こんにちは!
福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の陣内です。
今回は陸上の長距離選手のアキレス腱の痛みに対しての鍼治療をご紹介していきます。
アキレス腱の痛みは様々なスポーツで起こりますが長距離などの反復的な負荷がかかるスポーツでは多く起こります。
当院に来院されるアスリートの中でもアキレス腱部の痛みを訴えられるスポーツは陸上競技(短距離、長距離、跳躍、ハードル)、剣道、バスケットボールなどがあります。
鍼灸の施術の一例を紹介していきます。
アキレス腱部の痛み
アキレス腱はふくらはぎの腓腹筋、ヒラメ筋という筋肉が合流し踵につくために腱になった部分のことを指します。
このアキレス腱は人体最大の腱といわれその強度も非常に強くできているといわれています。
衝撃に対してはこの細いアキレス腱は約1トンまで耐え切れられるともいわれています。
さらにいうとアキレス腱は【捻じれ】構造をしている事で強度を強くすることと、踵周囲の三次元の動きに対して対応できるようになっているといわれています。
このように人体の中でも強いアキレス腱は痛みが起こる場合は一度の衝撃という事より、反復的な衝撃で痛みが起こる事が多いと考えられます。
(アキレス腱炎の場合です。アキレス腱だと強い衝撃で切れる事は十分にあります。)
アキレス腱の痛みの分類
アキレス腱部に痛みが出る場合炎症が出ているところにより分けられます。
ここでは代表的なものをご紹介していきます。
①アキレス腱炎
アキレス腱自体に炎症が出ている状態です。
アキレス腱炎の場合圧痛(押して痛い所)は限局して出ている事が多く、痛みが出やすい部分は狭小部といってアキレス腱が一番細くなっている部分に痛みが出やすいです。
次いで痛みが出やすい部分は狭小部よりやや上部に行ったところになります。
②アキレス腱周囲炎
アキレス腱周囲炎とはアキレス腱の周囲にあるパラテノンという組織などが炎症を起こしている状態になります。
パラテノンはアキレス腱を覆っている腱上膜で血管を多く含んだ組織になります。アキレス腱との間には組織液が多く含まれており、アキレス腱との滑走性をよくしています。
パラテノンに炎症が起こる事によって線維性の癒着やパラテノン自体の肥厚などが起こりアキレス腱部の痛みを引き起こします。
③アキレス腱滑液包炎
アキレス腱周囲の痛みの原因としてアキレス腱と踵の間にある踵骨後部滑液包とアキレス腱と皮膚の間にあるアキレス腱皮下滑液包というものが炎症を起こしている状態です。
①アキレス腱炎と②アキレス腱周囲炎にくらべて痛みが出ている部分が下部で踵の後ろ側に痛みがあるのが特徴です。
滑液包はアキレス腱が踵に付く際のクッション材になっておりここが摩擦により炎症を起こします。
アキレス腱部の痛みの特徴
アキレス腱部の痛みの特徴は
- 圧痛(押して痛い)
- 腫れている
- 運動痛がある
- 初期では運動中には痛みがなくなる
などがあります。
初期では運動中に痛みがなくなるので無理をして悪化したり、長期化する事があります。
これが厄介で痛みがなくなるので安易に考えてしまう人が多く早めの治療のタイミングを逃してしまいます。
アキレス腱の痛みの一番の回復方法は早期での治療が大事な事だと思っています。
アキレス腱の痛みの鍼治療
アキレス腱の痛みの鍼治療の当院での流れは
問診
↓
運動の確認
↓
テスト法を含む触診
↓
鍼治療の施術
↓
運動の確認
↓
ご説明
というのが一連の流れになります。
それでは今回の陸上の長距離選手のアキレス腱の痛みの鍼治療をご紹介していきます。
この患者様は整形外科にてアキレス腱炎と診断されている患者様になります。
写真ではわかりにくいですがアキレス腱の狭小部に腫脹がありました。
普段歩いている時に違和感がありW-UPで体が温まると痛みがなくなるので練習はしているとの事でした。
アキレス腱部に炎症があるので鍼治療をする前に物理療法で施術をすることが当院では多いです。
鍼治療は非常に有用な施術方法だとは思っていますが鍼治療では起こりえない生理的作用を起こせる物理療法をする事によって効果の足らないところを補完できると考えています。
この場合炎症を早く軽減させるためにIM-2000という機器を用いた後に微弱電流という損傷した組織を早く回復させる電気を流しています。
それに加え患部にはさらに回復を早めるためにオステオトロン(LIPUS)という超音波を照射しています。
オステオトロンについてはこちらの記事もご覧なってください。
このように回復を早めるために様々な物理療法機器を駆使しながら施術をしていきます。
アキレス腱に刺鍼する場合アキレス腱自体に刺鍼をする場合とアキレス腱の前方にあるKager’s Fat Padという脂肪体があるのですがそことの境に刺鍼をする場合があります。
そこはアキレス腱の動きなどをみて刺鍼するポイントを決めていきます。
また鍼通電は痛みに合わせて行いますが今回は微弱電流を通電しています。
上述してあるようにアキレス腱の線維はほとんどの人が交差をしているといわれているので当院では通電も交差をして通電する事があります。
今回は交差して通電をしています。
最後に痛みがまだあったのと次回まで痛みが出ないようにアキレス腱に対してテーピングを巻いて終わりました。
後日大会にも出れて痛みが出なかったのでよっかた報告を受けました!
まとめ
今回は長距離選手のアキレス腱部の痛みに対しての鍼治療についてご紹介していきました。
当院では同じようなアキレス腱部の痛みでもどこに炎症があるか、痛みが出始めてどれくらいたっているか、競技はどのようなものをしているかなど様々な事を鑑みて施術を行っております。
アキレス腱部の痛みは本当に早く施術する事で競技復帰までの時間が大きく変わります。
練習で無理をして走るなら早めに休んでしっかり走れるようになって練習をした方が競技的にもいい事は非常に多いです。
休む時はしっかり休みましょう。
杏鍼灸整骨院は最後までアスリートが試合に出れるように戦っています!何かございましたらご気軽にご相談ください。。
投稿者プロフィール
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院長 柔道整復師 鍼灸師
福岡医健専門学校卒業
株式会社セイリン様、株式会社伊藤超短波などでもセミナー活動をしており精力的に鍼灸をひろめようと活動もしております。
陸上競技、ソフトボール、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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