ハムストリングスの肉離れに対する微弱電流|IMー2000

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こんにちは!!

福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川(いもかわ)です。

今回は【ハムストリングスの肉離れに対する微弱電流|IMー2000】に関して紹介していきます。

当院ではスポーツをしている方が多く来院されます。

その中でも肉離れは多い怪我の一つです。

特に陸上競技では肉離れの発生は高く、今回紹介している患者様も陸上競技をしている高校生です。

そこで今回は肉離れの対する基礎知識と、行った処置の微弱電流(IMー2000)に関して紹介していきたいと思います。

目次

肉離れはどうやって起こるのか??

肉離れは聞く事の多い怪我だと思います。

ふくらはぎの肉離れ・前ももの肉離れ・裏ももの肉離れなど筋肉であれば、どこでも起こる可能性があるのが肉離れです。

また、どの部位の肉離れでも損傷を起こす瞬間にかかっている負荷は同じのケースが多いです。

つまり肉離れはある一定の力が働いた時に起こりやすい怪我になります。

では肉離れはどのような時に起きるのでしょう??

肉離れが起きる瞬間は遠心性収縮をしている最中に発生する事が多いです。

イメージをしてください。

筋肉が収縮をする事で関節は動いていきます。

つまり筋肉が関節を動かす事が出来るのはある程度方向が決まっていて、反対の方向に関節を動かそうとしている時はまた違う筋肉が関与して、これのバランスで関節の曲げ伸ばしを行っていきます。

このように通常の関節運動を行う時の筋肉の動きは求心性収縮といって、筋肉の端同士(起始・停止)が近づいていくように行う筋収縮の事をいいます。

では遠心性収縮の場合は筋肉はどのように動いているでしょうか??

求心性収縮が筋肉の端同士が近くなるのに対して、遠心性収縮は筋収縮を起こしているのに筋肉の端同士は遠く離れていく状態の筋収縮の事をいいます。

先ほど筋肉が収縮して関節を動かすと説明しましたが、遠心性収縮の場合は筋肉は収縮をしているのに関節は反対の動きをしている状態です。

ちょっと難しくてイメージしにくいですよね。

簡単にいうと腕相撲に負けている時をイメージしてください。

腕相撲をしている時は相手の力に負けないように自分も強く力を入れています。

しかし相手の力の方が強い時は、思い切り力を入れているのに反対の方向に押し返されていきますよね。

この時に筋肉では、力を発揮するために強く収縮しようとしてしているのに、相手の力の方が強いために筋肉に力は入っているのに伸ばされている状態になっています。

これが遠心性収縮を起こしている状態になります。

先ほど肉離れを起こしたタイミングの多くが遠心性収縮の時だと説明しました。

遠心性収縮をしている最中に、筋肉の収縮しようとする力に対して反対方向に働いている力に筋肉が耐えられなくなった時に『ブチンッ!!!』と切れてしまいます。

これが肉離れです。

どの部位の肉離れでもだいたいこのような状態になった時に損傷を起こしています。

また実際は生活の中で体を動かしていくと求心性収縮と遠心性収縮はお互いがバランスを保つように色々な場面で起きているので、運動中だけでなく様々な場面で肉離れの怪我を起こす可能性はあります。

肉離れの程度に関して知ろう

肉離れの発生機序に関しては知っていただけたかと思います。

では次は肉離れの怪我の程度に関して知っていきましょう。

肉離れの怪我の程度は大きく分けて3つに分かれます。

《肉離れの程度》

1度損傷:筋線維の微細損傷で、MRIでは筋組織に少量の出血を認める

2度損傷:筋線維から腱組織にかけての損傷がみられて、MRIでは腱組織に沿ったような出血が診られる
2度損傷は程度が広く軽度の部分断裂から重症の部分断裂まで起き出血の量は程度による

3度損傷:筋組織または腱組織の完全断裂を起こしている状態で連続性が経たれている状態
これは手術適応になるケースが多くある

一言に肉離れといってもかなり大きな幅で重症度は違うのが分かります。

程度にもよりますが軽度の場合は1~2週間ほどの休養で復帰できるケースもあれば何ヵ月もかかる場合もあるため簡単に考えると痛い目を見やすい怪我でもあります。

一般的に整骨院に来院される場合の肉離れは1度損傷から2度損傷の場合が多いですが、当院の場合は程度を知る意味でも積極的に整形外科への受診を促してMRI等の検査を行ってもらうようにしています。

微弱電流に関して知っていきましょう

微弱電流に関しては知っていますか??

聞いた事もない方が多いのではないでしょうか??

微弱電流は名前の通りではありますが、電気療法の一つで極めて弱い電気を流していく事で身体の変化を起こしていくものになります。

また今回使用しているIMー2000という機器は少し特殊な機器になります。

そこでまずは微弱電流とはどのような電気療法でどのように身体に変化を起こしているのかもう少し深掘りしていきましょう。

先ほども軽く説明しましたが、微弱電流とは感じる事の出来ないくらいの極めて弱い電気の事をいいます。

もともと身体の中には弱い電気が流れていて身体の状態を整えています。

よく聞く『身体の中のイオンが・・・』みたいな言い回しは身体の中の電気の一つだと思っていただいて良いと思います。

この身体の中に流れている電気と同じくらいの弱い出力で身体の外から流しているのが微弱電流という事になります。

微弱電流を流す事により身体の中のイオンの変化が起きて、それにより身体の中で変化が起こってくるのが電気療法の微弱電流です。

では微弱電流を流す事で身体の中ではどのような変化が起きてくるのでしょうか??

微弱電流による効果は以下のような事があります。

《微弱電流の効果》

◉ATP(体を動かすためのエネルギー)の産生
◉損傷の回復
◉筋緊張の緩和
◉血管拡張
◉痛みの軽減

など

これらが効果に挙げられます。

正直すぐに変化を感じるものではないですし、なかなか効果が分かりずらいという事はあると思います。

しかし、身体の中ではしっかりと変化が起きています。

微弱電流とIM-2000は何が違うの??

今回使用した機器は《IM-2000》という機器です。

これは微弱電流なのですが、通常の微弱電流とは少し違う使い方が出来ます。

それは直流電流という事です。
※厳密には直流電流ではないですが疑似的に直流電流に似た形で電気を流す事が出来る

電流には大きく分けて交流電流直流電流に分ける事が出来ます。

交流電流の事を簡単にいうとコンセントで、直流電流は乾電池です。

電気には+極と-極があるのですが、これらが交互に流れるのが交流電流で、片方の電極だけが流れるのが直流電流だとイメージしてください。

電気療法でいうとコンセントから電源をとっている据え置きの電気療法機器は交流電流で、電池で動く様なポータブルの電気療法機器は直流電流の機器になります。

IM-2000はあえて直流電流で片方の電極に偏りを出して身体の変化を起こす電気療法になります。

ここまでの話で『んっ???』となっている人も多いと思います。

ですが、もう少し深い所まで説明していきましょう。

もともと身体には極めて弱い電気が流れている事は先ほど説明しました。

本来身体の中で流れている電気は+と-がバランスを保ちながら存在しています。

細胞でいうと細胞の外側が+極で内側が-極に帯電しています。

そこで怪我をして細胞や組織が傷ついた場合、このバランスが崩れてしまいます。

傷が入った細胞は内側にあった-極が外側に漏れ出してきます。

こうなるとバランスが崩れてしまうので、外側にある+極が-極が漏れ出した所に集まってきます。

この一連の流れにも電気が発生していて、これを損傷電流といいます。

損傷電流によって集まってきた+極は傷を治すために必要な材料が多く含まれているため、これにより傷が入った部位の修復が行われていきます。

これが怪我をした時に身体の中で起こっている変化で、これを利用したのがIM-2000の微弱電流になります。

IM-2000で損傷部位に当てていく導子は-極の電気だけが流れるようになっています。

これは細胞が傷ついて-極が内側から漏れ出してくる状態を、外から-極の微弱電流を流す事で疑似的に作り出しています。

それにより身体の中では微弱電流を流した周辺一帯が-極が増えてしまうために、バランスを保とうと+極が集まってきます。

微弱電流は損傷部位の近くに流しているので、+極が集まる事で傷を治すために必要な材料が沢山集まる事になります。

結果的に損傷部位は通常より治りやすい状態になっていきます。

このようにIM-2000を使用して損傷部位周辺に-極を流す事で、損傷部位が治りやすい環境作りをしたり治りやすい手助けをする事になります。

なのでIM-2000は怪我を早く治す機器ではないですが、IM-2000を使用する事で結果的に早く治っていく機器になります。

当院で肉離れに対して行った微弱電流(IM-2000)

当院で行った微弱電流(IM-2000)を使った施術の一例を紹介します。

今回紹介している動画は陸上競技をしている高校生です。

練習中に大腿後面にピリッと痛みが走り直後に練習をストップして来院されました。

来院時には歩行時に強く張っているような痛みと多少の疼きを感じていました。

当院でも軽度の肉離れを考えていたのですが、整形外科の受診を促して後日MRI検査にてⅠ度損傷の肉離れの診断を受けておりました。

損傷初期から施術を行う事が出来るのが微弱電流(IM-2000)の大きなメリットの一つだと思います。

微弱電流を行う事で早い段階から炎症や損傷部位の回復に働きかける事が出来ます。

まとめ

今回は【ハムストリングスの肉離れに対する微弱電流|IMー2000】に関して紹介しました。

微弱電流はまだまだ一般的には認知が少ない電気療法です。

特にIM-2000のように少し特殊な治療器はもっと知られていないと思います。

しかし私は微弱電流(IM-2000)に関してもっともっと知ってほしいと思っています。

それくらい優れた電気療法です。

『何も感じない電気は効いてない』と思っている方も多いと思いますが、微弱電流(IM-2000)は身体の中ではしっかりと変化を起こして効果が出ている電気療法です。

電気療法や微弱電流に関して、または怪我に関してなど疑問がありましたらいつでもご相談ください。

杏鍼灸整骨院の妹川でした。

投稿者プロフィール

妹川 和志
妹川 和志柔道整復師
柔道整復師

福岡柔道整復専門学校(現 福岡医療専門学校)卒業

陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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