
こんにちは!福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の陣内由彦です。
皆さんはかかとのあたりが痛い、朝起きたときにアキレス腱が痛む…
そんな症状にお悩みの方はいらっしゃいませんか。もしかするとそれは「アキレス腱付着部炎」かもしれません。
整形外科や整骨院などで「超音波療法」という治療法を勧められた方もいらっしゃるかと思います。
でも本当に効果があるのか気になりますよね。
今回は実際の杏鍼灸整骨院の施術と研究論文に基づいてアキレス腱付着部炎に対する超音波療法の効果についてできるだけわかりやすくお話しさせていただきます。
アキレス腱付着部炎ってどんな状態?

まず、アキレス腱付着部炎について簡単にご説明しますね。
アキレス腱はふくらはぎの筋肉(腓腹筋、ヒラメ筋)とかかとの骨をつないでいる体の中でもっとも大きく強い腱です。
歩いたり走ったりジャンプしたりするときにとても大切な役割を果たしています。
アキレス腱付着部炎はこのアキレス腱がかかとの骨にくっついている部分(付着部といいます)に炎症が起きて、痛みや腫れが出る状態のことです。
特にかかとから直上の範囲に症状が現れることが多いと言われています。
こんな症状があったら要注意です
- 朝起きて最初の一歩を踏み出すときに、かかとが痛い
- 階段を降りるときに痛みが強くなる
- 座った状態から立ち上がって歩き始めるときに痛む
- かかとのあたりが腫れている
- アキレス腱を軽く押すと痛い
スポーツをされる方はもちろん日常生活でも起こりうる症状です。ランニングやジャンプ動作の多いスポーツをしている方に特に多く見られます。
超音波療法ってどんな治療法?

超音波療法について少し詳しくご説明させていただきますね。
超音波療法は人の耳には聞こえない高い周波数の音波(超音波)を体の中に送り込む治療方法です。
一般的に使われる超音波治療器は1秒間に100万回から300万回という非常に速い振動を発生させることができます。
この細かい振動が体の奥深くまで届いてさまざまな効果をもたらすと考えられているんです。
超音波療法にはこんな効果が期待されています
研究によると超音波療法には次のような効果が期待できる可能性があります。
血流を改善する効果 超音波の振動によって、治療部位の血液の流れが良くなることがわかっています。
アキレス腱のような腱は筋肉に比べて血管が少なくもともと血流が少ない組織なんです。
そのため一度傷ついてしまうと治りにくいという特徴があります。
超音波療法で血流が改善されると、酸素や栄養がしっかり届くようになり回復を助けてくれる可能性があります。
炎症を抑える効果 超音波には炎症反応を和らげる働きがあると考えられています。
痛みや腫れといった不快な症状の軽減につながる可能性があるんですね。
組織を柔らかくする効果 超音波は、硬くなってしまった組織を柔らかくする効果も期待されています。
アキレス腱付着部炎では腱が硬くなることがあるのですが超音波療法によって柔軟性が改善する可能性があります。
細胞の修復を促す効果 超音波の刺激によって、傷ついた細胞の修復が促進される可能性も研究で示唆されています。
杏鍼灸整骨院の実際のアキレス腱付着部炎に対する超音波
それでは杏鍼灸整骨院での施術をご紹介していきます。
高校三年生の長距離ランナーへの超音波です。
治療院などによっては超音波は患者様ご自身で当ててるところもあると思いますがなんとなく当ててると超音波は効果はわかりにくいことがあります。
それは超音波は性質上直進しかしない物理療法エネルギーのできっちり患部に当てないと効果は出にくいです。
杏鍼灸整骨院では最大限の効果を得たいので必ず施術者が照射しております。
それもあって患者様には効果を実感していただくことが多いです。
アキレス腱の保護のテーピングなども行うことも多いです。
こちらもご覧ください。

ここからはアキレス腱への超音波の効果をご説明していきます。
研究からわかる超音波療法の実際の効果

それでは実際の研究ではどのような結果が報告されているのでしょうか。
いくつかの研究論文をご紹介させていただきます。
アキレス腱部への超音波照射の効果
日本で行われた研究では健康な成人の方々のアキレス腱部分に超音波を照射してその効果を調べています。
この研究では照射する面積や出力の強さなど条件を変えて実験が行われました。
結果として超音波照射によって皮膚の表面温度が上がることや組織の状態に変化が見られることが確認されています。ただしこの研究は健康な方を対象にしたものなので実際に痛みがある患者さんに対してどれくらい効果があるかは、また別の話になります。
ただ温度上昇などがあるということは血流の促進や緊張の緩和、組織回復などがあることは推察されます。
アキレス腱への血流改善効果
海外の研究では超音波療法がアキレス腱の血流(微小循環といいます)を改善する効果があることが示されています。
超音波を直接アキレス腱に当てることで腱の中を流れる血液の量が増えることが確認されました。
興味深いことにこの効果は超音波の強さによって変わる可能性があることもわかっています。
つまり適切な強さで治療を行うことが大切だということですね。
腱の痛みに対する効果
アキレス腱や肘の腱の痛みがある患者さんを対象にした研究では超音波療法によって痛みが軽減したという報告があります。
ただし、この研究は参加者の数が少なく、偽の治療(プラセボ)と比較していないという課題もあると指摘されています。
他の治療法との比較
超音波療法を他の治療法と比較した研究もあります。
ある研究では、ラジアル衝撃波療法(体外衝撃波療法の一種、拡散型体外衝撃波:rESWT)と超音波療法を比べたところ、ラジアル衝撃波療法の方が痛みの軽減や機能の改善において優れていたという結果が出ています。治療終了から6週間後の評価ではラジアル衝撃波療法を受けた患者さんの方がより大きな改善を示したそうです。
現時点での評価
研究全体を見渡すと超音波療法については「効果がある」という報告と「効果が明確ではない」という報告が混在している状況です。
大規模な研究や偽の治療と比較した質の高い研究では、超音波療法が痛みの軽減や機能改善において、偽の治療と比べて明確な差が見られないという結果も出ています。
専門家による総合的な評価(系統的レビューやメタアナリシスといいます)でも、現時点では超音波療法を強く推奨するほどの十分なエビデンス(科学的根拠)はないとされています。
それでも超音波療法が使われる理由

ではなぜ多くの医療機関で超音波療法が使われているのでしょうか。
安全性が高い
超音波療法の大きなメリットの一つは安全性の高さです。
適切に使用すればほとんど副作用がなく痛みもほぼゼロで治療を受けることができます。人工関節が入っている方でも使用できる場合が多いんです。
他の治療と組み合わせやすい
超音波療法は他の治療法と組み合わせて使いやすいという特徴があります。
例えば、ストレッチやエクササイズ、装具療法などと一緒に行うことでより良い結果が得られる可能性もあります。
杏鍼灸整骨院ではストレッチを併用することが多いです。
炎症を抑える補助として
急性期(痛みが強い時期)にはまず安静にして炎症を抑えることが大切です。
超音波療法は湿布や消炎鎮痛薬と併用して炎症を抑える補助的な役割を果たす可能性があります。
アキレス腱付着部炎の治療で大切なこと

超音波療法だけに頼るのではなく総合的なアプローチが大切だと言われています。
安静と負荷のコントロール
まず何より大切なのは、痛みがあるときは無理をしないことです。
スポーツや激しい運動は一時的に控えて、アキレス腱への負担を減らしましょう。
ただし、完全に動かさないのも良くありません。適切な負荷をかけていくことが回復には重要です。
ストレッチとエクササイズ
アキレス腱やふくらはぎのストレッチはとても効果的だと考えられています。
組織の柔軟性を高めて腱にかかる負担を減らすことができます。
また腱に負荷をかけるエクササイズ(エキセントリックトレーニングといいます)も推奨されています。これは、ゆっくりと筋肉を伸ばしながら力を入れる運動のことです。
装具やインソールの活用
かかとを少し高くするインソールやアキレス腱をサポートする装具を使うことで痛みが軽減することがあります。
靴選びも大切で、クッション性があり、足に合った靴を選ぶようにしましょう。
薬物療法
痛みが強いときは、消炎鎮痛薬の内服や湿布などが処方されることがあります。ただし、これらは痛みを一時的に和らげるものであって、根本的な治療ではありません。
痛みが非常に強い場合には、ステロイドの注射が行われることもありますが、腱の強度が低下するリスクもあるため、医師と十分に相談して慎重に判断する必要があります。
より専門的な治療法
上記の治療で改善が見られない場合は、次のような治療法が検討されることもあります。
体外衝撃波療法 超音波療法よりも強いエネルギーを使って、組織の修復を促す治療法です。研究でも一定の効果が報告されています。
カテーテル治療 慢性的な炎症に伴って異常な新しい血管ができている場合、カテーテルという細い管を使って、その血管に栓をする治療が行われることがあります。炎症や痛みの軽減が期待できます。
自己組織注入療法(PRP療法など) 自分の血液から取り出した血小板などを患部に注射して、組織の修復を促す治療法です。
超音波療法を受ける際のポイント

もし超音波療法を受けられる場合は、次の点に注意してみてください。
適切な条件で行われているか確認
超音波療法の効果は照射する強さ(出力)、周波数、照射時間、連続波かパルス波かなどさまざまな条件によって変わってきます。
治療期間と頻度
超音波療法は一般的に1回2~5分程度行われます。週に数回、数週間にわたって継続することが多いようです。すぐに効果が出るというよりは、継続することで徐々に効果が現れる治療だと考えられています。
効果を感じられなければ相談を
数週間治療を続けても全く効果が感じられない場合はご相談ください。他の治療法を検討する必要があるかもしれません。
セルフケアも大切です

医療機関での治療と並行して、ご自身でできるケアも大切にしてください。
朝のストレッチ
朝起きたときにアキレス腱が硬くて痛いという方は多いです。起床後や運動の前後に、ふくらはぎとアキレス腱のストレッチを行うと良いでしょう。
壁に手をついて立ち片足を後ろに伸ばします。
前の膝を曲げて、後ろの足のかかとを床につけたまま、ふくらはぎが伸びるのを感じてください。この姿勢を30秒から1分間キープして、反対側も同じように行います。
痛みを感じる場合は無理をせず気持ちよく伸びる程度にとどめましょう。
適切な靴選び
靴底のクッション性が低下していないか、定期的にチェックしてください。
アーチサポートがしっかりしている靴を選ぶことも大切です。特にスポーツをされる方は適切なシューズを選ぶことで、アキレス腱への負担を大きく減らすことができます。
急激な運動強度の増加を避ける
新しく運動を始めたりトレーニングの量を増やしたりするときは段階的に行うことが大切です。
急に強度を上げると、アキレス腱に過度な負担がかかってしまいます。
まとめ
アキレス腱付着部炎に対する超音波療法について研究に基づいた情報をお伝えしてきました。
大切なのは超音波療法だけに頼るのではなく、適切な安静、ストレッチやエクササイズ、装具の使用、必要に応じた薬物療法など総合的なアプローチで治療を進めていくことです。
。
アキレス腱付着部炎は、適切な治療とセルフケアを続けることで多くの場合改善が期待できる疾患です。
しっかり治していきましょうね!
最後までご覧くださりありがとうございました!
杏鍼灸整骨院の陣内由彦でした。
また当院で行っている施術やテーピング方法などをInstagramやYouTubeなど各種SNSにアップしていますので気になる方は是非見てみてください。
ご予約はこちらからどうぞ!
参考文献
- 帝京科学大学医療科学部の研究グループによる超音波療法の効果検証(2018年)
- Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapyに掲載されたアキレス腱微小循環に関する研究
- PMC(PubMed Central)に掲載された超音波療法と衝撃波療法に関する総説論文
- Frontiersに掲載された衝撃波療法と超音波療法の比較研究(2024年)
- International Journal of Sports Physical Therapyに掲載されたアキレス腱の診断的超音波に関する論文(2025年)
投稿者プロフィール

- 柔道整復師、鍼灸師
-
院長 柔道整復師 鍼灸師
福岡医健専門学校卒業
株式会社セイリン様、株式会社伊藤超短波などでもセミナー活動をしており精力的に鍼灸をひろめようと活動もしております。
陸上競技、ソフトボール、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数






