こんにちは!!
福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川(いもかわ)です。
今回は【アキレス腱に対する超音波治療器✕筋ポンプ作用|アキレス腱の特性を考える】に関して紹介していきます。
アキレス腱という名前は知っていますか??
小学生の頃の体操で『アキレス腱を伸ばそうね』などよく聞く話ですし私自身も体験してきました。
運動をしている人はアキレス腱症などで聞いた事があると思いますし、そうでない人でも名前も部位もみんな知っているほど有名な部位だと思います。
アキレス腱は炎症が起きて痛みが出る事もありますし、断裂を起こす事もあります。
それだけ大きな怪我にもなりやすい場所なので、アキレス腱とは何なのか知っていってほしいと思います。
そこで今回は、アキレス腱に関しての説明とそれに対して行った施術と行った理由まで説明していこうと思います。
アキレス腱について知ろう|①アキレス腱の名前の由来
ここでは余談でちょっとした豆知識です。
あまり関係ない話なので興味のない方は次の項目に進んでもらって大丈夫ですよ。
アキレス腱はほとんどの人が名前は知っていると思います。
でもなぜアキレス腱という名前なのかはご存じですか??
腱と筋肉は一続きになっているので、アキレス腱以外のほとんどの腱では筋肉の名前がそのまま腱の名前になっています。
例えば大腿二頭筋腱・母趾外転筋腱・短腓骨筋腱など、筋肉と腱の名前は一緒です。
しかしアキレス腱だけは他と名前が違うのはギリシャ神話の英雄アキレウスに由来しているからです。
英雄アキレウスは母親テティスに不死身になれるとされる冥界の川に足首を掴んで逆さに浸けられました。
しかし足首から下は川に浸からなかったために英雄アキレウスの身体はそこの部分だけは不死身とはならなかったのです。
その部分がアキレス腱でそのため英雄アキレウスにとってアキレス腱は弱点とされていました。
結果、英雄アキレウスは弱点のアキレス腱を弓で打たれた事が原因で最後を迎えたとされています。
そこからアキレス腱と呼ばれるようになったようです。
唯一の弱点という意味では、日本でいう弁慶の泣き所に近い感じがしますね。
余談はここまでです。
次の項目からしっかりとアキレス腱に関して知っていきましょう。
アキレス腱について知ろう|②アキレス腱とはどんな組織??
アキレス腱とは下腿三頭筋の腱です。
先ほど腱は筋肉の名前が付いている物がほとんどだと話しましたが、アキレス腱は下腿三頭筋腱とでもいったら分かりやすいのかもしれませんね。
下腿三頭筋は腓腹筋(内側頭・外側頭)とヒラメ筋に分かれます。
これら3つの筋肉は始まりの場所はそれぞれ違いますが、腱の部分では合わさってアキレス腱となって停止していきます。
下腿三頭筋
起始
腓腹筋内側頭:大腿骨内側上顆
腓腹筋外側頭:大腿骨外側上顆
ヒラメ筋:腓骨頭・ヒラメ筋線
停止:踵骨隆起(両頭は合してアキレス腱を作る)
作用:足関節の底屈
下腿三頭筋はふくらはぎを構成している筋肉です。
ふくらはぎの大きなな筋肉が合わさって、下方に向かうにつれて細く強い腱組織に変わり合わさってアキレス腱となります。
では腱組織はどんな組織でしょう。
アキレス腱も含めて腱組織は、膠原線維(コラーゲン線維)を多く含んでいます。
また弾性線維も含んでいるため、強い線維で弾性もあるような組織になります。
腱の役割は筋肉と骨を繋ぐ事です。
筋肉は収縮力があるために伸びにくい腱組織が間に入る事で、筋肉の力をしっかりと骨に伝える事が出来ます。
それによりスムーズな関節運動が可能となっています。
また腱は血液循環の乏しい組織なのですが、腱鞘という腱を包んでいる組織によって血液循環や栄養を供給されていきます。
アキレス腱の場合は靭帯最大の腱だといわれています。
また靭帯で一番強い靭帯だともいわれています。
英雄アキレウスの中ではアキレス腱は弱点とされていましたが、実際には人体の中では大きく強い組織だといえます。
血液循環に関してはアキレス腱は他とは少し違います。
アキレス腱を包むパラテノンという組織とアキレス腱の下方にある脂肪体(kager’s fat pad)によって血液供給があるのですが、このパラテノンと脂肪体は血液循環が豊富なので、他の腱に比べるとアキレス腱は血液循環が豊富な腱になります。
といっても腱部は血液循環は少ない事には変わりなく、その中でもアキレス腱はまだ血液循環の多い方だと思っていてください。
アキレス腱は組織としては他の腱と一緒ですがとても大きく強い組織で、アキレス腱に対する血液循環も他の組織からの供給も多いのでその分は他の腱とは少し違う所ですね。
アキレス腱について知ろう|③アキレス腱は捻じれてる
タイトルにも書いていますがアキレス腱は捻じれています。
この事を《捻じれ機構》というのですがこれがとても大切な役割をしています。
アキレス腱のイメージとしてはふくらはぎの筋肉がそのまま細くなってスーッと踵まで伸びてきているように見えると思います。
しかし実際にはアキレス腱部で捻じれながら踵に向かって行きます。
捻じれの形は個人差がありますが、腓腹筋内側頭は踵の外側に向かっていたり、腓腹筋外側頭は外側と前側に向かったり、ヒラメ筋は内側に向かったりなどそれぞれの筋肉がクロスするように走行していきます。
これはアキレス腱の強度を強くするためです。
例えば紐をイメージしましょう。
1本の紐では強くないですが、この紐が10本集まると強くなります。
では10本集まった紐をもっと強くするにはどうすればいいでしょうか??
編んでいくとそれぞれの紐が絡み合って締め合ってもっと強い縄やロープに変化していきます。
アキレス腱の捻じれ機構も同様です。
1本の腱線維が沢山集まる事で強い腱となっています。
そこにアキレス腱は捻じれ機構を加える事でもっと強い腱へとなっています。
アキレス腱に対して行った施術|アキレス腱の特徴を考える
アキレス腱に対して行っているのは超音波治療と電気治療を組み合わせたコンビネーション治療です。
これは超音波治療器の導子から超音波と電気の両方を流せるようになります。
超音波治療器では温熱効果を狙っています。
温熱効果の中には《軟部組織の伸張性増大》《局所血流の促進》などが挙げられます。
また超音波は膠原線維を多く含んでいる組織の方が温度上昇が起きやすく効果が出やすい特徴もあります。
これらを考えると超音波治療器をアキレス腱に使用する事でアキレス腱の伸張性増大が起きやすく、血液量の少ない腱部への血流促進が起きやすくなります。
また電気治療では筋ポンプ作用を目的に行っています。
電気療法による筋ポンプ作用は、《筋緊張の緩和》《血流促進》などが期待できます。
またこれらを一緒に行うコンビネーション治療は超音波治療器の温熱効果と電気療法と合わさってより効果が高くなると思います。
超音波治療器と筋ポンプ作用に関してはこれらのブログでも紹介していますので、そちらもご参照ください。
そこにもう一つ効果とし考えているのが、滑走改善です。
腱組織は腱鞘でアキレス腱はパラテノンに包まれているのですが、これらに痛みや炎症など何らかの障害が起きると包んでいる組織とアキレス腱との間で摩擦が起きやすくなります。
この摩擦の解消には温める事と動かす事がとても大切です。
超音波治療器で温めながら電気療法で筋の収縮を出してアキレス腱の動きを作っています。
またアキレス腱の捻じれ機構も考えて、電気の当てるポイントや超音波を当てるポイントも合わせています。
まとめ
今回は【アキレス腱に対する超音波治療器✕筋ポンプ作用|アキレス腱の特性を考える】に関して紹介しました。
今回はアキレス腱にピックアップして紹介をしていきました。
少しは知っていただけたでしょうか??
自分が痛みを感じている所や怪我をしている所を知っていく事はとても大切です。
それを知る事で自分で行う対策も変わってくると思います。
今は検索をすると何でもすぐに調べられる時代です。
もっと自分の身体について興味を持ってみると、怪我や痛みももっと良くなるかもしれませんね。
なにかございましたらご気軽にご相談ください。
杏鍼灸整骨院の妹川でした。
投稿者プロフィール
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柔道整復師
福岡柔道整復専門学校(現 福岡医療専門学校)卒業
陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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