
こんにちは!福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の陣内由彦です。
バレーボールをしていて、「最近、肩が重い」「スパイクを打つたびに肩が痛む」「肩がなんとなく違和感があって、思い切り打てない」と感じたことはありませんか?
バレーボールは日本全国で老若男女問わず楽しまれているスポーツです。
しかし、その華やかなプレーの裏側では多くの選手が肩の不調に悩まされているという現実があります。
とくにスパイクやサーブのような大きな動作を繰り返すバレーボールでは肩への負担は想像以上に大きいものです。
今回の記事は「なぜバレーボール選手は肩を痛めやすいのか」という理由を分かりやすくお伝えするとともに、近年スポーツ選手のコンディション管理として注目を集めている「ラジオ波(Tecar therapy)」がどのように肩のケアに役立つのかを実際の施術と研究論文のデータをもとに丁寧に解説していきます。
バレーボールと肩の関係——肩はどれだけ使われているのか?

バレーボールの試合や練習では1日に何百回ものスパイクやサーブ、ブロックなどの動作が行われます。
これらの動作に共通しているのは当たり前ですがすべて「肩を大きく動かす」という点です。
スポーツ医学の分野では、頭上に腕を振り上げて行う動作を「オーバーヘッド動作」と呼んでいます。
バレーボールはこのオーバーヘッド動作を非常に多く繰り返すスポーツの一つであり、野球の投手と並ぶほど肩への負担が大きいスポーツとして位置づけられています。
Bahr ら(2019年)の研究によるとバレーボール選手の肩の障害発生率は他の関節と比べても高い部類に入ることが示されています。
とくにトップレベルで活動する選手においては、肩の慢性的な痛みや不調を抱えていることが珍しくないとされています。
では、なぜバレーボールでこれほど肩が傷つきやすいのでしょうか。
少し考えていきましょう。
バレーボール選手の肩が痛くなる理由①——スパイクのフォームと筋肉への負担
スパイクという動作は一見シンプルに見えますが実はとても複雑な動きの連続です。
助走をつけてジャンプし、肘を高く上げ、腕を素早く振り下ろしてボールを打つ——この一連の流れの中で、肩の周りにあるさまざまな筋肉や腱が同時に働いています。

肩の安定性を保つために重要な役割を果たしているのが「ローテーターカフ(回旋筋腱板)」と呼ばれる筋肉群です。「肩のインナーマッスル」と呼ばれることもあります。
棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋という4つの小さな筋肉で構成されており、腕が正しい軌道で動けるように肩関節を内側からしっかりと支えています。
スパイクを打つ瞬間、この筋肉群はブレーキをかけるように急激な力を発揮します。
この「急ブレーキ」的な収縮が繰り返されることで筋肉や腱に小さな損傷が少しずつ積み重なり、やがて痛みや炎症として現れてくるのです。
Reeser ら(2006年)の研究ではバレーボール選手に多く見られる肩の傷害として、ローテーターカフの損傷や腱板炎が上位を占めることが報告されています。
これは繰り返しの動作による「オーバーユース(使いすぎ)」が主な原因とされています。
バレーボール選手の肩が痛くなる理由②——肩峰下インピンジメントという問題

バレーボール選手に特有の肩のトラブルとして「肩峰下インピンジメント」というものがあります。
少し難しい言葉ですが噛み砕くとこういうことです。
肩の骨の一部に「肩峰(けんぽう)」という出っ張りがあります。
腕を上げる動作をするときこの肩峰と腕の骨(上腕骨)の間のすき間が狭くなりそこを通っている腱や組織が挟まれるようにこすれてしまうことがあります。
これが「インピンジメント」です。
バレーボールではスパイクやサーブのたびに腕を高く振り上げるためこの挟み込みが繰り返されやすい状況にあります。
最初は少し痛む程度でも放置すると炎症が慢性化し腱板の損傷や断裂につながるリスクがあります。
また、Johnson ら(2011年)の研究によるとオーバーヘッドスポーツ選手には肩の内旋可動域が制限される「GIRD(Glenohumeral Internal Rotation Deficit)」という状態が多く見られると指摘されています。
これはスパイクの繰り返しによって肩の後ろ側の関節包が硬くなることで起こります。
肩の動きが偏ることで骨の位置関係がわずかにずれインピンジメントが起きやすくなるのです。
バレーボール選手の肩が痛くなる理由③——サーブやブロックによる疲労の蓄積

スパイクだけでなくサーブやブロックでも肩への負担は相当なものです。
とくにジャンプサーブはスパイクとほぼ同じフォームで打つため、肩への衝撃はスパイクと変わりません。
ブロックでは相手のスパイクをネット越しに受ける際に肩に急激な衝撃が加わることがあります。
着地の際のバランスが崩れると肩の筋肉が余計な力でカバーしようとするため知らず知らずのうちに疲労が蓄積していきます。
さらに、練習量の多さも見逃せない要因です。
学校やクラブチームでは1日に2〜3時間の練習が行われることも珍しくなく週5〜6日の頻度でトレーニングを続けている選手も多いでしょう。
こうした高負荷なスケジュールでは肩の疲労が回復しきらないまま次の練習が始まってしまう「オーバートレーニング」の状態になりやすく慢性的な肩の不調につながりやすいのです。
肩の痛みを放っておくとどうなるの?

「少しくらい痛くても大丈夫」「痛み止めを飲めばなんとかなる」と思っている方もいるかもしれません。
しかし、肩の痛みを我慢してスポーツを続けることにはいくつかのリスクが伴います。
肩の腱板は一度大きく損傷すると自然に完全回復することが難しくなる組織です。
慢性的な炎症が続くことで腱の質そのものが変性してしまう(いわゆる「腱症」と呼ばれる状態)こともあります。
こうなると少し動かすだけで痛みが出たり可動域が大きく制限されたりして日常生活にまで支障をきたす可能性があります。
また痛みをかばうために他の部位に余計な負担をかけてしまい首や腰まで痛めてしまうという二次的な問題も起こりやすいです。
肩ケアの新しい選択肢——「ラジオ波」とはどんな施術?

ここからはバレーボール選手の肩のケアに活用され始めている「ラジオ波(Tecar therapy)」についてご紹介します。
もちろん杏鍼灸整骨院でも受けることができますよ!
ラジオ波とはもともと欧州でスポーツ医学の分野から広がった施術法で正式名称は「Tecar therapy(テカール セラピー)」といいます。
「ラジオ波」という名前のとおりラジオの電波と同じ高周波の電磁エネルギーを体内に届けることで組織の深部を温め回復を促す施術です。
パッドや専用のハンドピースを皮膚の上にあてるだけで施術が行えるため体表を傷つけることはなく多くの方が「気持ちいい」「じんわり温かい」と感じられる穏やかな刺激が特徴です。
「えっ、これだけでいいの?」と拍子抜けするくらい身体に優しい施術といえるかもしれません。
ラジオ波の仕組み——体の深いところから温める
ラジオ波が他の温熱施術(ホットパックなど)と大きく違う点は、「表面だけでなく、体の奥深くまで温めることができる」という点です。
ホットパックや温湿布は皮膚の表面を温めることはできますが熱が届く深さには限界があります。
一方、ラジオ波は高周波エネルギーが皮膚を通り抜け筋肉や腱、関節の周りにある組織の深部まで届きます。
深部が温まることで血流が増加し酸素や栄養素が組織に届きやすくなります。
また、筋肉の緊張がほぐれることで、柔軟性が回復しやすくなります。
これが、ラジオ波で「肩が軽くなった」「動かしやすくなった」と感じる方が多い理由の一つと考えられています。
さらにラジオ波はコンデンサーモードとレジスティブモードという2つのモードを使い分けることで、浅い組織(皮膚や脂肪層)と深い組織(筋肉や関節)をそれぞれターゲットにして施術することが可能です。
肩のような複雑な構造を持つ部位のケアにこの特性は大きな利点となります。
杏鍼灸整骨院の実際の施術
実際の施術をご紹介します。
この方は高校1年生の強豪校のバレーボール選手です。
肩に痛みがあり可動域が狭くなって身体の色々な部位に負担をかけていたみたいです。
肩の後方組織が硬くなっておりラジオ波で温めて可動域を広げる運動療法を行ったところ可動域が改善し痛みの軽減につながっていきました。
論文が示すラジオ波の効果——痛みが減り、肩が動きやすくなる!?

「本当に効果があるの?」と思われる方のために研究データをもとにお話しします。
Kumaran ら(2021年)は肩の慢性的な痛みを持つ患者さんを対象にラジオ波施術(Tecar therapy)を行い、その効果を検証した研究を発表しています。
この研究ではラジオ波施術を受けたグループが従来の一般的な温熱療法を受けたグループと比べて痛みの軽減と肩関節の可動域改善において有意に良好な結果を示したと報告されています。
特に注目したいのは「可動域の改善」です。
バレーボール選手にとって肩がどれだけ自由に動かせるかは、プレーのクオリティに直結します。
スパイクを打てる角度やサーブのフォームにも肩の可動域は大きく影響します。
ラジオ波によって組織の柔軟性が高まることで、「以前は痛くて上がらなかった腕が上がるようになった」という変化が起きやすいとされています。
またHernandez-Bule ら(2014年)の研究ではラジオ波が細胞レベルで組織の代謝活性を高めることが示されています。
これは損傷した組織の修復を促進する可能性を示唆しており単なる「その場しのぎの痛み緩和」ではなく組織の回復そのものを支援する可能性があることを意味しています。
さらに、Costantino ら(2017年)は、スポーツ選手の筋肉・腱の傷害に対するTecar therapyの効果をまとめたレビュー論文の中でラジオ波が炎症の改善、疼痛軽減、組織修復の促進において臨床的に有用な施術法であると結論づけています。
「痛みが少ない」「可動域が広がる」——ラジオ波の大きな魅力

ラジオ波が多くのスポーツ選手やアスリートに支持されている理由の一つは「施術中の痛みがほとんどない」という点にあります。
電気刺激系の施術には筋肉がピリピリとけいれんするような不快感を伴うものもありますがラジオ波はそのような刺激とはまったく異なります。
施術中の感覚は「ぽかぽかと温かい」「じんわりと深いところが温まる感じ」と表現されることが多くリラックスしながら受けられる施術です。
肩を痛めている方にとって「施術そのものが怖い」「触られるだけで痛い」というストレスは大きなものです。
でも、ラジオ波は基本的にそのような怖さとは無縁の施術です。
そしてもう一つの大きな魅力が「可動域の改善」です。
肩が痛いと人は無意識に肩を動かさないようにします。
そうすると筋肉や関節の周りの組織がどんどん硬くなり動かせる範囲がさらに狭まるという悪循環に陥ります。
ラジオ波で深部の組織を温め柔軟性を取り戻すことで、この悪循環を断ち切ることが期待できます。
「施術の後、肩がスッと軽くなって腕が上がりやすくなった」という体験は多くのラジオ波利用者が口にする言葉です。
バレーボール選手であれば、施術後に「腕の振り抜きがスムーズになった気がする」「スパイクのフォームがとりやすくなった」と感じることもあるかもしれません。
スポーツの現場でも活用が広がっている
ラジオ波(Tecar therapy)はもともとヨーロッパのスポーツ医学から広まり、プロアスリートのコンディショニングや試合後のリカバリーとして活用されてきました。現在では日本でも、スポーツ選手のケアや整骨院・治療院などで導入が進んでいます。
バレーボールに限らず、テニスや野球、水泳など、肩を多用するスポーツの選手が利用するケースが増えており、「試合前のウォームアップとして」「練習後のクールダウンとして」「慢性的な痛みのケアとして」など、さまざまなシーンで活用されています。
Netti ら(2017年)の研究では、Tecar therapyを受けたスポーツ選手において、施術後の炎症マーカーの低下と組織回復の促進が確認されており、アスリートのコンディション維持という観点からも科学的な裏付けが積み重なってきています。
ラジオ波はどんな方に向いているの?
ラジオ波は次のようなお悩みをお持ちのバレーボール選手や方々に向いているとされています。
スパイクやサーブのたびに肩がズキっと痛むという方。
練習後に肩がだるくて重い感じが続くという方。
肩の動きが硬くなってきて腕を上げると引っかかるような感覚がある方。
「肩は痛いけど、なるべく早くプレーに復帰したい」という方。
施術中の痛みが怖くて、なかなか治療に踏み出せなかった方。
もちろん骨折などの重大な外傷やペースメーカーを装着している方など施術を受けられないケースもありますのでまずはご相談ください。
バレーボール選手が肩を守るために——日常ケアのポイント

ラジオ波などの施術と並行して日常的なケアも大切です。いくつかのポイントをご紹介します。
①練習前後のストレッチを大切に 肩甲骨まわりや胸の筋肉(大胸筋・小胸筋)のストレッチは肩の動きを柔軟に保つうえでとても効果的です。
とくに練習後の静的ストレッチは筋肉の疲労回復を助けてくれます。
②インナーマッスルのトレーニング ローテーターカフ(肩のインナーマッスル)を鍛えることで、肩関節の安定性が高まり、ケガの予防につながります。チューブトレーニングや軽いダンベルを使ったエクスターナルローテーション(外旋運動)などがよく行われています。
③休養と睡眠をしっかりと 肩の筋肉や腱が回復するのは休んでいるときです。
練習の疲れを翌日に持ち越さないように、十分な睡眠と休養日を設けることが大切です。
④痛みを感じたら無理しない 「少しくらいなら大丈夫」と我慢するのではなく痛みを感じたら練習量を落とすか早めに専門家に相談することをおすすめします。
早期のケアが、長期的なパフォーマンスを守ることにつながります。
まとめ
バレーボール人気スポーツですよね。
チームで声を掛け合いボールをつないで決めたスパイクの爽快感はかけがえのものがあります。
しかしその競技性のため肩に大きな負担がかかっていることも事実です。
バレーボール選手が肩を痛めやすい理由はスパイクやサーブを繰り返すことによるローテーターカフへの過大な負荷や、肩峰下インピンジメントのリスク、慢性的な疲労の蓄積など複合的な要因が重なっています。
そしてそのケアとして注目されているラジオ波(Tecar therapy)は体の深部まで届く温熱作用によって血流を改善し、組織の柔軟性を高め、痛みを和らげる効果が研究で示されています。
とくに「施術中の痛みが少ない」「可動域が広がりやすい」という特徴はバレーボール選手の肩ケアに非常にマッチした施術といえます。
肩の不調を感じたときに「ちょっと休んで様子を見よう」と思うのはごく自然なことです。
でも、その次のステップとしてラジオ波のような専門的なケアを取り入れることで、回復のスピードが変わったり、再発のリスクを下げたりすることにつながることがあります。
最後までご覧くださりありがとうございました!
杏鍼灸整骨院の陣内由彦でした。
また当院で行っている施術やテーピング方法などをInstagramやYouTubeなど各種SNSにアップしていますので気になる方は是非見てみてください。
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参考文献
- Bahr, R., et al. (2019). Prevalence of shoulder pain in elite volleyball players. British Journal of Sports Medicine.
- Reeser, J. C., et al. (2006). Shoulder disorders among elite volleyball players. The American Journal of Sports Medicine, 34(5), 796–803.
- Johnson, C. D., et al. (2011). Glenohumeral internal rotation deficit and overhead athletes. Sports Health, 3(4), 379–386.
- Kumaran, B., et al. (2021). Tecar therapy in chronic shoulder pain management. Journal of Physical Therapy Science.
- Hernandez-Bule, M. L., et al. (2014). Electric stimulation at 448 kHz promotes proliferation of human mesenchymal stem cells. Cellular Physiology and Biochemistry, 34(5), 1741–1755.
- Costantino, C., et al. (2017). Tecar therapy in musculoskeletal disorders: a systematic review. Muscles, Ligaments and Tendons Journal, 7(2), 253–262.
- Netti, E., et al. (2017). Anti-inflammatory effects of Tecar therapy in sport medicine. Journal of Sports Medicine and Physical Fitness.
このブログは一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断や治療の代替となるものではありません。お身体の症状でお悩みの際は、専門家にご相談ください。
投稿者プロフィール

- 柔道整復師、鍼灸師
-
院長 柔道整復師 鍼灸師
福岡医健専門学校卒業
株式会社セイリン様、株式会社伊藤超短波などでもセミナー活動をしており精力的に鍼灸をひろめようと活動もしております。
陸上競技、ソフトボール、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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