
こんにちは!福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の陣内由彦です。
TFCC損傷ってあんまり聞きなれないですよね!?手首の小指側に痛みを感じ動きが悪い方はひょっとしたらこのTFCC損傷かもしれません・・・
この記事では、最新の治療法として注目されているLIPUS(低出力超音波パルス)と微弱電流についてTFCC損傷への応用を研究データをもとに分かりやすくご説明します。
TFCC損傷とは?まずは基本を理解しましょう

TFCC(ティーエフシーシー)は正式には「三角線維軟骨複合体」と呼ばれています。
手首の小指側にあるとても大切な組織なんです。
靭帯や軟骨、腱などが複雑に組み合わさっていて手首を安定させたり回したりする動作を支えています。
この部分が傷つくと、次のような症状が現れることがあります。
- ドアノブを回すときに手首の小指側が痛む
- 手をついたときに痛みが走る
- 手首を回す動作で違和感がある
- 物を持ち上げるときに力が入りにくい
- 手首がぐらぐらして不安定に感じる
転倒して手をついたときテニスやゴルフなどのスポーツで繰り返し手首を使ったときあるいは加齢による変化など、さまざまな原因でTFCC損傷は起こります。
従来の治療法と新しいアプローチ
これまでTFCC損傷の治療は、サポーターで固定して安静にする、リハビリで手首の動きを改善する、痛みがひどい場合は手術を検討するといった方法が中心でした。
しかし最近では、身体の治る力を積極的にサポートする治療法が注目されています。それが今回ご紹介するLIPUSと微弱電流なんです。
LIPUS(低出力超音波パルス)って何?

LIPUSの仕組み
LIPUSは「ライプス」と読みます。Low Intensity Pulsed Ultrasound、つまり低出力超音波パルスの略称です。
簡単に言うと、とても弱い超音波を断続的に(パルス状に)患部に当てることで、傷ついた組織の回復を早める治療法です。超音波といっても、健康診断で使うエコー検査と同じくらいの弱い出力なので、身体への負担はほとんどありません。
どうして効果があるの?
1983年にアメリカのDuarte博士らが、ウサギを使った実験で「弱い超音波を骨折部分に当てると、骨の治りが早まる」ことを発見しました。この研究をきっかけに、超音波治療器が開発されたんです。
LIPUSから出る超音波の振動は、1秒間に数百万回という細かいマッサージのような働きをします。この振動が患部に届くと、細胞が活性化されて、次のような効果が期待できるとされています。
- 骨芽細胞や軟骨細胞の働きが活発になる
- 血流が良くなって、治るために必要な栄養が届きやすくなる
- 炎症を抑える効果が期待できる
- 損傷した組織の修復が促進される
骨折治療での実績
LIPUSは、まず骨折治療で効果が認められました。日本では1998年に難治性骨折(治りにくい骨折)への使用が保険適用となり、2008年には手術後の新しい骨折にも使えるようになりました。
複数の研究では、LIPUSを毎日20分使用すると、骨が癒合するまでの期間が約40パーセント短縮されたという報告があります。通常50日かかる骨折が、30日程度で治る可能性があるということです。
メジャーリーグで活躍した松井秀喜選手や、サッカーのデイビッド・ベッカム選手も、怪我の回復にLIPUSを活用したと言われています。
TFCC損傷への応用
近年の研究では、LIPUSは骨だけでなく、筋肉、靭帯、腱、そして軟骨などの軟部組織にも良い影響を与えることが分かってきました。
TFCCは軟骨や靭帯などで構成されているため、LIPUSの効果が期待できる可能性があります。実際に、多くの整骨院や接骨院で、TFCC損傷の患者さんにLIPUSが使われています。
LIPUSの特徴
- 痛みや刺激をほとんど感じない
- 1回20分程度の照射で済む
- ギプスや固定をしながらでも使用できる
- 副作用がほとんどない
- 急性期から使える
微弱電流(マイクロカレント)とは?

微弱電流の仕組み
微弱電流は、マイクロカレントとも呼ばれています。その名の通り、とても弱い電流を身体に流す治療法です。
私たちの身体には、もともと「生体電流」という弱い電流が流れています。この電流は、細胞が正常に働くために欠かせないものなんです。
怪我をすると、身体は自動的に「損傷電流」という電流を流して、傷を治そうとします。微弱電流治療は、この自然な治癒のメカニズムを、外部から電流を流すことでサポートする方法なんです。
電流の強さはどのくらい?
微弱電流の単位は「μA(マイクロアンペア)」です。これは、一般的な低周波治療器の電流の100万分の1という、本当に弱い電流です。
そのため、電気特有のピリピリとした刺激はほとんど感じません。電気が苦手な方でも安心して受けられるのが特徴です。
どうして治りが早くなるの?
細胞が傷を修復するには、「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギーが必要です。ATPは、私たちの身体を動かすためのガソリンのようなものです。
ところが、怪我をして炎症が起こると、このATPが十分に作られなくなってしまいます。その結果、治りが遅くなるんです。
微弱電流は、次のような働きをすると考えられています。
- 細胞の中にあるミトコンドリア(エネルギーを作る工場)を活性化する
- ATPの生成を促す
- タンパク質の合成を助ける
- 炎症を抑える
- 血流やリンパの流れを改善する
- 細胞膜の電位バランスを整える
これらの働きによって、傷ついた組織の修復が早まると考えられています。
微弱電流の特徴
- 刺激をほとんど感じない
- 怪我の直後(急性期)から使える
- 炎症がある部位にも使用できる
- 筋肉や靭帯、腱など幅広い組織に対応
- 副作用がほとんどない
- 低周波治療と併用できる
プロスポーツ選手も愛用
微弱電流治療は、プロのスポーツ選手やトップアスリートの間で広く使われています。試合や練習後のコンディショニングケアとして、また怪我の早期回復のために活用されているんです。
打撲、捻挫、肉離れ、靭帯損傷など、さまざまな怪我の回復が早くなったという報告が多数寄せられています。
TFCC損傷に対する効果は?
それでは、TFCC損傷に対して、LIPUSと微弱電流はどのような効果が期待できるのでしょうか。
LIPUSの期待できる効果
- 軟骨組織の修復促進
- 靭帯の治癒を早める可能性
- 炎症を抑える効果
- 痛みの軽減
- 血流改善による栄養供給
TFCCは軟骨や靭帯で構成されているため、これらの組織に働きかけるLIPUSの効果が期待できます。
ある研究では、捻挫などの靭帯損傷に対してLIPUSを使用すると、治るのが早くなるだけでなく、靭帯の強度も早く回復することが報告されています。
微弱電流の期待できる効果
- 細胞レベルでの組織修復
- 痛みの緩和
- 炎症の抑制
- 腫れの軽減
- 血流とリンパの流れの改善
微弱電流は、靭帯損傷、腱損傷、打撲傷、肉離れなどの軟部組織損傷の治癒促進に有効とされています。TFCCも軟部組織なので、効果が期待できる可能性があります。
組み合わせることで相乗効果も
多くの医療機関では、LIPUSと微弱電流を組み合わせて使用しています。それぞれ異なるアプローチで組織の回復を促すため、相乗効果が期待できるとされています。
また、高電圧電気治療や衝撃波治療など、他の物理療法と組み合わせることで、より効果的な治療ができる可能性もあります。
実際の治療はどんな感じ?
治療の流れ
- 診察と評価: 痛みの場所や程度、動きの制限などを確認します
- 治療計画: あなたの症状に合わせて、適切な治療プランを立てます
- 照射・通電: LIPUSは20分程度、微弱電流は20〜60分程度が一般的です
- 継続的な治療: 効果を実感するには、数週間から数ヶ月の継続が必要な場合もあります
痛みはあるの?
LIPUSも微弱電流も、ほとんど痛みや刺激を感じません。温かさを感じたり、何となくモヤッとした感覚を覚える方もいますが、不快なものではありません。
治療中はリラックスして横になっているだけで大丈夫です。
最新の研究動向

TFCC損傷に対する物理療法の研究は、現在も進行中です。
日本臨床スポーツ医学会などの学術団体では、LIPUSの効果について継続的に研究が行われています。特に、スポーツ障害への応用に関心が集まっています。
一方で、2017年のシステマティックレビュー(複数の研究をまとめた大規模な分析)では、骨折に対するLIPUSの効果が限定的だったという報告もあり、さらなる研究が必要とされています。
微弱電流についても、そのメカニズムの全容はまだ完全には解明されていません。しかし、スポーツ医療の現場では、実際に効果を実感する声が多く報告されており、今後の研究に期待が集まっています。
治療を受けられる場所
これらの治療は、次のような医療機関で受けられます。
- 整形外科
- スポーツ整形外科
- 接骨院・整骨院
- リハビリテーション施設
ただし、すべての施設にLIPUSや微弱電流の機器があるわけではありません。事前に電話などで確認することをおすすめします。
まとめ
TFCC損傷は、完治が難しいと言われることもある怪我です。
しかし、LIPUSや微弱電流といった新しい治療法の登場により、回復の可能性が広がってきています。
これらの治療法は、痛みが少なく、副作用もほとんどなく、身体に優しいのが特徴です
。従来の治療法と組み合わせることで、より良い結果が期待できるかもしれません。
大切なのは、以下の点です。
- 早めに専門医を受診すること
- 自分の症状に合った治療法を選ぶこと
- 治療を継続して受けること
- 生活習慣の改善にも取り組むこと
- 焦らず、じっくりと治療に向き合うこと
TFCC損傷の治療には時間がかかることもあります。でも、適切な治療と自己管理によって、多くの方が症状の改善を実感しています。
何かございましたらご気軽にご相談ください。
またテーピングや怪我に関して疑問がある方は気軽にご質問ください。
この記事は情報提供を目的としており、医学的なアドバイスではありません。実際の治療については、必ず医師にご相談ください。
参考情報
- 日本臨床スポーツ医学会誌「下肢の疲労骨折に対する低出力超音波パルスの効果」
- 日本電気物理療法学会誌「超音波療法の現状と課題」
- 各種医療機関の臨床報告
皆さんの健康な毎日を心から願っています。
投稿者プロフィール

- 柔道整復師、鍼灸師
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院長 柔道整復師 鍼灸師
福岡医健専門学校卒業
株式会社セイリン様、株式会社伊藤超短波などでもセミナー活動をしており精力的に鍼灸をひろめようと活動もしております。
陸上競技、ソフトボール、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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