
こんにちは!福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の陣内由彦です。
前十字靭帯断裂はつらいですよね・・・
これからの長いリハビリの道のりに、不安を感じていらっしゃるかもしれません。でも大丈夫です。適切なリハビリを続けていけば、またスポーツを楽しめる日が必ずやってきます。
この記事では前十字靭帯のリハビリについてわかりやすくご説明していきますね。
前十字靭帯ってどんな役割があるの?

まずは前十字靭帯について、簡単にご説明しましょう。前十字靭帯は英語で「Anterior Cruciate Ligament」といい、「ACL」と略されることが多いです。膝の関節の中にあって、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)をつないでいる、とても大切な靭帯なんです。
前十字靭帯は、すねの骨が太ももの骨に対して前にずれないように押さえる役割があり、膝関節を安定させるために非常に重要な働きをしています。
特に、急な方向転換をしたり、ジャンプから着地したりするときに、膝ががくっとずれてしまわないように支えてくれているんですね。
残念ながら、前十字靭帯は関節の中にあって血流が乏しいため、一度損傷すると自然に治ることは難しいといわれています。ですから、多くの場合は手術で靭帯を再建して、その後にしっかりとリハビリを行うことが必要になるんです。
なぜリハビリがそんなに大切なの?
詳しくはこちらもご覧ください。

手術をすれば、それで終わりというわけではありません。
実は、リハビリこそが回復への最も大切な道のりなんです。順天堂大学の研究では、術後のリハビリテーションの重要性が競技復帰に大きく影響を及ぼすことが明らかになっています。
さらに興味深いのは、手術そのものは100点満点のうち50点でしかなく、残りの50点は手術後のリハビリテーションにかかっているという専門家の言葉です。
つまり、どんなに素晴らしい手術を受けても、リハビリをしっかり行わなければ、十分な回復は期待できないということなんですね。
リハビリにはどれくらいの期間が必要?

これはみなさんが一番気になるポイントだと思います。一般的に前十字靭帯再建術後は、スポーツ復帰までに8から10ヶ月の長期リハビリテーションが必要とされています。ずいぶん長く感じられるかもしれませんね。
でも、この期間にはしっかりとした理由があるんです。骨にあけた穴と再建靭帯が癒合するのに6から8週間、移植後に弱くなった腱に細胞や血管が再生して、ある程度の強さに回復するまでに3から4ヶ月を要します。
体の中で、新しい靭帯としてしっかりと育っていくための大切な時間なんですね。
特に注意が必要なのは、移植された腱は術後経過中に少し弱くなってから再び強くなるという生物学的な成熟過程を経て完成されていきますということです。
一時的に弱くなる術後2から4ヶ月の時期には、再建靭帯を保護しながら安全にトレーニングを進めないと緩んだり切れたりする事故が起きます。ですから、焦らずに段階を踏んでいくことがとても重要なんです。
手術前のリハビリも大切です

実は、リハビリは手術の後だけではなく、手術の前から始めることが理想的なんです。
術後の回復をスムーズにするために、可能であれば術前からリハビリに取り組むことが望ましいとされています。
術前の大腿四頭筋筋力、ハムストリング筋力はいずれも筋力トレーニングを含む6週間の術前理学療法介入により高い値となりますという研究結果もあるんですよ。手術前に膝の周りの筋肉をしっかり鍛えておくことで、手術後の回復がよりスムーズになるというわけですね。
また、手術前の膝関節の機能(可動域や筋力)が良いほど、術後の経過が良いことが報告されています。
松葉杖の使い方を練習しておくことも、術後のリハビリをスムーズに導入するために役立ちます。
術前リハビリの重要性は最近はよく言われるところです。
リハビリの段階と内容

リハビリは、膝の状態に合わせて段階的に進んでいきます。それぞれの時期にどんなことを行うのか、見ていきましょう。
手術直後から4週間まで(初期段階)
この時期は、膝の腫れや痛みをコントロールすることが最も大切です。患部のアイシングと下腿の循環改善が最優先されます。氷で膝をしっかり冷やして、足首や足の指を動かすことで、ふくらはぎの筋肉を動かして血液の流れを良くしていきます。
また、この時期に特に注意すべきことがあります。早い時期から膝を完全に伸ばさないこと、正座のように最後まで膝を曲げたり反動をつけたりして膝を深く曲げないこと、膝を伸ばした状態で大腿前面の筋肉に力を入れないことが注意点として挙げられています。これは、再建したばかりの靭帯に余計な負担をかけないためなんです。
手術後2週間ほどで膝の曲げ伸ばしが始まりますが、曲げる角度も135度が目標となり、反動をつけたり自分の体重をかけて曲げることは避ける必要があります。
手術後4週間から3ヶ月まで(中期段階)
炎症が落ち着いてきたら、日常生活動作の獲得が目標になります。松葉杖を外して歩けるようになるのもこの時期ですが、松葉杖が外れたからといって歩く量を増やしても良いということではありません。膝への負担を考えながら、慎重に進めていく必要があります。
この時期のリハビリでは、膝の可動域を広げることと、筋力トレーニングが中心になります。大腿四頭筋トレーニングの際には下腿にチューブをつけて、移植腱に負担がかからないように行います。体幹や股関節、足首など、膝以外の部分のトレーニングも大切なんですよ。
腱が負担に耐えられるようになるまでは3カ月ほどかかるため、それまでは無理な運動は避けます。
手術後3ヶ月から6ヶ月まで(後期段階)
3カ月以降になると、再建した靭帯の耐久性が安定してきますので、ジョギングやジャンプなどのスポーツ動作を開始できます。エアロバイクをこいだり、プールで歩いたりといった運動も取り入れられるようになります。
5カ月頃になると方向転換やジャンプ動作の練習に進み、6か月程度から回復状態に応じてダッシュやブレーキといったスポーツに必要な能力を訓練していくことになります。少しずつスポーツに近い動きができるようになってくる時期ですね。
手術後6ヶ月から(復帰準備期)
実際のスポーツ練習は多くの場合7から8カ月程度から徐々に開始し、スポーツへの完全復帰は術後1年程度が目安です。競技の内容によって大きく異なりますので、医師や理学療法士とよく相談しながら進めていくことが大切です。
この頃にスポーツや重労働への復帰時期の目安となりますが、再びけがをしないようにするには筋力が充分に回復している必要があり、けがをしていない脚の筋力の8割以上回復していることが指標となります。
神経筋トレーニングの重要性

筋力トレーニングだけでなく、「神経筋トレーニング」というものも大切だということが、最近の研究でわかってきています。前十字靭帯損傷後は膝関節位置覚が低下するため、筋力トレーニングに加えて神経筋トレーニングを実施が推奨されています。
神経筋トレーニングとは、膝の位置を正確に感じ取る能力や、体のバランスを保つ能力を鍛えるトレーニングのことです。例えば、バランスディスクの上に乗りながらボールをキャッチしたり、片足立ちでバランスを取ったりといった練習が含まれます。
前十字靭帯断裂はスポーツでのジャンプや切り返しといった動作で発生しやすいため、それらの動作時に膝が内側に入らないようにするなど、再発を予防するための動作を習得するのも重要です。
正しい体の使い方を身につけることが、再発防止につながるんですね。
再損傷のリスクについて知っておきましょう

残念ながら、前十字靭帯を再建した後も、再び損傷してしまうリスクがゼロではありません。約20パーセント、つまり再建術後の患者様の5人に1人は再受傷される可能性があります。この数字は決して低くないといえるでしょう。
興味深いことに、再建術を行っていない健常側の損傷が多いというのも特徴的です。つまり、手術をしていない方の膝を傷めてしまうケースが多いということなんです。
では、どうすれば再損傷を防げるのでしょうか。動作不良を起こさないためには、健側と患側の筋力差をなくすことが大切であり、そのためには術前からの筋力向上を心がけることが重要です。両方の脚をバランスよく鍛えることが大切なんですね。
心の準備も大切です

体の回復だけでなく、心の準備も忘れてはいけません。再受傷の恐怖感がスポーツ復帰を阻害する要因として挙げられており、さらには膝関節の疼痛や機能の回復にも関連があると言われています。
受傷した動作を行う際の恐怖感は術後でも拭い切れない部分があり、この恐怖感はリハビリを通じて身体的要因だけでなく心理的な要因も克服していく必要があります。理学療法士や医師と話をしながら、少しずつ不安を和らげていくことも、リハビリの大切な一部なんです。
一人ひとりに合ったリハビリを
運動量や強度と結果との関係を示すエビデンスは不足しているため、個々の患者さんの状態に合わせたプログラム作成が重要です。つまり、全員に同じメニューを与えるのではなく、あなたの膝の状態や目標に合わせたリハビリプログラムを作ることが大切だということです。
各段階をクリアしてから次の段階にステップアップする方式をとることで、その人の個人個人の膝の状態に最も適したリハビリテーションを行うことができます。ですから、他の人と比べて焦る必要はありません。自分のペースで、着実に進んでいきましょう。
スポーツ復帰の判断基準

「いつになったらスポーツに戻れるの?」というのは、多くの方が気になることだと思います。スポーツ復帰は多くの患者さんにとって大きな目標ですが、焦りは禁物です。
筋力測定やホップテストを参考に、客観的な指標に基づいてスポーツ復帰の時期を判断することが重要です。単純に「術後○ヶ月だから」という期間だけで判断するのではなく、実際の膝の機能や筋力を確認しながら決めていくんですね。
スポーツへの復帰は、単純に期間で決めるのではなく、スポーツ復帰が可能な身体的・精神的機能の回復を見て決定します。体の準備だけでなく、心の準備も整ってからスポーツに戻ることが、安全な復帰につながります。
継続的なケアの大切さ
スポーツに復帰できたら、それで終わりというわけではありません。リハビリテーションが終了した後も、再発予防のため継続的なケアが必要です。
定期的にストレッチや筋力トレーニングを行って、膝周辺の筋肉を強化しましょう。また、スポーツを行う際は、ウォーミングアップとクールダウンをしっかり行って、膝への負担を軽減することが大切です。日常生活においても、無理な動作や急な方向転換を避けて、膝を保護していきましょう。
リハビリは通常術後6から8ヶ月で終了しますが、術後2年目にレントゲン、筋力測定などの定期健診を必ず受ける必要があります。長期的に膝の状態をチェックしていくことも忘れないでくださいね。
杏鍼灸整骨院でのリハビリ
杏鍼灸整骨院では可動域を広げたり回復を早めるためにラジオ波というものを用いて施術をしていっています。
関節可動域訓練にラジオ波を組み合わせると良い効果が期待できるという研究報告が増えてきています。専門的な内容をできるだけ分かりやすくご説明していきますね。
そもそもラジオ波療法って何でしょう?
ラジオ波は、高い周波数の電磁波を体に当てることで、体の深い部分を温める治療法です。もともとは美容の分野で使われていましたが、今では医療の現場でも広く活用されるようになっています。
体の表面だけでなく、皮膚の下5センチメートルくらいまで、つまり筋肉や関節の深い部分まで温めることができるのが、ラジオ波の大きな特徴です。一般的な温熱療法では届きにくい深い場所まで熱が届くため、筋肉のこりや関節の固さに対して効果が期待できると考えられています。
施術中は「じんわりと体の奥から温かくなる」という心地よい感覚があり、痛みはほとんどありません。この温かさが施術後も3時間から6時間ほど続くことが分かっています。
ラジオ波が関節の動きを改善するメカニズム

研究によると、ラジオ波には関節可動域を改善する可能性があるいくつかの作用があることが分かってきました。
1. 筋肉の緊張をほぐす効果
ラジオ波で体を温めると、筋肉のこりや緊張がほぐれていきます。筋肉が柔らかくなることで、関節も動かしやすくなると考えられています。ある研究では、ラジオ波の施術によって関節の周りの筋肉の柔軟性が高まり、関節可動域が広がったと報告されています。
2. 体の深い部分まで温める
ラジオ波は、体の深部まで届いて温度を3度から5度ほど上げることができます。体温が1度上がると、代謝が約13%上がると言われています。代謝が上がると、血液の流れが良くなり、固くなった組織が柔らかくなりやすくなる可能性があります。
3. 血流の改善
ラジオ波の施術によって血管が広がり、血液の流れが良くなることが分かっています。血流が良くなると、筋肉や関節の周りに溜まった老廃物が流れやすくなり、新しい栄養が届きやすくなります。これによって、組織の回復が促進されると考えられています。
4. ヒートショックプロテインの活性化
少し難しい言葉になりますが、ラジオ波で細胞の温度が上がると、「ヒートショックプロテイン」という、傷ついた細胞を修復してくれるタンパク質が活性化されることが研究で示されています。これによって、痛みの改善や組織の回復が促進される可能性があります。
研究で明らかになってきた効果

海外の研究では、変形性膝関節症の患者さんにラジオ波を使った治療を行ったところ、痛みが軽減され、関節の動く範囲が改善したという報告があります。
2018年に発表された研究では、変形性膝関節症の患者さん45名を3つのグループに分けて、ラジオ波を使ったグループ、偽の治療を行ったグループ、標準的な治療だけのグループで比較しました。その結果、ラジオ波を使ったグループでは、痛みが減り、膝の関節可動域が改善したことが報告されています。
また、肩の痛みに対する研究でも、ラジオ波治療を受けたグループで関節の動く範囲が改善したという報告があります。顎関節症に対する研究では、ラジオ波治療によって口を開ける範囲が平均で約7ミリメートル増加したという結果も示されています。
ただし、これらの研究結果は「このような効果が見られた可能性がある」ということであり、すべての方に必ず効果があるというわけではありません。また、ラジオ波だけでなく、運動療法やストレッチなどを組み合わせることで、より良い効果が得られる可能性が示唆されています。
ラジオ波と運動療法の組み合わせが大切

理学療法の専門誌に掲載された論文では、ラジオ波療法の大きな特徴として、「運動療法やストレッチと併用することで治療効果が得られる」という点が挙げられています。
つまり、ラジオ波で筋肉や関節を温めた後に、適切なストレッチや関節運動を行うことで、より効果的に関節可動域を改善できる可能性があるということです。ラジオ波には、固くなった筋肉や関節組織に熱が集まりやすいという特徴があるため、動きながら施術することで、制限されている部分にピンポイントでアプローチできると考えられています。
杏鍼灸整骨院ではラジオ波で温まっている状態や当てながら体を動かしていきます。
注意していただきたいこと
ラジオ波療法は多くの方にとって安全な治療法ですが、以下のような方は注意が必要です。
- ペースメーカーや金属製の体内埋め込み器具を使用している方
- 妊娠中の方
- 感染症や炎症が強い状態の方
- 悪性腫瘍がある方
- 血液凝固障害のある方
これらに該当する方は、必ず医師に相談してから治療を受けるようにしてください。
まとめ
前十字靭帯のリハビリは、確かに長い道のりです。
でも、適切なリハビリを続けていけば、またスポーツに復帰する日は必ずやってきます。
リハビリ期間は一般的に6ヶ月から9ヶ月程度かかりますが、スポーツ復帰を目指す方はさらに時間を要する場合もあります。
大事なのは焦らず一歩ずつ確実に進んでいく事です。アスリートで前十字靭帯を残念ながら断裂し復帰後にトップレベルの成績を出している方も沢山おられます。
一つ一つ課題をクリアして頑張っていきましょう。
投稿者プロフィール

- 柔道整復師、鍼灸師
-
院長 柔道整復師 鍼灸師
福岡医健専門学校卒業
株式会社セイリン様、株式会社伊藤超短波などでもセミナー活動をしており精力的に鍼灸をひろめようと活動もしております。
陸上競技、ソフトボール、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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