行い始めるくらいが目安になってきます。

これくらいになると筋の収縮を起こす事は問題なくなってきているので、筋収縮を起こさせる練習から、それに伴って関節運動を行っていく程度の運動を行っていきます。

筋収縮を出しやすくするためにEMS(NMES)という電気刺激を使用しながら、筋の促通を行ったり再教育を行ったりしていきます。

また後期になってくると損傷部位のストレッチを行っていきます。

初期ではストレッチ感のないストレッチ姿勢でしたが、ここではしっかりと伸びている感覚を出しながらのストレッチになります。

新しく出来た組織は硬くなりやすいので、ストレッチを行うと組織の配列が整理されやすいので筋の伸張性が上がりやすくなります。

どうしてもストレッチを開始した最初は伸びる感覚とは違う痛みが少し出てきやすいですが、無理に伸ばす事は絶対に行ってはいけません。

ゆっくりゆっくりと伸ばしていって最終的には左右変わらない程度に筋の伸張性が上がっていく事が理想です。

《後期から復帰に行う運動》

運動の強度を上げていきます。
また競技復帰や生活復帰に向けた運動も開始していきます。
運動強度が上がっていくので再発を起こすリスクも高くなる事に注意が必要です。

この時期になってくると積極的に運動の強度を上げていきます。

強度上げるのは重りを持ったり自重運動でもジャンプなど動きの幅を広げていって一種類でずっと行うのではなく、様々な運動を取り入れながら色々な動きで筋肉に負荷を掛けていきます。

また復帰に向けた運動も開始をしていきます。

競技復帰の場合はスポーツによって特性の動きがあったり、負荷が掛かりやすい部位や動きがあったり、損傷を起こした瞬間の動きだったりと復帰するためにこれらがしっかりと行えるようにしていきます。

またジョギングをしたりゆっくりからダッシュをしたりなど少しずつ走ったりなどの動きも増やしていきます。

最終的にはストレッチの左右差》《筋収縮・筋出力の左右差》《俊敏性の左右差などがしっかりと左右差がなく行えるようにして、ダッシュなどでも違和感なく行えるようにしていきます。

当院で行った運動の一例|EMS(NMES)を使用した例

当院で行った運動の一例です。

上記の時期でいうと《中期から後期に行う運動》に当てはまるものです。

運動をする時にEMS(NMES)という電気刺激を一緒に行っています。

これは電気刺激を与えると筋収縮を起こす事が出来るのですが、これを行う目的はいくつかあります。

筋肉は損傷を受けるとすぐに弱くなってしまい筋肉の機能が低下するのですが、これを筋委縮といいます。

この筋萎縮は必ず起きてくるので、どれだけ筋委縮の症状を少なく済ませる事が出来るかという事が重要になってきます。

そこで使用するのがEMS(NMES)になります。

電気刺激による筋収縮と自分の意識による筋収縮を一緒に行う事で、筋肉が収縮をより強く起こしやすくなります。

これによって筋の促通》《筋の再教育などが起きて、筋委縮の予防や筋委縮によって起きた筋の機能低下が改善しやすくなります。

まとめ

今回は【肉離れ後の運動で復帰に向けた準備|EMS(NMES)で筋収縮】に関して紹介しました。

肉離れは再発の可能性が高い厄介な怪我の一つです。

そこで復帰をしていく前に運動を行っていく事で、再発の可能性を下げていく事が出来ます。

またその運動も❝どの時期にどの運動を選択していくか❞という事が重要になってきます。

選択をすると、そこにEMS(NMES)などを加える事で運動の効果をより高く出す事が出来ます。

身体の状態と相談しながら選択をしていけると良いと思います。

怪我に関しての疑問や運動関しての疑問など、何か気になる事は気軽にご相談ください。

杏鍼灸整骨院の妹川でした。

投稿者プロフィール

妹川 和志
妹川 和志柔道整復師
柔道整復師

福岡柔道整復専門学校(現 福岡医療専門学校)卒業

陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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