こんにちは。
福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川です。
今回は【スポーツ外傷(内側側副靭帯損傷)に対する電気療法と運動療法】について紹介していきます。
当院は、学生から社会人まで多くのスポーツをしている方が来院されます。
その中でもスポーツ中に起きるスポーツ外傷は防ぐ事の出来ない怪我の一つだと思います。
怪我をしてしまった事は変えようのない事実なので、次に大切になってくるのが《如何にして早く治すか》が重要になってきます。
また、それに加えて怪我を治すだけでなく《如何にしてパフォーマンスを落とさずに復帰できるか》が重要になってきます。
今回は競技復帰までに当院で行っている施術内容などを紹介していきます。
スポーツ外傷の急性期に行う処置
スポーツをしているとケガをしてしまう事は、切り離す事の出来ない関係だと思います。
そこで怪我をした場合に行ってほしい事は、少しでも状態を悪くしないための処置をとる事です。
《RICE(ライス)》といって、怪我をした一番最初に取ってほしい処置です。
安静(Rest)・・・患部を安静にして動かさないようにする
アイシング(Icing)・・・患部を冷やす
圧迫(Compression)・・・患部に圧迫をする
挙上(Elevation)・・・患部を少し高い位置に持ち上げる
の4つの項目の頭文字を取って、まとめてこのように呼んでいます。
これを最初に自分で行う事で怪我の悪化を防ぎ、その後も何もしないよりスムーズに治りやすい状態にしてくれます。
当院で急性期に行う処理
当院に来院された場合の初期の施術に関して紹介していきます。
最初は患部の状態の把握から、その怪我に対して必要な施術の選択をしていきます。
当院がスポーツ外傷を含めた急性の怪我に対して行うのは、組織回復を早める事です。
急性の怪我に対して、色々と刺激を加えていくと悪化するケースも多くあります。
また組織の回復を早める事により、予後がスムーズに進みやすくなっていきます。
そこで使用するのが微弱電流です。
微弱電流とは、人の身体に当てても感じないくらいの弱い電気を体に流す事で効果を発揮していきます。
体の中にはもともと電気が流れていて、それと似た弱い電気が微弱電流です。
怪我をするという事は、体内の細胞・組織が傷ついている状態になります。
その時に体の中を流れている電気の+と-のイオンの配列が悪くなります。
そこに微弱電流を流す事によって、配列を整えるのと同時に、傷ついた組織が治りやすいように身体を治すためのイオンを集めていきます。
これによって、傷ついた組織は微弱電流を当てない状態よりも早く治っていきます。
微弱電流の役割は、体の傷ついた組織などを治りやすい状態にしていく事が大きな役割といえます。
↓↓微弱電流に関してはこちらで詳しく説明していますので合わせて読んでみてください↓↓
競技復帰や生活復帰に向けての運動療法
微弱電流などを使いながら怪我の治りが進んでくると、次に行っていくのは復帰に向けた運動です。
運動を行っていく事で復帰までがスムーズに進みますし、再発防止や今回の怪我の影響で新しい怪我をしてしまう事を防いでいきます。
今回紹介しているのは柔道をしている高校生に行った運動です。
練習中に相手の膝が自分の膝の外側から当たり、内側側副靭帯を損傷しています。
当院に来院された時点では負傷から時間が経っており、腫脹などは診られずに膝の不安定感と痛みが強く残っている状態でした。
筋の収縮の状態を確認したところ、大腿四頭筋の中の一つである内側広筋の筋収縮が上手く出来ていませんでした。
怪我など損傷をした場合は、その周りの組織や筋肉は働きが悪くなります。
特に筋肉は損傷後すぐから萎縮といって筋が細くなり機能が低下し、筋の収縮力や筋の出力が上手く出せなくなってしまいます。
今回来院された患者様も同様な事が起きていました。
膝の内側側副靭帯は膝を伸展(伸ばす)した状態が一番強く働いて、膝をガチっと固めてくれています。
また大腿四頭筋は膝の伸展を主な働きとしていますが、特にその中でも内側広筋は膝の最終伸展時に強く働いています。
結果、膝の伸展をした場合には、内側広筋が働いていないと真っ直ぐに伸び切らない状態になっているために、靭帯による安定が弱くなってしまいます。
それを改善するために、内側広筋に対して筋肉の働きが良くなるような処置をしていきます。
実際に内側広筋に対して行った運動療法
紹介している動画は内側広筋に対して電気療法と運動を同時に行っています。
電気療法はNMESといって一般的にはEMSといった方が知られていると思います。
この電気を流す事で筋収縮を人為的に起こし働きが弱くなっている筋肉に対して刺激を入れていきます。
それによって働きの悪くなっている筋に対して、その改善を起こしやすくなっていきます。
また運動を同時に行うとより効果は高く出やすいです。
その理由は、電気刺激の筋肉の収縮に合わせて運動をする事で筋肉に使い方の教育が出来ます。
筋の促通というのですが、筋の機能をより高めてくれます。
《内側広筋のNMES》
柔道をしている高校生です
内側側副靱帯損傷後1ヶ月程経過しての来院でした内側広筋の萎縮と筋収縮の低下があったのでNMESで内側広筋の促通をしながら遠心生収縮ー求心生収縮の運動を行っています
荷重時にknee inにならない事と内側広筋の収縮を感じる事を意識してもらってます pic.twitter.com/SDr0Ov45dX— 妹川 和志 (@kazuyuki_imo) January 13, 2022
まとめ
今回は【スポーツ外傷(内側側副靭帯損傷)に対する電気療法と運動療法】について紹介しました。
スポーツ外傷など、怪我をしていしまう事は仕方ない場合も多いです。
しかし、治るまでに時間がかかったり、競技復帰が上手くいかないことに関しては、その後の処置がしっかりと出来ていると結果は全然違ったものになると私は感じています。
『怪我の治りがなかなか良くないな』などお悩みの方は、是非ご相談ください。
杏鍼灸整骨院の妹川でした。
投稿者プロフィール
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柔道整復師
福岡柔道整復専門学校(現 福岡医療専門学校)卒業
陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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