
こんにちは!
福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の陣内由彦です。
今回は当院に来院されたバレーボール選手のいわゆるジャンパーズニー(膝蓋腱症)についての施術を含めて当院の取り組みやジャンパーズになどを説明していきたいと思います。
ジャンパーズニーは非常に多いですね。
今回の患者様は新高校1年生の方です。地域の選抜にも選ばられるような選手で高校受験のため一度バレーボールの練習から離れて練習の再開後直後に痛みが出たそうです。
このように練習の再開や練習量が増えた時にこのような痛みが出る事は多いです。
この辺りの理由も説明していきます‼
最後まで是非ご覧くださいね!
そもそも膝蓋腱症ってどんな状態?

膝のお皿(膝蓋骨)と脛骨をつなぐ「膝蓋腱」という組織に起こる障害です。
よく「腱の炎症でしょ?」と思われがちですが実は少し違います。
炎症というよりも腱そのものが変性(傷んで弱くなること)している状態が問題となり痛みの原因となっている事が多いです。
具体的にはこんなことが起きています。
- コラーゲンの並び方が乱れる
- 腱が太くなり、もろくなる
- 本来あるはずのない血管や神経が腱の中に入り込んでくる
この「神経の侵入」が痛みを強くする原因のひとつになっています。
なぜバレーボール選手に多いの?
バレーボールはスパイク・ブロック・着地など、ジャンプと着地を何度も繰り返す競技です。
この「着地」のときが実は腱にとってとても大きな負担になります。
着地の瞬間太ももの筋肉(大腿四頭筋)はブレーキをかけるように働きます。
この働き方を「遠心性収縮(エキセントリック収縮)」といい腱に最もストレスがかかる動き方です。
ジャンプ → 着地 → ジャンプ → 着地… を毎日繰り返すことで腱に小さなダメージが積み重なり体が修復しきれなくなる。
それが腱変性へとつながっていきます。
膝蓋腱症はどこが痛くなるの?

痛みが出やすいのは「膝蓋骨の下の端(下極)」、つまり膝のお皿のすぐ下あたりです。ここを指で押すと痛みを感じることが多く判断の参考になります。
症状の進み方(Blazina分類)
症状は段階的に進行します。
早めに気づくことがとても大切です。
| ステージ | 状態 |
|---|---|
| Stage 1 | 運動のあとだけ痛みがある |
| Stage 2 | 運動中も痛むがなんとかプレーできる |
| Stage 3 | 運動中に強い痛みがありパフォーマンスが落ちる |
| Stage 4 | 腱が断裂してしまう(最も重症) |
初期のうちは「ウォームアップをすると痛みが和らぐ」ことが多いため見逃されやすいので注意が必要です。
実際この時にアプローチをしていくと復帰まで早い事が多いのですが
「練習をして集中していくとアドレナリンが出ていたくないです‼」
とよく耳にするのですがこれはアドレナリンの分泌とかではなくStageが軽度の場合の特徴でここで無理をして悪化をしてしまっている事が多いです。
どんなときに痛む?
- ジャンプするとき
- 着地のとき
- ダッシュし始めるとき
- 膝を曲げて負荷をかける動作
進行するにつれて、日常生活でも痛みを感じるようになってきます。
なぜ「練習が増えたとき」や「始めたばかり」に膝が痛くなるの?

ここからは今回のケースのように練習の再開後や練習量が増加した時に症状が出てきてしまう理由を説明していきたいと思います。
ではなぜそうなるのか。
6つのポイントに分けて解説します。
① 腱は「適応するのに時間がかかる」組織
筋肉と腱ではトレーニングへの適応期間が大きく違います。
筋肉は練習開始の比較的早い段階で練習についていけるようになっていけるということですね。
| 組織 | 適応にかかる時間 |
|---|---|
| 筋肉 | 数日〜数週間 |
| 腱 | 数週間〜数ヶ月 |
つまり筋力は先に伸びていくのに腱はまだ追いついていないという状態が生まれやすいのです。
その状態でジャンプ量が増えると…
腱への過剰なストレス → 微細な損傷の積み重ね → 膝蓋腱症へ
ということになっていきやすいのです。
② 負荷が急激に増えすぎている
腱は「じわじわ増える負荷」には時間をかけて適応できます。
しかし急な負荷の増加には対応できません。
よくある例としては、
- 練習時間が急に倍になった
- ジャンプの本数が一気に増えた
- 試合と練習が重なって休む暇がない
こういった状況ではダメージの修復が追いつかず腱が変性していく可能性が増えていきます。
③ まだ動きが体に染みついていない(特に初心者)
競技を始めたばかりの選手に多いのが動作が未熟なことによる膝への負担集中です。
- ジャンプするときに膝だけで跳んでしまう
- 股関節をうまく使えていない
- 着地が硬く、体全体で衝撃を吸収できていない
こうした動きのクセがあると本来は全身で分散されるべき負荷が膝蓋腱の一点に集まってしまいます。
④ 筋肉の硬さや柔軟性のアンバランス
練習量が急に増えた人や初心者に共通して見られるのが筋肉のアンバランスです。
- 太もも前面(大腿四頭筋)が張りすぎている
- もも裏(ハムストリング)が硬い
- 足首が上に曲がりにくい
これらが重なると膝の前側にかかるストレスがさらに増えてしまいます。
⑤ 体のコントロール力がまだ育っていない
見落とされがちですが、経系の未発達も大きな要因です。
- バランス感覚や体の位置感覚がまだ鈍い
- 筋肉を動かすタイミングがうまく合っていない
- 無意識に筋肉に余分な力が入りすぎてしまう
こうした状態だと力をうまく全身に分散できず腱に集中してしまいます。
⑥ 回復が追いついていない
練習量が増えると、体を修復する時間も確保しづらくなります。
- 睡眠不足
- 栄養不足
- 疲労の蓄積
腱は休んでいる間に修復・再構築(リモデリング)されます。
その時間が取れないと小さなダメージがどんどん積み重なっていくことになります。
この積み重ねが腱の変性を作っていきます。
今回の杏鍼灸整骨院の施術
今回はgrade1相当の運動後だけに痛みが出るという事での来院でした。
その事もありすぐに運動の開始が出来非常にスムーズな復帰でした。
腱由来の痛みは長期化すれば長期化するほど厄介になります。
他の記事でも何度も書いていますが早期の復帰を望むならば痛みが出た初期の時点でケアをしていく事が大事になると考えています。
ジャンパーズニーも時期によって色んなことをしていくのですが今回の施術でご紹介をしているのはIM-2000という機器を用いて微弱電流をしています。
ですのでもう少し微弱電流が腱にどのように効果があるのかを説明していきたいと思います。
ジャンパーズニー(膝蓋腱症)と微弱電流

ジャンパー膝のケアというとアイシングやストレッチをイメージする方が多いかもしれません。
しかし近年、微弱電流療法(MENS:Microcurrent Electrical Neuromuscular Stimulation)が注目されています。
その理由は「痛みを一時的に和らげる」だけでなく腱の修復そのものに働きかけるからです。
これらは従来の電気治療とは少し目的が違うものとなります。
今までの電気治療は鎮痛を目的とする事が多く組織回復を目指すものではないです。
メカニズムを5つのポイントに分けて解説します。
① 細胞のエネルギー(ATP)を増やして腱の修復を促す
微弱電流の最大の特徴は、細胞レベルでエネルギーを生み出す力を高めることです。
細胞がはたらくためのエネルギー源は「ATP」と呼ばれる物質です。微弱電流を流すことで、
- 細胞膜の電位が整えられる
- ミトコンドリア(細胞の発電所)が活性化する
- ATPの産生量が大幅に増える
その結果、腱の細胞(テノサイト)の修復活動が活発になりコラーゲンの合成も進みます。
ジャンパー膝の本質は「炎症」ではなく「腱の変性」であることをふまえるとこの「修復を促す」はたらきはとても重要なアプローチです。
② コラーゲンの質と配列を改善して腱を「強い状態」に再建する
腱の強さを決めるのはⅠ型コラーゲンがどれだけ整った形で並んでいるかです。
変性した腱ではコラーゲンの配列が乱れ腱全体が弱くなっています。
微弱電流はこれに対して、
- 線維芽細胞(コラーゲンをつくる細胞)を活性化する
- コラーゲンの産生を促進する
- 乱れた配列を再構築(リモデリング)する
という形で作用します。
これは体外衝撃波療法やエキセントリックトレーニングと同じく「組織そのものを再生させる」アプローチのひとつと考えられます。
③ 慢性的な炎症環境を整えて痛みの原因にアプローチする
ジャンパー膝は「炎症ではない」と言われることもありますが実際にはIL-1βやTNF-αといった炎症を引き起こす物質(炎症性サイトカイン)が低レベルで慢性的に関与しています。
微弱電流はこうした慢性炎症に対して、
- 炎症を促進するサイトカインを抑える
- 逆に、炎症を収束させるサイトカインを増やす
- マクロファージ(免疫細胞)のはたらきを調整する
ことで痛みが続く原因となっている「慢性炎症の環境」を改善しやすい環境にすると考えられます。
④ 鎮痛効果でリハビリをスムーズに進めやすくする
微弱電流は刺激がとても弱いため「本当に効いているの?」と感じる方もいますがしっかりとした鎮痛効果も確認されています。
- 体内の鎮痛物質(内因性オピオイド)の分泌を促す
- 神経の過剰な興奮を鎮める
- 痛みを引き起こす物質を減らす
その結果、運動中の痛みが和らぎリハビリや運動療法を進めやすい状態をつくることができます。
痛みがあると動くことをためらいがちですがその悪循環を断ち切る助けになります。
⑤ 体本来の「損傷電流」を再現して修復スイッチを入れる
少し専門的な話になりますがこれが微弱電流の本質的なメカニズムのひとつです。
実は、組織が損傷を受けると体は自然に「損傷電流」と呼ばれる微弱な電流を自ら流して修復を促します。
しかし慢性化した腱の障害ではこの自然な治癒電流が弱まっている可能性があります。
微弱電流療法は、この「体が本来流すべき電流」を外から補うことで止まりかけていた修復のスイッチを再び入れるイメージです。
これらの効果でバレーボールに多い膝蓋腱症(ジャンパーズニー)などには微弱電流は効果的だと考えられますし、杏鍼灸整骨院では効果が出ている事が多いです。
まとめ
今回はバレーボール選手に多いジャンパーズニーの施術の一例をご紹介していきました。
記事の中でご紹介したようにジャンパーズニーも症状の進行により分類に分けられます。重症になればやはり時間が掛かります。残念ながら魔法のように一発で回復させるものはありません。
ですのでなるべく早いケアが大事になります。
学生スポーツは期間があります。
そのためほんとに様々なドラマがあります。
それを少しでも支えれるように、力になれるように日々臨床をしてります。
何かございましたらお気軽にご相談ください。
最後までご覧くださりありがとうございました!
杏鍼灸整骨院の陣内由彦でした。
また当院で行っている施術やテーピング方法などをInstagramやYouTubeなど各種SNSにアップしていますので気になる方は是非見てみてください。
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投稿者プロフィール

- 柔道整復師、鍼灸師
-
院長 柔道整復師 鍼灸師
福岡医健専門学校卒業
株式会社セイリン様、株式会社伊藤超短波などでもセミナー活動をしており精力的に鍼灸をひろめようと活動もしております。
陸上競技、ソフトボール、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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