イズリン病(Iselin病)とLIPUS療法:お子さまの足の痛みに向き合う新しい選択肢

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こんにちは!福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の陣内由彦です。

お子さまが「足の外側が痛い」と訴えたことはありませんか?

特に、サッカーやバスケットボールなど、走ったり跳んだりするスポーツを頑張っているお子さまに多く見られる症状にイズリン病(Iselin病)というものがあります。

今回の記事は、イズリン病という成長期のお子さまに起こりやすい足の病気と、その治療法の一つとして注目されている「LIPUS(ライプス)療法」についてお話ししたいと思います。

目次

イズリン病ってどんな病気?

イズリン病の基本

イズリン病は、足の小指側の甲の部分、専門的には「第5中足骨基部」と呼ばれる場所に痛みが出る病気です。1912年にイズリンという医師によって報告されたため、この名前がついています。

主に8歳から14歳くらいのお子さまに見られ、骨端症(こったんしょう)という成長期特有の病気の一つとして知られています。

どうして起こるの?

成長期のお子さまの骨には、「骨端線(こったんせん)」という特別な部分があります。これは骨が伸びていく場所なのですが、まだ柔らかくて弱いという特徴があります。

イズリン病では、足の外側についている「短腓骨筋(たんひこつきん)」という筋肉が、運動のたびに骨端線を引っ張ることで、少しずつダメージが蓄積していきます。特にサッカーやバスケットボール、バドミントンなど、急な方向転換やジャンプを繰り返すスポーツで起こりやすいと考えられています。

どんな症状が出るの?

主な症状としては、次のようなものがあります。

  • 足の外側(小指の付け根あたり)の痛みや腫れ
  • 運動をすると痛みが強くなる
  • その部分を押すと痛い
  • 歩くときに足をかばうような歩き方になる

一般的には、3週間から12週間ほどで痛みが落ち着くことが多いと言われていますが、お子さまによって治るまでの期間は異なります。

LIPUS療法とは?

LIPUS療法の仕組み

LIPUS(Low Intensity Pulsed Ultrasound)は、日本語で「低出力超音波パルス療法」と呼ばれる治療法です。この名前だけ聞くと難しく感じるかもしれませんが、仕組みはシンプルです。

体の表面に置いた治療用の器械から、とても弱い超音波を断続的に(オンとオフを繰り返しながら)患部に当てることで、骨や軟骨の治りを早める効果が期待できる治療法なんです。

超音波って何?

「超音波」というと、妊婦さんのお腹の赤ちゃんを見るエコー検査を思い浮かべる方も多いかもしれませんね。

あれと同じ種類の音波ですが、LIPUSでは「治療」を目的として使います。

人間の耳では聞こえないほど高い周波数の音波を、とても弱い出力で使うのがポイントです。そのため、治療中に痛みを感じることはほとんどありません。

むしろ何も感じません。

どんな効果があるの?

LIPUSが骨や軟骨に届くと、細胞レベルでさまざまな良い変化が起こると考えられています。

研究によると、LIPUS治療を行った骨折の患者さんでは、治療を行わなかった場合と比べて、骨がくっつくまでの期間が約40%短くなったという報告があります。これは、たとえば通常50日かかる骨折が、約30日で治る可能性があるということです。

骨端症に対する直接的な研究はまだ限られていますが、骨や軟骨の修復を促す効果から、イズリン病のような成長期の骨の問題にも応用できるのではないかと考えられています。

LIPUS療法の実際

実際の治療では、こんな流れで進みます。

  1. 患部にジェルを塗る
  2. 治療用の器械(プローブ)を患部に当てる
  3. 1日1回、約20分間の治療を行う
  4. できるだけ毎日続けることが大切

治療中は特に痛みや不快感を感じることはなく、じっとしているだけで大丈夫です。

お子さまでも安心して受けられる治療法と言えるでしょう。

骨折以外にも使えるLIPUS

広がる応用範囲

もともとLIPUSは、骨折の治療を早めるために開発された治療法ですが、最近の研究では、骨折以外にもさまざまな症状に効果がある可能性が報告されています。

たとえば、こんな症状への応用が研究されています。

  • 靭帯損傷や捻挫
  • 筋肉の損傷(肉離れなど)
  • 腱鞘炎
  • 疲労骨折
  • 変形性関節症

これらの研究から、軟部組織(骨以外の柔らかい組織)の修復にも効果がある可能性が示唆されています

イズリン病への応用の可能性

イズリン病を含む骨端症は、骨の成長する部分に炎症が起きている状態です。LIPUSには次のような効果が期待できるため、イズリン病の治療にも役立つ可能性があります。

  • 骨芽細胞(骨を作る細胞)の活性化
  • 軟骨細胞の成長促進
  • 炎症を抑える効果
  • 痛みを和らげる効果
  • 組織の修復を早める効果

ただし、イズリン病に対するLIPUS療法の効果を直接調べた大規模な臨床研究は、現時点では報告されていません。

イズリン病の基本的な治療

まずは保存的治療が基本

イズリン病の治療では、まず手術をしない「保存的治療」が基本となります。具体的には、次のような方法があります。

安静と活動の調整

痛みが強い時期は、スポーツを一時的にお休みすることが大切です。ただし、完全に動かないのではなく、痛みが出ない範囲での活動は続けられることもあります。

アイシング

運動後や痛みがある時は、氷や保冷剤で患部を冷やすことで、炎症や痛みを和らげることができます。1回15分程度を目安に、1日に数回行うとよいでしょう。

固定やサポート

足首用のサポーターやテーピングで、患部への負担を軽減することもあります。重症の場合は、ギブスや歩行用のブーツで固定することもあります。

ストレッチと運動療法

ふくらはぎの筋肉が硬いと、患部への負担が増えることがあります。痛みが落ち着いてきたら、適切なストレッチや筋力強化の運動を始めることが大切です。

LIPUS療法を組み合わせるメリット

これらの基本的な治療に加えて、LIPUS療法を組み合わせることで、次のようなメリットが期待できるかもしれません。

  • 治るまでの期間が短くなる可能性
  • 痛みが早く軽くなる可能性
  • 大切な試合や大会に間に合う可能性が高まる
  • 安全性が高く、副作用の心配が少ない

LIPUS療法を受ける際の注意点

継続が大切

LIPUS療法の効果を得るためには、できるだけ毎日治療を受けることが重要だと言われています。週に1回だけでは、十分な効果が得られない可能性があります。

一回で治る魔法は残念ながら存在しません。

親御さんができること

お子さまの様子をよく観察する

「足が痛い」という訴えがあったら、まずはしっかり耳を傾けてあげてください。痛みの場所、いつから痛いのか、どんな時に痛いのかを確認しましょう。

また、歩き方がいつもと違う、片足をかばっているようだ、といった変化にも気づいてあげることが大切です。

早めに受診する

痛みが続く場合は、我慢させずに早めに整形外科を受診しましょう。早期に診断がつけば、それだけ早く適切な治療を始められます。

イズリン病は、骨折や他の病気と見分けることが大切な場合もあります。レントゲン検査や超音波検査などで、正確な診断をしてもらいましょう。

治療方針を一緒に考える

治療方針の説明を受けたら、お子さまと一緒に理解を深めましょう。

  • なぜ今は運動を休む必要があるのか
  • どのくらいの期間が必要そうか
  • どんな治療法があるのか
  • 新しい治療法(LIPUS療法など)のメリットとデメリットは何か

こうしたことを、お子さまの年齢に応じて説明してあげることが大切です。

スポーツの再開は慎重に

痛みがなくなったからといって、すぐに以前と同じ強度で運動を再開すると、再発してしまうことがあります。

段階的に運動量を増やしていく計画を一緒に考えていきましょう‼

まとめ

イズリン病は、成長期のお子さまに起こりやすい病気ですが、適切な治療を行えば良くなることがほとんどです。

LIPUS療法は、もともと骨折の治療のために開発された技術ですが、骨や軟骨の修復を早める効果から、イズリン病のような骨端症にも応用できる可能性があります。

現時点では、イズリン病に対する効果を直接証明した大規模な研究は限られていますが、骨折や疲労骨折での実績、そして安全性の高さから、選択肢の一つとして考えてみる価値はあると思います。

ただし、LIPUS療法はあくまで治療の補助的な手段です。基本となるのは、安静、アイシング、適切な固定、そして段階的なリハビリテーションです。

お子さまの足の痛みが気になったら、まずは専門医に相談して、お子さまに合った最適な治療法を見つけていきましょう。


この記事は医学的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断や治療の代わりとなるものではありません。お子さまの症状については、必ず医療機関を受診して、専門医の診察を受けてください。

投稿者プロフィール

陣内由彦
陣内由彦柔道整復師、鍼灸師
院長  柔道整復師  鍼灸師

福岡医健専門学校卒業

株式会社セイリン様、株式会社伊藤超短波などでもセミナー活動をしており精力的に鍼灸をひろめようと活動もしております。

陸上競技、ソフトボール、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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