タナ障害に対する鍼治療~その可能性~

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こんにちは。福岡県筑紫野市二日市にあるある杏鍼灸整骨院の陣内由彦です。

膝の痛みでお悩みの方の中には、「タナ障害」と診断された方もいらっしゃるかもしれません。実際に当院で鍼灸にタナ障害で受信される方の8割は診断後に来院されるケースが多いです。

後の2割は当院からの専門機関に紹介をして診断されるケースです。

今日は、このタナ障害に対して鍼治療がどのような効果を持つ可能性があるのか研究論文や実際の臨床もとにわかりやすくお話ししていきたいと思います。

ご相談したいなという方はご気軽にお電話ください‼

目次

タナ障害ってどんな病気?

まず、タナ障害について簡単にご説明しますね。

私たちの膝の関節の中には、「滑膜ヒダ」という薄い膜のような組織があります。これは胎児の頃の名残りで、多くの人が持っているものなんです。

日本では、この滑膜ヒダを「タナ」と呼んでいます。棚のように見えることから、そう名付けられたそうです。

普段はこのタナが問題を起こすことはないのですが、スポーツや繰り返しの動作で膝を使いすぎたり、膝に負担がかかったりすると、このタナが厚くなったり硬くなったりして、膝のお皿(膝蓋骨)と太ももの骨(大腿骨)の間に挟まってしまうことがあります。

そうなると、膝の内側に痛みを感じたり、何か引っかかるような感じがしたり、ときには「パキッ」という音がしたりすることもあります。これがタナ障害の主な症状です。

従来の治療法

タナ障害の治療は、まず保存療法と呼ばれる手術をしない方法から始めることが一般的です。

具体的には、安静にして膝を休ませたり、消炎鎮痛剤を使ったり、ストレッチや筋力トレーニングなどのリハビリテーションを行ったりします。

また、物理療法として温熱療法や電気刺激なども用いられることがあります。

これらの治療で多くの方が改善されるのですが、なかには症状が続いてしまう方もいらっしゃいます。その場合は、関節鏡を使った手術でタナを切除するという選択肢もあります。

ただ、手術にはリスクや負担が伴いますし、できれば避けたいと考える方も多いのではないでしょうか。

そこで注目されているのが、東洋医学の鍼治療なんです。

鍼治療の基本的なメカニズム

鍼治療は、細い鍼を体のツボ(経穴)に刺して刺激を与えることで、様々な症状の改善を目指す治療法です。数千年の歴史を持つ東洋医学の代表的な治療法として、世界中で広く行われています。

鍼治療がどのように効果を発揮するのか、現代の研究でいくつかのメカニズムが明らかになってきています。

まず、鍼の刺激によって、私たちの体の中で痛みを和らげる物質(エンドルフィンなど)が放出されることがわかっています。

これは体が本来持っている「自然な痛み止め」のようなものですね。

エンドルフィンなどは内因性オピオイドといわれ自分の身体から出る痛み止めのようなものです。

また、鍼刺激は血液の流れを良くする効果もあるとされています。血流が改善されると、患部に酸素や栄養がしっかり届くようになり、炎症を起こしている物質が流れていきやすくなります。

さらに、鍼は筋肉の緊張をほぐす効果も期待できます。膝の周りの筋肉が硬くなっていると、それだけで膝に負担がかかってしまいますから、筋肉をリラックスさせることは大切なんです。

杏鍼灸整骨院での施術

鍼治療だけではなくラジオ波なども併用して施術を行っています。

膝の痛みに対する鍼治療の研究事例

痛みと炎症への効果

膝の痛みに対する鍼治療の効果については、より広い研究も行われています。

変形性膝関節症という、膝の軟骨がすり減って起こる病気に対する研究では、鍼治療が痛みの軽減に効果的であることが、複数の臨床試験で示されています。2018年に発表された大規模な研究のまとめ(メタアナリシス)では、鍼治療を受けた患者さんグループは、受けなかったグループと比べて、痛みのスコアが統計的に有意に改善したと報告されています。

タナ障害も炎症による痛みが主な症状ですから、同様のメカニズムで効果が期待できるのではないかと考えられています。

炎症に関しては、鍼刺激が炎症を引き起こす物質(炎症性サイトカインと呼ばれます)の量を減らす可能性があることが、動物実験や一部の臨床研究で示されています。炎症が抑えられれば、腫れや痛みも自然と和らいでいくことが期待できますね。

筋肉の緊張緩和効果

タナ障害の方の中には、膝の周りの筋肉、特に太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)や内側の筋肉が緊張していることが多いと言われています。

鍼治療は、筋肉の過度な緊張を和らげる効果があることが、多くの研究で確認されています。筋肉に鍼を刺すと、その部分の血流が良くなり、筋肉がリラックスしやすくなるんですね。

膝の周りの筋肉がゆるむと、膝関節にかかる負担が減り、タナへのストレスも軽くなる可能性があります。これが間接的に症状の改善につながると考えられています。

鍼治療の実際の進め方

タナ障害に対する鍼治療は、一般的にどのように行われるのでしょうか。

まず、鍼灸師の先生がしっかりと問診を行い、膝の状態を確認します。痛みの場所や程度、どんな動作で痛むのか、いつから症状があるのかなど、詳しくお話を聞いていきます。

鍼を刺す場所(ツボ)は、膝の周辺だけでなく、太ももやふくらはぎ、時には腰のあたりにも刺すことがあります。東洋医学では、痛みのある場所だけでなく、体全体のバランスを整えることも大切だと考えられているからです。

使用する鍼は、髪の毛ほどの細さで、使い捨てのものが使われることがほとんどです。そのため、感染のリスクは極めて低いと言えます。

鍼を刺したときの感覚は人それぞれですが、多くの場合、少しチクッとする程度か、ほとんど何も感じないという方が多いようです。鍼を刺した後、「ひびき」と呼ばれる、重だるいような独特の感覚を感じることもありますが、これは鍼が効いている証拠だと考えられています。

治療の頻度は、症状の程度によって変わりますが、週に1〜2回程度が一般的です。すぐに効果を実感される方もいれば、数回続けることで徐々に改善していく方もいらっしゃいます。

鍼治療と他の治療法の組み合わせ

鍼治療は、単独で行うこともできますが、他の治療法と組み合わせることで、より効果が高まる可能性があります。

たとえば、理学療法士の先生によるリハビリテーションと並行して鍼治療を受けることで、筋肉の柔軟性が高まり、運動療法の効果も出やすくなるかもしれません。

また、必要に応じて消炎鎮痛剤などの薬を使いながら鍼治療を受けることも可能です。鍼治療は薬の効果を邪魔することはありませんし、むしろ薬の使用量を減らせる可能性も指摘されています。

鍼治療を受ける際の注意点

鍼治療は比較的安全な治療法とされていますが、いくつか知っておいていただきたいことがあります。

鍼治療を受けた日は、激しい運動は控え、ゆっくり過ごすことをおすすめします。治療後は血行が良くなっていますので、お風呂は軽めのシャワー程度にしておくのが良いかもしれません。

出血しやすい薬を飲んでいる方、妊娠中の方、重い病気をお持ちの方などは、事前に必ずご相談ください。

鍼治療の効果を高めるためにできること

鍼治療を受けながら、ご自身でもできるケアを併せて行うことで、より良い結果が期待できます。

まず、膝に負担をかけすぎないことが大切です。痛みがあるときは無理をせず、安静にする時間も必要です。ただし、完全に動かさないのも良くありませんので、痛みの範囲内で適度に動かすことを心がけましょう。

日常生活では、階段の上り下りはゆっくりと、手すりを使って行うことをおすすめします。また、長時間の正座は膝に負担がかかりますので、避けたほうが良いでしょう。

体重が膝への負担に大きく影響しますので、適正体重を維持することも大切です。食事のバランスにも気を配りましょう。

まとめ

ここまで、タナ障害に対する鍼治療について、研究報告をもとにお話ししてきました。

現時点では、タナ障害に特化した大規模な臨床試験はまだ限られていますが、症例報告や膝の痛み全般に対する研究結果から鍼治療が症状の改善に役立つ可能性が示されています。

鍼治療の魅力は、体への負担が少なく、副作用も比較的少ないという点です。手術を避けたい方や、従来の治療法で十分な効果が得られなかった方にとって、試してみる価値のある選択肢の一つと考えています。。

タナ障害の痛みでお悩みの方は、まずは整形外科の先生にしっかりと診断してもらいその上で治療の選択肢の一つとして鍼治療を相談してみてはいかがでしょうか。

最後までご覧いただきありがとうございます。杏鍼灸整骨院の陣内由彦でした。


是非気軽にお問い合わせください。


投稿者プロフィール

陣内由彦
陣内由彦柔道整復師、鍼灸師
院長  柔道整復師  鍼灸師

福岡医健専門学校卒業

株式会社セイリン様、株式会社伊藤超短波などでもセミナー活動をしており精力的に鍼灸をひろめようと活動もしております。

陸上競技、ソフトボール、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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