こんにちは。
福岡県筑紫野市の杏鍼灸整骨院の妹川です。
今回は【超音波(LIPUS)と電気療法(微弱電流)を使った肉離れに対する処置】について紹介していきます。
今回の内容は、肉離れの初期に対する処置を紹介しています。
肉離れを起こした後に、安静にしている事も多いと思います。
最初は確かに安静が大切です。
しかし、そこに一つ加療を加える事で治る期間を短く出来る可能性があります。
競技復帰や生活復帰が早くなるかもしれません。
そこで今回は、当院で行っている負傷初期にしている施術の一例を紹介していきます。
急性期の処置 RICEとPOLICE
怪我をした場合、処置をしなければなりません。
例えば、今日肉離れをしたとしたらどうしたらいいでしょうか??
怪我をした場合の最初にとって欲しい対処は《RICE》です。
Rest・・・患部を安静にする事
Icing・・・患部を冷やす事
Compression・・・患部に圧迫を加える事
Elevation・・・患部を挙上する事
これらの頭文字を取ってRICE(ライス)といいます。
患部にこのような対処を取る事で一番最初に出血を抑える事が出来て、それにより損傷部位の周辺組織の二次損傷を防ぎます。
怪我をした時の損傷が一次損傷です。
二次損傷とは、一次損傷によって起きた事により損傷や悪い影響を及ぼしている事をいいます。
肉離れの場合は、出血によって周辺の組織に血液が浸潤していき周りの組織や細胞に悪い影響を起こしていきます。
このような二次損傷を小さく抑えるために行うのがRICEです。
近年では先ほど説明したRICEに変わって《POLICE》という事も多くあります。
Protection・・・患部を保護する事
Optimal Loading・・・患部に最適な負荷を加える事
Ice・・・患部を冷やす事
Compression・・・患部を圧迫する事
Elevation・・・患部を挙上する事
これらの頭文字を取ってPOLICE(ポリス)といいます。
基本の考え方はRICEと同じような事ですが、ここでは患部を安静ではなく保護する事に変わり、患部に適切な負荷を加える事がプラスされています。
患部に対する適切な負荷は凄く大切な事です。
ずっと安静にしていても怪我は治っていきますが、そこに適度な負荷を加える事で、より早くより強く治ろうと組織は働いていきます。
※時期を考える事が大切なので注意は必要です
これらが、怪我をしてすぐの急性期に行ってほしい処置になります。
超音波(LIPUS)と電気療法(微弱電流)
急性期の怪我についての処置について知っていただけたと思います。
基本は初期には患部の安静や保護が大切ですが、適切な負荷が掛けられるような時期になると歩行が出来るようになります。
そこで、次に行ってほしい事はもっと早く治るための処置です。
当院では、超音波(LIPUS)や電気療法(微弱電流)を使ってより早く治るための処置を行っていきます。
超音波によって期待できる効果は、軟部組織の治癒促進です。
超音波とは、細かい振動を体内に照射する事で様々な効果を発揮します。
その効果には大きく分けて温熱効果と非温熱効果がありますが、LIPUSで期待できる効果は非温熱効果になります。
非温熱効果は基本何も感じないのでわかりにくいのですが、体内に弱く細かい振動を照射する事で、細胞や組織を振動させて活性させていきます。
それにより体内では、傷が治ろうと働き出します。
細かくはこちらに書いていますので確認してみてください。
次に微弱電流についてですが、まずは体の仕組みを知ってください。
体内には常に弱い電気が流れていています。
体の細胞には電位というものがあり、細胞内がマイナスで細胞外はプラスになっています。
そこで怪我をして細胞・組織に傷が入ると細胞内にあったマイナス電位が細胞外に漏れ出してきます。
その漏れ出したマイナス電位に引き寄せられて周辺からプラス電位が集まってきます。
この現象の事を損傷電流といいます。
損傷電流で集まってきたプラス電位の組織には、傷の修復に必要な組織が多く含まれてきます。
それにより傷の修復が行われていきます。
この体の中に流れている電気と同じくらいの弱い電気を微弱電流といい、それを体に流す事で体には様々な効果を発揮します。
では微弱電流を体に流すとどうなるでしょうか?
微弱電流を流す事で、損傷電流によって引き寄せられてきたプラス電位をより集まりやすいようにしてくれます。
結果、傷の治りが通常より早く行われていきます。
微弱電流とは、傷の修復を行いやすい体の状態にしてくれます。
超音波(LIPUS)によって軟部組織の治癒促進で傷の治りを早くする事
微弱電流によって怪我が治りやすい環境にしてくれている事
それぞれの効果を期待して一緒に行っている事が当院では多いです。
実際の施術風景
実際に当院で行ている施術風景です。
受傷後4日目で超音波(LIPUS)と電気療法(微弱電流)を使用しています。
4日後は炎症期は過ぎていますが、腫れなどが多い場合はまだ安静を中心とした施術を行う事も多くあり、この時はなるべく患部に負荷を掛けずに非温熱効果や微弱電流のように刺激の少ない施術方法を選択しています。
超音波と微弱電流それぞれの効果を考えて、少しでも傷の治りが早くなる事を目的に行っています。
《LIPUS✖︎MCR》
受傷4日目の肉離れです
損傷部位にLIPUSを照射し、それを挟むようにMCRを通電しています
LIPUS→非温熱効果
MCR→低頻度
これらにより軟部組織の治癒促進を狙っていますLIPUSは損傷部位にしっかりと照射出来てないと効果が無いので触診が重要です#超音波 #物療好き #イモ音波 pic.twitter.com/f4TLk2HCVe
— 妹川 和志 (@kazuyuki_imo) January 19, 2022
まとめ
今回は【超音波(LIPUS)と電気療法(微弱電流)を使った肉離れに対する処置】について紹介しました。
怪我をした場合、最初の処置をしっかり行うだけでも治りの早さは変わってきます。
また、その時にプラスで施術を行えると、もっと早く治る可能性は大きくあると思っています。
怪我の度合いや時期に合わせて、加療やリハビリ運動が行えると、スポーツへの復帰や生活への復帰がスムーズに行えると思います。
ぜひ、今回の説明した怪我をした場合の最初の処置だけでも知っておいてほしいです。
杏鍼灸整骨院の妹川でした。
投稿者プロフィール
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柔道整復師
福岡柔道整復専門学校(現 福岡医療専門学校)卒業
陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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