
「手首が垂れ下がって物がつかめない」「親指のあたりがしびれて困っている」
そんな橈骨神経麻痺の症状でお悩みではありませんか?
病院に通っているけれどなかなか改善しない。
鍼治療も気になるけれど本当に効果があるのか不安…という方も多いのではないでしょうか?
今回は橈骨神経麻痺に対する鍼通電療法について最新の研究データや実際の施術をもとにできるだけ分かりやすくお伝えしていきます。
橈骨神経麻痺とは?まずは基本から理解しましょう

橈骨神経ってどんな神経?
橈骨神経は首のあたりから始まって腕を通り手の指まで伸びている大切な神経です。
この神経は手首を反らしたり指を伸ばしたりする動きをコントロールしています。
こんな症状が出ます
橈骨神経が傷ついたり圧迫されたりすると、次のような症状が現れることがあります。
- 手首が垂れ下がってしまう(下垂手)
- 指を伸ばすことができない
- 親指と人差し指のあたりにしびれを感じる
- お箸やペンが持てなくなる
- 物をつかむのが難しくなる
原因は様々です
最も多いのは腕の圧迫によるものです。
腕枕をして長時間寝てしまったりお酒を飲んで机に突っ伏して寝てしまったりすることで起こります。
新婚旅行中に発症することから「ハネムーン麻痺」、週末のお酒の後に起こることから英語では「土曜日の夜麻痺」を意味するSaturday night palsy:土曜夜のマヒ)という別名もあるんです。
他にも腕の骨折、長時間同じ姿勢でのデスクワーク、手術中の神経損傷などが原因になることもあります。
鍼通電療法って何?どんな治療なの?

普通の鍼治療との違い
鍼通電療法は体に刺した鍼に電気を流す治療法です。
「電気」と聞くと怖いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんがピリピリとした感覚はあっても強い痛みはほとんどありません。
電気の強さも調整できますのでご安心ください。
普通の鍼治療は鍼を刺すだけですが鍼通電療法では電気を流すことでより効果的に筋肉や神経を刺激できると考えられています。
どんな効果が期待できるの?
研究によると、鍼通電療法には次のような効果が期待できます。
血液の流れが良くなる
神経が傷ついた部分の血流が改善されることで神経の回復に必要な栄養や酸素がしっかり届くようになります。
神経の働きが活性化される
電気刺激によって弱っている神経の働きが整えられると考えられています。
筋肉の緊張がほぐれる
神経麻痺が起こると周りの筋肉も固くなってしまいますが鍼通電療法でこの緊張を和らげることができます。
痛みやしびれが軽減される
鍼治療によって体内で自然な鎮痛物質が放出され痛みやしびれが和らぐことが期待できます。
橈骨神経麻痺に対しての杏鍼灸整骨院での施術
では実際に杏鍼灸整骨院での施術をご紹介していきます。
この方は福岡市か来院された方ですが朝起きたら手に力が入らない症状で脳神経外科を受診し 「橈骨神経麻痺」と診断されたそうです。
以前より別の症状で当院に来院されており今回の症状でご相談を頂きました。
神経麻痺に対しての施術に関しては急性期(最初の1週間程度)は神経浮腫、虚血などの初期症状の事から考えると刺激により悪化するケースもあるので少し落ち着いたあたりから施術をしていくことをお勧めしております。
今回は2週間ほど経過したあたりから施術をしております。
橈骨神経領域に少し筋肉が動く程度で電気鍼をしています。
また動きにくくなっている筋肉に鍼をしています。
今回は2週間の間に3回施術しほぼ症状消失して施術を終えています。
橈骨神経麻痺は時間の経過とともに警戒していきますが鍼治療をすることによって早まる可能性があります。
この方はお仕事の関係上早く回復することを望まれて鍼治療をおこないました!
ご希望に沿った結果でよかったです!
ここからは神経麻痺について鍼治療の効果を研究ベースでご紹介していきます。
研究データから見る効果!本当に効くの?

そもそも効くのかっていう疑問ですよね?
神経麻痺に関しての研究は顔面神経麻痺が一番多くその論文をご紹介します。
類似の神経麻痺での研究成果
橈骨神経麻痺と同じような末梢神経の麻痺である顔面神経麻痺(ベル麻痺)について多くの研究が行われています。
2024年に発表された研究では慢性のベル麻痺患者60名を対象に鍼通電療法の効果が調べられました。
その結果鍼通電療法を受けた患者さんは通常の電気刺激だけを受けた患者さんと比べて6週間後に顔の神経機能が大きく改善したことが分かりました。
しかもこの改善効果は24週間後も持続していたそうです。
神経再生のメカニズム
別の研究では鍼通電療法による電気刺激がシュワン細胞(神経の修復を助ける細胞)の働きを活発にして神経成長因子という神経の再生に必要な物質の分泌を促すことが明らかになっています。
つまり鍼通電療法は単に症状を和らげるだけでなく神経そのものの回復を助ける可能性があるということなんです。
橈骨神経麻痺での実際の症例
国内の研究からいくつかの改善例が報告されています。
症例1:6週間前に発症した50代女性
腕枕で寝てしまい橈骨神経麻痺に。整形外科でマッサージや電気治療、ビタミン剤の処方を受けたものの改善せず。鍼通電療法を開始したところ、初回治療の翌日から症状が軽減。10回の施術で約8割まで回復し、13回目の施術後にはほぼ完治したと報告されています。
症例2:電気刺激と運動療法の組み合わせ研究
2023年に発表された研究では、上腕骨骨折に伴う橈骨神経麻痺患者110名を対象に、低周波パルス電気刺激と運動療法を組み合わせた治療の効果が検証されました。
その結果電気刺激を加えたグループは治療の有効率が89.09%と運動療法のみの69.09%よりも高く筋力の回復、神経伝導速度、関節の動きにも明らかな改善が見られたそうです。
実際の治療:どんなことをするの?
先ほどは杏鍼灸整骨院での施術例をご紹介しましたが一般的な施術の流れをご紹介していきます。
治療の流れ
- 問診と検査
症状の詳しい状態や原因を確認します。手首や指の動き、しびれの範囲などをチェックします。 - 鍼を刺すポイントを決める
橈骨神経が通っている経路上の筋肉や、効果的なツボを選びます。 - 鍼を刺して電気を流す
清潔な使い捨ての細い鍼を刺し、低周波の電気を流します。 - 15〜20分程度置く
その状態で一定時間待ちます。 - 終了
鍼を抜いて終わりです。
その後回復に必要と考えればラジオ波など様々な刺激をおこなっていきます。
通院の頻度と期間
一般的には週1~2回程度の治療を続けます。
症状の重さにもよりますが、軽度の場合は数回で改善が見られることもあれば、重度の場合は10回以上必要になることもあります。
他の治療との組み合わせが大切

鍼通電療法は他の治療法と組み合わせることでより効果が高まります。
運動療法との併用
研究でも鍼通電療法と運動療法を組み合わせた場合に良い結果が得られることが示されています。
鍼通電療法で血流や神経の働きを改善しながら運動療法で筋力や関節の動きを回復させていくのが効果的です。
病院での治療も並行して
ビタミン剤などの薬物療法と併用することもあります。また、神経外科で神経の損傷の程度を確認することも重要です。
装具の使用
重度の橈骨神経麻痺で手首が垂れ下がる状態ではキャスト材やサポーターで手首を支えることも大切です。
鍼通電療法を受けながら日常生活では装具で保護するという方法が効果的です。
早めの治療がカギ:放置は禁物です

研究や臨床経験から橈骨神経麻痺は早めに治療を始めるほど、回復が早く、完全に治る可能性も高いとされています。
軽度の麻痺なら適切な治療で数週間から数ヶ月で回復することが多いですが重度の場合や放置した場合は数ヶ月から1年以上かかることもあります。
筋肉の萎縮や関節の拘縮が進んでしまうと、完全な回復が難しくなることもあるんです。
症状が出たら、できるだけ早く神経外科へまず相談しましょう。
よくある質問(Q&A)

Q1:鍼治療は痛くないですか?
使用する鍼は髪の毛ほどの細さで痛みはほとんどありません。
多くの方が「思ったより全然痛くなかった」とおっしゃいます。
電気を流す時のピリピリ感も強さを調整できますので安心してください。
微弱電流といって全く感じない電気も効果的なことも多いのでご相談ください。
Q2:何回くらいで効果が出ますか?
個人差がありますが軽度の場合は数回で変化を感じる方もいらっしゃいます。
症例報告では10〜13回程度で大きな改善が見られたケースが多いようです。
症状の重さや発症からの期間によって異なりますので是非ご相談ください。
Q3:病院の治療と併用できますか?
はい、併用できます。むしろ、神経外科での診断と並行して鍼灸治療を受けることをお勧めします。
ただし、両方の先生に他の治療も受けていることをお伝えしていただけるとスムーズにいくと思います。
Q4:保険は使えますか?
橈骨神経麻痺では保険が残念ながら使えません。
杏鍼灸整骨院では3000円~3500円です。(初診料500円)
Q5:副作用はありますか?
鍼治療の副作用は非常に少ないとされていますが、まれに鍼を刺した部位に軽い痛みや内出血、治療後の一時的なだるさなどが起こることがあります。
重大な副作用はほとんど報告されていません。
Q6:完全に治りますか?
早期に適切な治療を始めた軽度の麻痺なら完全に治る可能性は高いです。
症例報告でも完治した例が多数報告されています。
重度の場合でも鍼通電療法を含む適切な治療を続けることで、日常生活に支障がない程度まで改善することは十分に期待できます。
ただ何事も残念ながら100%という保証はございません。
Q7:自宅でできることはありますか?
患部を優しくマッサージしたり、入浴などで温めたりすることで血流を促進できます。
できる範囲で手首や指を動かす練習をすることも大切です。
ただし、痛みが強い場合や自己判断での無理な運動は避け、専門家の指導のもとで行いましょう。
Q8:予防方法はありますか?
腕枕や腕を圧迫する姿勢で長時間寝ない、デスクワーク中は定期的に休憩を取る、飲酒後は無理な姿勢で寝ないなどに気をつけましょう。全身の健康管理も大切です。
まとめ:希望を持って前向きに治療に取り組みましょう
橈骨神経麻痺は日常生活に大きな影響を及ぼす症状ですが適切な治療によって改善する可能性は十分にあります。
鍼通電療法は研究データからも効果が期待できる治療法の一つです。
血流改善、神経再生の促進、筋肉萎縮の予防、痛みの緩和など、さまざまな側面から神経の回復をサポートしてくれます。
大切なポイント
- 早めに専門家に相談する
- 病院での治療と鍼灸治療を併用する
- 根気よく治療を続ける
- 日常生活でのケアも大切にする
- 希望を持って前向きに取り組む
実際の症例報告でも、多くの方が改善されています。
一人で抱え込まず、ぜひ専門家に相談してみてください。鍼通電療法があなたの症状改善の一助となる選択肢になると思いますので参考にしていただければと思います。
最後までご覧くださりありがとうございました!
杏鍼灸整骨院の陣内由彦でした。
また当院で行っている施術やテーピング方法などをInstagramやYouTubeなど各種SNSにアップしていますので気になる方は是非見てみてください。
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参考文献
- 鍼通電療法の臨床応用(全日本鍼灸学会雑誌)
- 末梢神経麻痺に対する電気刺激療法の研究(PMC)
- ベル麻痺に対する鍼通電療法の無作為化比較試験(Oxford Academic)
投稿者プロフィール

- 柔道整復師、鍼灸師
-
院長 柔道整復師 鍼灸師
福岡医健専門学校卒業
株式会社セイリン様、株式会社伊藤超短波などでもセミナー活動をしており精力的に鍼灸をひろめようと活動もしております。
陸上競技、ソフトボール、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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