こんにちは!!
福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川(いもかわ)です。
今回は【足関節捻挫は早期の運動が大切!!運動と一緒に行う物理療法】に関して紹介していきたいと思います。
足関節捻挫の経験をした方は多いと思います。
その中でもいつまでも固定をして患部を過度に安静にした経験はありませんか??
近年の病院等では特にそうですが、早期からのリハビリを行っている所がほとんどです。
それくらい足関節捻挫に限らず怪我をした部位に対して早期からのリハビリ(運動)が重要だとされています。
今回は受傷後早期から行った運動と、そこに合わせて行った物理療法に関して紹介していきたいと思います。
運動を早期から行っていく理由|見極めが大切
近年では運動は早期から行う事が良いとされています。
実際に病院等のリハビリでも早期リハビリが進められていて、様々な疾患で手術後や発症後に早い時期からのリハビリ開始が行われています。
リハビリが推奨される理由には以下のような事が考えられます。
《早期リハビリの理由》
◉障害の発生の予防
◉障害発症時には程度を弱める
◉廃用症候群の予防
◉合併症の予防
◉早期ADL獲得や早期社会復帰
など
これらが理由に挙げられます。
また発症や手術後から48時間~2・3週間後には症状がある程度進行していくので、この間の期間でしっかりとリハビリを行っていく事が重要とされています。
しかし、上記の理由はあくまでも病院によるリハビリにはなるのですが、整骨院でも共通して考えられる事は沢山ありると思います。
整骨院の場合は、固定や安静期間が長くなる事による廃用性萎縮や、急性損傷を起こした場合に起きてくる筋萎縮などの予防や改善が大切になってくると思います。
これらの予防や改善が出来る事によってADL獲得や社会復帰やスポーツ復帰が、スムーズに進みやすくなると思います。
しかし、整骨院では病院のようにレントゲン撮影を行ったりMRI検査を行ったりなどが出来ません。
そのため怪我の状況を把握する手段は❝問診・触診・視診❞と❝徒手検査❞をしっかり行って状態の把握をしないといけません。
急性損傷を起こした直後から運動を行ったり施術によってどんどん刺激をしてしまうと、患部の状態を悪化させるリスクもあります。
そうならないためにも、しかっりと患部の状態を把握して判断したのちに必要な処置や施術を見極めて行っていく事が重要になってきます。
※もちろん状態によっては整形外科の受診を勧めるケースも多くあります。
また整形外科を受診して検査をした後に来院されるケースも沢山ありますので、すべてが整骨院で行っている訳ではありません。
むしろ少しでも患部の状態に疑いを持った場合は進んで整形外科への受診をお勧めしています。
足関節捻挫後の症状は運動によって予防・改善ができる!!
足関節捻挫を起した後に『緩い感じがする』『何か不安定だ』『ちょっとした時に痛い』『動く範囲が狭くなった感じがする』など多くの事を感じると思います。
日常生活の中なら特に支障がないくらいの場合も多いですが力仕事への復帰やスポーツへの復帰などは、これが凄く違和感に感じるケースも多いと思います。
そうなるとスポーツパフォーマンスが落ちてしまったり、極端な話しですが仕事内容によっては命に係わるかもしれません。
そうならないためにも大切なのが❝運動❞です。
この運動が必要なタイミングで必要な運動を必要な強度で出来ているかによって予後が違ってきます。
足関節捻挫を起した場合、直後から筋委縮が起きてきます。
筋委縮によって足関節周囲の筋肉は細くなりやすく、筋肉の出力低下や収縮力低下、機能低下などが起きてきますくなります。
また固定期間と安静期間によって廃用性萎縮が起きて、筋肉は弱くなり周辺の軟部組織の癒着や滑走不全を起こしていきます。
これはある程度起きやすいのですが、運動をする事によって起きた時の程度を低くする事が出来ますし、何もしないで治るのを待っているよりも回復も早くなっていきます。
動画の患者様は受傷4日後から運動の開始をしています。
最初の炎症期が約48~72時間程度といわれるのですが、この患者様の場合は痛みと腫れに熱感などが強く残っていたために4日後からの運動開始としました。
行ったのはバランスディスクを使った底背屈です。
バランスディスクは小さな突起が付いているのですが、足底に刺激する事によって足関節にあるバランスを保ったりするための深部感覚という機能が興奮しやすくなります。
次に底背屈を行っていくのですが、痛みの出ない範囲で行う事が大前提で、筋収縮を起したり筋・腱の滑走不全を起こさないようにしていきます。
また状態によって少し体重を掛けると関節への圧を掛ける事も出来て、深部感覚や関節運動をスムーズに行いやすくなります。
また怪我が治っていく過程には適度な負荷が必要な事が研究によってわかっています。
損傷部位に適度な負荷が掛かる事によって、組織は早く治ろうと働きかけますし、強く治ろうと働いていきます。
この事を含めてその時の状態に合わせた軽い負荷で運動を行っていくと、筋委縮や廃用性委縮の予防や改善に働きかけるだけでなく、損傷部位は早く強く治ろうとしてきます。
運動と一緒に行っている物理療法に関して解説
今回紹介している動画は、運動をしながら物理療法を行っています。
超音波治療器のオステオトロンⅤ(LIPUS)と微弱電流を使用しています。
これらの物理療法を使っている事にも理由があるのでそこについても説明していきましょう。
前回もこの2つの治療器を使用したブログで機器の説明を詳しく書いておりますので合わせて読んでみてください。
オステオトロンⅤ(LIPUS)は超音波治療器の1つです。
オステオトロンⅤ(LIPUS)は軟部組織の治癒促進といって、筋肉・健・靭帯・関節包などの軟部組織の修復のために必要な材料を超音波振動によって産生しやすくなる事が確認されていて、これにより損傷部位の治りを早めていく効果があります。
また浮腫の軽減(腫れ)や炎症の軽減(痛み含む)の効果も高くあります。
次に微弱電流は電気療法の1つです。
この効果はオステオトロンⅤ(LIPUS)と同様に炎症の軽減や損傷部位の治りを早くしていきます。
しかし微弱電流はオステオトロントⅤ(LIPUS)とは少し違って、怪我の治りを早くするというよりも、怪我が治っていきやすい環境を作っていく事が効果としていえます。
また微弱電流を当てると身体を動かすうえで必要なエネルギー(ATP)の産生も活発になり、怪我を治していく時にもエネルギーは必要なので、そこでも微弱電流は効果を発揮しています。
これらの効果を合わせて考えて使用しています。
前項目でも説明しましたが、損傷部位は適度な負荷がかかると強く早く治ろうとしていきます。
運動によって患部には適度な負荷が加えられています。
そこに患部に対しオステオトロンⅤ(LIPUS)を使用すると超音波振動によって微量な負荷をかける事と共に、軟部組織が治るために必要な材料が多く産生されていきます。
また微弱電流によって治りやすい環境とエネルギーを作っているので、より治りやすい状態になっているのではないかと考えています。
※色々な物理療法を一緒に行う事で効果が高くなるかは研究をした文献がほとんどありません。
しかし今感じている所では効果は高いと感じています。
まとめ
今回は【足関節捻挫は早期の運動が大切!!運動と一緒に行う物理療法】に関して紹介しました。
運動は怪我を治していくためにはとても大切な事です。
しかし一歩間違えば怪我の状態を悪化させてしまうリスクもあります。
その時に必要な運動を選択する事がとても大切で、これによって怪我の治りも予後も全然違ってきます。
また物理療法は沢山あります。
それぞれで得意な事・不得意な事があるのでそれぞれの特徴を考えて使用する事が大切だと思います。
運動も物理療法も、何でも❝やればいい❞って事ではないので見極めて選択する事が大切です。
運動や物理療法の事、または怪我に関してなど、分からない事があればいつでもご気軽にご連絡ください。
杏鍼灸整骨院の妹川でした。
投稿者プロフィール
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柔道整復師
福岡柔道整復専門学校(現 福岡医療専門学校)卒業
陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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