
こんにちは!福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の陣内由彦です。
腰椎分離症で困っている方は多いですね・・・
当院にも多くの方がご来院されています。
今回は腰椎分離症に対して注目されているLIPUSという超音波治療機器について最新論文などの内容を参考にしてご紹介していきたいと思います。
整骨院で腰椎分離症の施術をする場合医師からの同意が必要になりますので希望される方は担当医師の先生にご確認ください。
腰椎分離症ってどんな病気なの?

まず、腰椎分離症について簡単にご説明しますね。
腰椎分離症は、腰の骨(腰椎)の一部が疲労骨折を起こしてしまう状態のことです。
野球やサッカー、バスケットボール、バレーボールなど、ジャンプをしたり腰を反らしたり、ひねったりする動作を繰り返すスポーツをしている10代の成長期のお子さんに多く見られる傾向があります。
整形外科領域の研究のデータによると、一般の人では約5パーセントの方に分離症が見られるのに対し、スポーツ選手では30から40パーセントの方が分離症になっているという報告もあるんです。つまり、スポーツを頑張っている人ほど、この疲労骨折のリスクが高くなるということですね。
腰椎分離症の症状としては、初期は腰に軽い違和感や痛みがあり特に前後に身体を動かした時や捻った時に痛みがあるのが特徴的です。
また進行すると強い痛みが腰部に出て脚にまで痺れや痛みが出る事があります。
LIPUSってどんな治療なの?

LIPUSとは「Low Intensity Pulsed Ultra Sound」の略で、日本語では「低出力パルス超音波」と呼ばれています。
少し難しい言葉ですね。簡単に言うと、骨折した部分に対して、とても弱い超音波を断続的に当てることで、骨がくっつくのを助けてくれる治療法なんです。
LIPUSの仕組みを分かりやすく説明すると
骨が折れたり、ひびが入ったりすると、体は自然に骨をつくり直して治そうとします。
これを「骨癒合(こつゆごう)」といいます。LIPUSは、この骨をつくり直す働きをサポートしてくれるんですね。
具体的には、LIPUSから出る微弱な超音波の振動が、骨をつくる細胞(骨芽細胞といいます)を刺激して活性化させます。また、骨の材料となるコラーゲンというタンパク質の生成を促したり、骨折部分に新しい血管ができるのを助けたりする効果も報告されています。
治療方法はとても簡単で、骨折した部分の皮膚の上から専用の機器を当てるだけです。痛みや不快感はほとんどなく、1日20分程度、治療を受けていただきます。
詳しくはこちらから
は骨折の治りを早くする!?その効果とは??.jpg)
LIPUSの大きな特徴
普通の超音波治療器と違って、LIPUSは出力がとても弱いため、皮膚に長時間当てても安全なんです。通常の超音波治療を長時間おこなうとやけどなどのリスクがあります。
また、骨折の初期段階から使えることも大きな特徴です。
通常、骨折した直後は炎症が強いため、刺激を与える治療は避けることが多いのですが、LIPUSは炎症を悪化させる心配が少ないため、早い段階から治療を始められます。
腰椎分離症にLIPUSは効果があるの?研究結果をご紹介

それでは、腰椎分離症に対してLIPUSが本当に効果があるのか、実際の研究結果を見ていきましょう。
研究1:競技復帰までの期間を大幅に短縮
2019年に発表された日本の研究では、とても興味深い結果が報告されています。
この研究では、早期の腰椎分離症と診断された82人の患者さんを2つのグループに分けて比較しました。1つのグループは、コルセット装着やスポーツ活動の調整、運動療法という従来の治療にLIPUSを追加した35人、もう1つのグループは従来の治療だけを受けた47人です。
その結果、競技復帰が許可されるまでの期間の中央値は、LIPUS治療を受けたグループでは61日だったのに対し、従来の治療だけのグループでは167日もかかったんです。
つまり、LIPUS治療を追加することで、復帰までの期間が約3分の1に短縮される可能性が示されたということですね。
さらに詳しく見ると、90日時点で回復した患者さんの割合は、LIPUS治療グループでは65.7パーセントだったのに対し、従来治療のみのグループではわずか12.8パーセントでした。この差は本当に大きいですよね。
また、治療を途中でやめてしまった人の割合も、LIPUS治療グループの方が明らかに少なかったそうです。
これは、早く効果を実感できることで、患者さんのモチベーションが保たれたからかもしれません。
研究2:進行期の分離症でも骨癒合が促進
2017年に発表された別の研究では、少し進行してしまった腰椎分離症の患者さん13人を対象に調査が行われました。
この研究では、MRI検査で明らかな骨の隙間が確認されている段階の分離症患者さんに対して、通常の保存療法にLIPUSを追加したグループと、通常の保存療法のみのグループを比較しました。
その結果、5ヶ月以内に骨がくっついた(骨癒合が完了した)患者さんの数は、通常治療のみのグループではわずか1人だったのに対し、LIPUSを併用したグループでは6人と、明らかに高い骨癒合率が見られました。
この研究は少人数での調査でしたが、少し進行してしまった分離症に対しても、LIPUSによって骨癒合が促進される可能性があることを示しています。
研究3:痛みと機能障害の改善
2022年に発表された研究では、早期の腰椎分離症患者さん34人を対象に、痛みと日常生活の機能障害がどう変化するかを調べました。
この研究では、通常の保存療法に加えてLIPUS治療を追加したグループと、通常の保存療法のみのグループを比較しました。治療開始から12週後と20週後に痛みの強さと機能障害の程度を測定したところ、LIPUS治療を追加したグループの方が、両方の指標で明らかに良い改善が見られたそうです。
つまり、LIPUSは骨癒合を促進するだけでなく、痛みを和らげたり、日常生活での動きやすさを改善したりする効果も期待できるかもしれないということですね。
LIPUSの一般的な骨折治療での効果
腰椎分離症は腰の疲労骨折ですから、一般的な骨折に対するLIPUSの効果についても知っておくと参考になるかと思います。
多くの研究報告によると、通常の骨折に対してLIPUSを使用した場合、骨がくっつくまでの期間が約40パーセント短縮されることが示されています。つまり、本来3ヶ月かかる骨折が、約2ヶ月弱で治る可能性があるということです。
また、治りにくい骨折(難治性骨折)に対しても、約90パーセントという高い治癒成功率が報告されているそうです。
杏鍼灸整骨院での実際におこなっている施術
実際にLIPUSを照射している所です。
LIPUSのメリットとデメリット

メリット
- 治療期間の短縮が期待できる 研究結果からも分かるように、骨癒合までの期間を大幅に短縮できる可能性があります。スポーツ選手にとって、早く競技に復帰できることはとても大切なことですよね。
- 痛みや不快感がほとんどない 治療中に痛みを感じることはほとんどなく、機器を当てているだけですので、お子さんでも安心して受けられます。
- 早期から使用できる 骨折の初期段階から使えるため、治療の遅れによる骨折の悪化を防げる可能性があります。
- 年齢制限がない 小学生から大人まで、幅広い年齢層の方が治療を受けることができます。
- 固定しながらでも治療できる コルセットなどで固定しながらでも治療が可能です。
考慮すべき点
- 保険適用の問題 現在のところ、LIPUSの保険適用については施設によって異なる場合があるようです。治療を受ける前に、医療機関に確認されることをお勧めします。
- 正確な照射が必要 超音波の特性上、損傷部位に正確に照射しないと効果が十分に得られない可能性があります。そのため、エコー検査などで損傷部位をしっかり確認できる医療機関で治療を受けることが大切です。
- 毎日の通院が理想的 より効果を得るためには、できれば毎日20分程度の治療を受けることが推奨されています。ただし、患者さんの生活スタイルや通院の都合に合わせて、頻度は調整できる場合もあります。
LIPUSだけで治るわけではありません

ここまでLIPUSの効果についてお話ししてきましたが、大切なことをお伝えしなければなりません。それは、LIPUSはあくまで「骨癒合を助ける補助的な治療」であるということです。
腰椎分離症は、繰り返しの腰への負担が原因で起こる疲労骨折です。ですから、骨がくっついたとしても、腰に負担をかけてしまう動作のクセや筋力の弱さ、体の硬さなどの根本的な問題を改善しなければ、また同じ場所を痛めてしまう可能性があります。
そのため、LIPUS治療と並行して、以下のような取り組みも大切になってきます。
運動療法とリハビリテーション
腰を支える筋肉(腹筋や背筋)を適切に鍛えたり、股関節や太ももの柔軟性を高めたりすることで、腰への負担を減らすことができます。理学療法士などの専門家の指導のもと、適切な運動を行うことが重要です。
スポーツ動作の見直し
腰を過度に反らせてしまうような動作フォームを修正することも大切です。コーチやトレーナーと相談しながら、腰に優しい動作を身につけていきましょう。
装具療法
医師の指示に従って、コルセットなどを適切に使用することも治療の一部です。
生活習慣の改善
十分な睡眠、バランスの取れた栄養、適切な水分補給なども、骨の治癒には欠かせません。
腰椎分離症の早期発見の大切さ
研究結果からも分かるように、LIPUSの効果は特に早期の段階で高いといわれています。
ですから、腰椎分離症を早く見つけることがとても大切なんです。
お子さんがスポーツ中に腰の痛みを訴えたとき、「少し休めば治るだろう」と軽く考えてしまいがちですが、もし10日以上腰痛が続く場合は、整形外科を受診することをお勧めします。
まずは専門機関での検査が大事です‼
また、レントゲン検査だけでは初期の腰椎分離症を見つけることが難しい場合があります。
より正確な診断のためには、MRI検査が有効だといわれています。
早期に発見できれば、コルセット装着とスポーツの休止(約3ヶ月)で、骨を元通りにつなげることができる可能性が高くなります。
逆に、発見が遅れて進行してしまうと、治療期間が長くなったり、手術が必要になったりすることもあるため、早めの受診が本当に大切です。
患者さんとご家族へのメッセージ
腰椎分離症と診断されて、「もうスポーツができないのではないか」「将来に影響が出るのではないか」と不安に思われている方も多いかもしれません。
でも、適切な治療を受ければ、多くの場合、元の競技レベルに戻ることができるんです。実際、保存療法(手術をしない治療)を受けた患者さんの約92パーセントがスポーツ復帰でき、約88パーセントが元のレベルまで回復できたという研究報告もあります。
LIPUS治療は、そうした回復をサポートしてくれる可能性のある治療法の一つです。
また、治療中は焦らずしっかり治すことが大切です。
特に、10代の成長期のお子さんにとっての3ヶ月は、とても長く感じられるかもしれません。でも、この期間にしっかり治療すること、そして体のケアを学ぶことが、その後の長いスポーツ人生のためになると考えていただければと思います。
まとめ
腰椎分離症に対するLIPUS治療について、研究論文の内容をもとにご説明してきました。
まとめると、
- LIPUSは低出力の超音波を使った治療法で、骨癒合を促進する効果が期待できます
- 早期の腰椎分離症に対して、競技復帰までの期間を大幅に短縮できる可能性があります
- 痛みの軽減や日常生活機能の改善も期待できるかもしれません
- ただし、LIPUSは補助的な治療であり、運動療法などと組み合わせることが大切です
- 早期発見、早期治療が何より重要です
腰椎分離症は決して珍しい病気ではありませんし、適切に対処すれば治る怪我です。
お子さんの様子をよく観察して、腰痛が続くようであれば早めに医療機関を受診してくださいね。
この記事が、腰椎分離症で悩まれている患者さんやご家族の参考になれば幸いです。
ご不明な点や心配なことがあれば、必ず医師や専門家にご相談ください。
またテーピングや怪我に関して疑問がある方は気軽にご質問ください。
投稿者プロフィール

- 柔道整復師、鍼灸師
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院長 柔道整復師 鍼灸師
福岡医健専門学校卒業
株式会社セイリン様、株式会社伊藤超短波などでもセミナー活動をしており精力的に鍼灸をひろめようと活動もしております。
陸上競技、ソフトボール、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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