こんにちは!!
福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川です。
今回は【腸脛靭帯からランナー膝(ランナーズニー)について知ろう!当院での超音波を使用した一例】について紹介していきます。
腸脛靭帯は運動している方は聞いた事がある靭帯の一つかもしれません。
とくに、市民ランナーや運動のためにランニングをしている方は痛くなった経験もあるかもしれません。
膝の外側が痛む場合は腸脛靭帯が絡んでいる事も多いため今回はそこも含めて紹介をしていきたいと思います。
腸脛靭帯とは??どこにあってどう作用しているのか
腸脛靭帯とは大腿(太もも)の外側を走る靭帯で、人体の中では最大の靭帯といわれています。
腸脛靭帯は少し独特で、臀部の筋肉の大殿筋・股関節の筋肉の大腿筋膜張筋の停止腱が合わさり腸脛靭帯に変化していきます。
そして、そのまま下方に走り脛骨(すねの骨)のガーディー結節という所に付着します。
腸脛靭帯は筋肉・筋膜・腱が靭帯となって変化していくところもあるために、一般的な靭帯とは違い筋肉による影響を強く受けやすいのも腸脛靭帯の特徴です。
基本的には靭帯は筋肉と違い伸び縮みがほとんどありません。
しかし、腸脛靭帯に限っては大殿筋や大腿筋膜張筋により靭帯が伸長ストレスを受け靭帯自体が強く突っ張った感じや痛みを感じる事が多くあります。
大腿部の外側を走るために、体の外側への制御をしているのが腸脛靭帯の働きです。
大殿筋や大腿筋膜張筋も同様に体の動揺性を制御している事もあり、共同で働いたり筋肉が収縮する事で靭帯の支えを強くしている場合もあります。
また、腸脛靭帯は脛骨のガーディー結節に付着します。
ガーディー結節は脛骨の外側の前方のに位置しているため腸脛靭帯が筋肉によって引っ張られ緊張が強くなった場合、下腿(膝下)が回旋(外旋)していしまうケースも多くあります。
これにより膝への悪い影響も起こりやすく、膝以外にも足首周りや股関節周りにも影響している事も多くあります。
腸脛靭帯は体を支えるためには大きな働きをしている靭帯ですが、逆に周りから影響を受けて周りに影響を起こしやすい靭帯だとも考えています。
腸脛靭帯とランナー膝(ランナーズニー)の関係
ランニングをされている方や、ランナーの方は《腸脛靭帯炎(ランナー膝・ランナーズニー)》は聞いた事あると思います。
ランナーの方で膝の外側に痛みを訴えた場合の総称のようにして使われますが、その多くが腸脛靭帯の影響によって痛みを出している場合です。
腸脛靭帯は大腿の外側を下方に走行して脛骨のガーディー結節に付着します。
その途中にあるのが、大腿骨外側上顆といって膝関節の上部で大腿骨の外側にある膨らみ部です。
腸脛靭帯はその外側上顆の上を通っていきます。
膝関節を伸展している状態では腸脛靭帯は大腿骨外側上顆の前方にあり、膝関節の屈曲をしていくにつれて腸脛靭帯は外側上顆の上を越えて後方に移動していきます。
結果、膝関節の屈伸運動をする時に腸脛靭帯は外側上顆の上を越えて戻ってを繰り返している事になります。
ここで、大切なのが腸脛靭帯は筋肉によって影響を受けやすいという事です。
大殿筋と大腿筋膜張筋が付着しているので、これらの筋肉の収縮が強くなると腸脛靭帯を引っ張って腸脛靭帯の張りが強くなります。
腸脛靭帯の張りが強くなる事で、屈伸動作時に腸脛靭帯が外側上顆を越える時の摩擦が強くなってしまいます。
それにより、腸脛靭帯と外側上顆の部分で炎症が起きてきます。
これが、俗にいう腸脛靭帯炎(ランナー膝・ランナーズニー)です。
ランニングやランナーの場合、膝の曲げ伸ばし動作が多くなるために摩擦を起こす頻度が多くなります。
また走る動作は片足立脚の時間があるため臀部・股関節周りの筋肉への負担も多く筋の緊張も起こしやすくなります。
そのため腸脛靭帯は引っ張られ緊張が高まってしまいます。
先ほど説明した下腿が外旋する事も腸脛靭帯に痛みを出しやすくする要因の一つです。
痛みや炎症を起こす原因は一つではない事がほとんどです。
腸脛靭帯には大殿筋や大腿筋膜張筋などの筋肉に合わせて、股関節や足関節や腰部なども大きく関係してきます。
実際に当院が行っている腸脛靭帯への超音波アプローチ
実際に当院で行っている腸脛靭帯に対する超音波のアプローチに一例を紹介します。
腸脛靭帯の伸長度合いを診るための検査法にObar testとういものがあります。
その検査法に似た形で腸脛靭帯を伸ばしながら超音波を照射しています。
超音波の温熱効果に《軟部組織の伸張性増大》があるので、それを狙ってストレッチと一緒に行っています。
動画では腸脛靭帯のみに照射していますが、大殿筋や大腿筋膜張筋に対しても伸張性を出すように一緒に照射する事が多いです。
https://twitter.com/kazuyuki_imo/status/1613523278903246849
まとめ
今回は【腸脛靭帯からランナー膝(ランナーズニー)について知ろう!当院での超音波を使用した一例】について紹介しました。
今回は腸脛靭帯とランナー膝(ランナーズニー)の関係についてピックアップして紹介しましたが、痛みや炎症を起こす原因は一つではなく色々な角度で診る事が大切です。
また、自宅でのケアをしっかりと行う事で痛みの改善や緩和も行っていけると思っています。
杏鍼灸整骨院の妹川でした。
投稿者プロフィール
-
柔道整復師
福岡柔道整復専門学校(現 福岡医療専門学校)卒業
陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
最新の投稿
- 施術例2024年11月25日超音波治療器(LIPUS)と微弱電流の組み合わせで怪我の治りを早くしよう
- 施術例2024年10月31日足関節捻挫後に行う足趾の運動|足趾はその他の怪我にも関わりやすい
- 施術例2024年10月23日超音波治療器はストレッチと一緒に行うと効果的!!大腿四頭筋を例に解説
- 施術例2024年10月16日ハムストリングスの機能改善に行ったEMS(NMES)|リハビリがとても重要