有痛性外脛骨の痛みに悩んでいる方へ―ラジオ波治療という選択肢

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こんにちは!福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の陣内由彦です。

足の内側が痛くて、運動するのがつらい。歩くだけでも違和感がある。もしかしたら、それは「有痛性外脛骨」という症状かもしれません。

特にスポーツをされている学生さんや、立ち仕事の多い方に見られるこの症状。

最近では「ラジオ波治療」という新しい物理療法が、痛みの改善に役立つ可能性があるとして注目されています。

今回は、有痛性外脛骨とはどんな症状なのか、そしてラジオ波治療がどのように役立つ可能性があるのかについて、できるだけわかりやすくお話しさせていただきます。

目次

有痛性外脛骨ってどんな症状?

外脛骨とは

まず「外脛骨」という言葉を聞いたことはありますか。これは、足の内側、土踏まずのあたりにある「舟状骨」という骨のそばに、余分な小さな骨がある状態のことを言います。

実は、日本人の約15パーセントの方に、この外脛骨があると言われています。つまり、決して珍しいものではありません。多くの方は、この外脛骨があっても特に痛みを感じることなく、普通に生活されています。

痛みが出るのはなぜ?

では、なぜ痛みが出る方がいるのでしょうか。

外脛骨がある場所には、「後脛骨筋」というふくらはぎの筋肉の腱がくっついています。スポーツや長時間の立ち仕事などで、この筋肉が繰り返し使われると、外脛骨の部分に負担がかかってしまうのです。

特に次のような方は、痛みが出やすいと考えられています:

  • サッカーやバスケットボール、陸上競技など、よく走るスポーツをしている方
  • 偏平足の方
  • 足の内側に体重がかかりやすい歩き方をされている方
  • 成長期の学生さん(特に女性に多いと言われています)

痛みは、足の内側が腫れたような感じがしたり、押すと痛かったり、歩いたり走ったりするときに特に強く感じられることが多いようです。

一般的な治療法について

有痛性外脛骨の治療は、基本的には「保存療法」と呼ばれる、手術をしない方法から始めることがほとんどです。

従来の保存療法

研究によると、保存的な治療には次のようなものがあります:

安静と活動の調整 痛みを感じる運動を一時的にお休みして、足への負担を減らすことが大切です。

温熱療法 温めることで筋肉の緊張をやわらげ、血流を良くすることが期待できます。

ストレッチと筋力強化 ふくらはぎの筋肉、特に後脛骨筋をやわらかく保つためのストレッチや、足の裏の筋肉を鍛える運動が推奨されています。

インソール(足底板) 足のアーチを支えるインソールを使うことで、外脛骨への負担を軽くすることができる場合があります。

消炎鎮痛薬 痛みや炎症を抑えるお薬を使うこともあります。

これらの治療で、多くの方が4週間から数ヶ月で改善されると報告されています。

ただし、なかには症状が長引いてしまう方もいらっしゃいます。

ラジオ波治療とは?

ここからが本題です。「ラジオ波治療」とは一体どんな治療法なのでしょうか。

ラジオ波治療の基本

ラジオ波治療は、高周波の電気エネルギーを使って、体の中から熱を作り出す治療法です。普通の温熱療法と違うのは、表面だけでなく、体の深い部分まで温めることができるという点です。

美容業界でも使われている技術ですが、スポーツや整形外科の分野でも、痛みの治療に活用されています。海外では「TECAR療法」や「ラジオ波温熱療法」とも呼ばれています。

どんな仕組みなの?

ラジオ波治療の機器には、二つのモードがあります:

容量性モード(CET) 筋肉や皮膚など、水分の多い柔らかい組織に働きかけます。比較的表面に近い部分を温めるのに適しています。

抵抗性モード(RET) 腱や骨、靭帯など、硬い組織にも届きやすく、より深い部分を温めることができます。

研究によると、ラジオ波治療は深さ6センチから8センチまで届くことができ、通常の温熱療法よりも深部の組織に働きかけることができると報告されています。

体の中で何が起こるの?

ラジオ波治療を受けると、体の中では次のようなことが起こると考えられています:

  1. 血流が良くなる 組織が温まることで血管が広がり、血液の流れが良くなります。これにより、酸素や栄養が届きやすくなり、老廃物も運び出されやすくなります。
  2. 細胞の活動が活発になる 温熱効果によって、組織の修復に関わる細胞の働きが高まる可能性があります。
  3. 筋肉の緊張がやわらぐ 温めることで、硬くなった筋肉がリラックスしやすくなります。
  4. 痛みが和らぐ 血流の改善や炎症の軽減によって、痛みを感じにくくなることが期待できます。

実際に杏鍼灸整骨院でおこなっている施術

このように外脛骨の痛みが捻挫後にだけ出てしまう事も少なくありません。

その場合ラジオ波で温めてあげる事で症状が軽減する事も多いです。

ラジオ波治療の研究結果

有痛性外脛骨に特化したラジオ波治療の研究はまだ少ないのが現状ですが、似たような症状に対する研究結果をご紹介します。

腱の問題への効果

ある研究では、6ヶ月以上治りにくかった腱の痛みを抱えている患者さんの約73パーセントが、ラジオ波治療を受けて4週間以内に改善が見られたという報告があります。

また、慢性的なアキレス腱や膝蓋腱の問題に対して、ラジオ波治療が組織の質を改善させる可能性があることも示唆されています。

痛みへの効果

2025年に発表された研究では、スポーツによる筋骨格系の痛みに対して、ラジオ波治療が痛みを軽減する効果があることが、統計的に有意に示されました。特に中期的な効果(数週間後)において、より大きな痛みの軽減が認められています。

筋肉や関節への効果

慢性的な鼠径部の痛みを持つアスリートを対象にした研究では、ラジオ波治療を10回受けたグループで、痛みの軽減、可動域の改善、筋力の向上が見られたという報告もあります。

また、脳卒中後の筋肉の硬さに対する研究では、たった1回の治療で筋肉の緊張が和らぎ、関節の動きが良くなったという結果も出ています。

有痛性外脛骨に対する期待

これらの研究結果から、有痛性外脛骨に対してもラジオ波治療が役立つ可能性が考えられます。

なぜ効果が期待できるの?

有痛性外脛骨の痛みの原因は、主に次のようなものと考えられています:

  1. 後脛骨筋の緊張や硬さ
  2. 外脛骨周辺の炎症
  3. 血流の悪さ
  4. 組織の修復がうまくいかない状態

ラジオ波治療は、これらすべてに働きかける可能性があります:

筋肉の緊張を和らげる 深部まで温めることで、後脛骨筋の硬さがやわらぎ、外脛骨への引っ張る力が弱まることが期待できます。

血流の改善 血液の流れが良くなることで、炎症を起こしている部分に酸素や栄養が届きやすくなり、治癒を促す可能性があります。

組織の修復を促す 細胞レベルでの活動が活発になることで、傷ついた組織の修復が進みやすくなるかもしれません。

痛みの軽減 これらの複合的な効果によって、痛みが和らぐことが期待できます。

安全性について

ラジオ波治療は、正しく使用すれば、一般的に安全な治療法と考えられています。痛みもなく、体への負担も少ないとされています。

ただし、次のような方は注意が必要です:

  • 妊娠中の方
  • ペースメーカーを使用されている方
  • がんの治療中の方
  • 金属のインプラントがある部分

これらに当てはまる方は、必ず治療を受ける前に医療スタッフにお伝えください。

他の治療との組み合わせ

ラジオ波治療は、単独で使うこともできますが、他の治療と組み合わせることで、より良い効果が期待できる場合があります。

効果的な組み合わせ

ストレッチと筋力トレーニング ラジオ波治療で筋肉をやわらかくした後にストレッチを行うと、より効果的かもしれません。また、適切な筋力トレーニングと組み合わせることで、再発を防ぐことにもつながります。

インソールの使用 足のアーチをサポートするインソールとラジオ波治療を併用することで、外脛骨への負担を減らしながら、治癒を促すことができるかもしれません。

手技療法 マッサージなどの手技療法と組み合わせることで、筋肉の柔軟性をさらに高めることができる可能性があります。

治療の効果が出るまで

研究結果を見ると、ラジオ波治療の効果を実感するまでの期間には個人差があるようです。

ある研究では、たった1回の治療で効果を感じた方もいれば、10回程度の治療で大きな改善が見られた方もいらっしゃいます。

大切なのは、焦らず継続することです。また、痛みが少し良くなったからといって、すぐに激しい運動を始めてしまうと、再び痛みが出てしまうこともあります。

相談しながら、段階的に活動レベルを上げていくことが大切です。

日常生活で気をつけること

ラジオ波の施術を受けている間も、日常生活での注意が大切です。

できることから始めましょう

適切な靴を選ぶ 足のアーチをしっかりサポートしてくれる、自分に合った靴を選びましょう。

ふくらはぎのケア 運動の前後には、ふくらはぎのストレッチをしっかり行いましょう。硬くなった筋肉をやわらかく保つことが、外脛骨への負担を減らすことにつながります。

足の筋肉を鍛える タオルを足の指でつかむ運動など、簡単にできる足のトレーニングを続けることで、足のアーチを支える力が強くなります。

無理をしない 痛みを感じたら、無理をせず休むことも大切です。「少しくらい大丈夫」という気持ちが、症状を悪化させてしまうこともあります。

体重管理 適正な体重を保つことで、足への負担を減らすことができます。

最後に

有痛性外脛骨の痛みは、日常生活やスポーツ活動に大きな影響を与えることがあります。

ラジオ波治療は、まだ研究が進んでいる段階の治療法ではありますが、他の筋骨格系の問題に対する研究結果を見ると、有痛性外脛骨の治療においても役立つ可能性があると考えられます。

特に、次のような方には試してみる価値があるかもしれません:

  • 従来の保存療法で十分な効果が得られなかった方
  • できるだけ早くスポーツに復帰したい方
  • 手術以外の方法を探している方

ただし、ラジオ波治療だけに頼るのではなく、ストレッチや筋力トレーニング、インソールの使用など、他の治療法と組み合わせることが大切です。

何より大切なのは、焦らず、ご自身の体と向き合いながら、医療スタッフと相談しながら治療を進めていくことです。

痛みのない、快適な生活を取り戻すために、ラジオ波治療という選択肢も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

またテーピングや怪我に関して疑問がある方は気軽にご質問ください。


参考文献

  • SN Comprehensive Clinical Medicine (2025): スポーツ関連筋骨格系病態における疼痛管理のためのラジオ波療法の有効性に関するシステマティックレビューとメタアナリシス
  • Lasers in Medical Science (2025): 五十肩に対するラジオ波療法の疼痛と機能への影響に関するランダム化比較試験
  • Middle East Journal of Rehabilitation and Health Studies (2023): 手根管症候群患者に対するラジオ波療法の臨床症状と神経生理学的パラメータへの効果
  • BMC Musculoskeletal Disorders (2025): 慢性的な内転筋関連鼠径部痛を持つアスリートに対するラジオ波療法の効果
  • 日本理学療法学会誌: 難治性有痛性外脛骨患者に対する理学療法の効果に関する症例報告

投稿者プロフィール

陣内由彦
陣内由彦柔道整復師、鍼灸師
院長  柔道整復師  鍼灸師

福岡医健専門学校卒業

株式会社セイリン様、株式会社伊藤超短波などでもセミナー活動をしており精力的に鍼灸をひろめようと活動もしております。

陸上競技、ソフトボール、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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