超音波治療器とは??|福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院
皆さん超音波治療器という機器を聞いたことないでしょうか??
最近では色々な施設に導入されていて、整形外科や整骨院だけでなく美容関係にも導入されている所が多くなっています。
また超音波という名前の付いた家電製品も多く販売されていて、それくらい身近になっている超音波ですが『超音波や超音波治療器ってどんなものなのか』としては知らない方が多いと思います。
当院で超音波治療器を使用する場合は施術者が患者様に使用していきます。
しかし施術によっては患者様自身で当てている場合もあると思います。
その場合に超音波治療器の特徴を知っておくと、より効果を出しやすくなると思います。
そこで今回は超音波治療器に関して、超音波への理解も深めながら紹介していきたいと思います。
当院で使用している超音波治療器の紹介
超音波治療器や超音波に関して色々と説明をしていく前に、当院で使用している超音波治療器に関して紹介していきます。
超音波治療器によって出来る事や特徴が若干違ってはいるのですが、大まかには一緒です。
当院で使用している超音波治療器は以下の通りです。

この中でもEU-910とオルタツイン(Alter Twin)は皆さんがイメージしているような超音波治療器です。
皆さんが整形外科や整骨院等で施術を受けている時は、多くがこれらと同じような特徴の超音波治療器を使用していると思います。
なので今回はこれらに関して少し詳しく話していきたいと思います。
そしてもう一つの超音波治療器が、超音波骨折治療器ーオステオトロンⅤ(LIPUS)です。
これは《骨折に特化した超音波治療器》になります。
名前こそ超音波骨折治療器ですが、実際には骨折に対する効果以外にも軟部組織損傷(筋肉や靭帯などの損傷)の治癒促進に関しても高い効果があると多くの発表があります。
LIPUSという超音波振動の当て方をする事で骨折にも軟部組織にも高い効果を発揮出来るのですが、オステオトロンⅤはこのLIPUSという当て方のみを使用できる機器になります。
今回の内容では、超音波骨折治療器ーオステオトロンⅤ(LIPUS)に関しては内容を少し省いていますので、気になる方はこちらを合わせて読んで頂ければと思います。

オステオトロンⅤ(LIPUS)に関しての知識としても、超音波治療器について知っておくと更に理解は深まりますので、このまま読んで後で読み返してみるのも良いと思います。
では超音波治療器とはどういうものなのかに関して知っていきましょう。
EU-910をメインに紹介していきます。
超音波振動とは??
超音波治療器の内容を深くしていくためには超音波に関して知っていかないといけません。
皆さん超音波とはどのようなものなのか知っていますか??

超音波とは簡単にいうと《振動》です。
『超音波、超音波』といっていますが、これらは正式には《超音波振動》といって全て振動している回数の事を示しています。
超音波振動というのは❝1秒間に2万回を超える振動❞をしている事をいいます。
なので皆さんがよく耳にしている超音波というのは、治療器にしても家電製品にしても最低でも2万回は振動しているという事になります。
超音波振動と聞くと、コウモリやイルカのように動物が発する音波をイメージされている方も多くいると思います。
実際にコウモリやイルカが発している音波は人間には感じ取る事が出来ません。
それは人間の聞き取れる範囲を超えているからです。
人間の聞き取れる範囲は《可聴域》といって20回~20000回までは人間の鼓膜で反応できる振動数で、それを超える振動数は感じ取る事が出来ません。
この事から超音波振動とは、人間の聞き取れる範囲を❝超えた音波❞の事を❝超音波❞といいます。
では当院で使っている超音波治療器はどれくらい振動しているのでしょうか??
ー超音波治療器の振動数ー
超音波治療器では振動数(Hz数(ヘルツ))が設定できる
1MHz・・・1000000Hz(100万回振動)
3MHz・・・3000000Hz(300万回振動)
超音波振動は2万回を超える振動だといいましたが、同じ超音波振動といっても超音波治療器は桁違いで、1秒間に100万回以上の振動を繰り返しています。
これほど多くの振動を体内に照射していくという事になります。
超音波振動の特徴
超音波振動にはいくつか特徴があります。
特に超音波振動の特徴というよりは❝超音波治療器を使う上での超音波振動の特徴❞だと考えていただけると、より理解がしやすくなると思います。
また、この特徴を掴んでおくと超音波治療器を使う上での効果を上げやすくなります。
①真っ直ぐ進む
超音波振動が体内に入った場合はどのように進んでいくのでしょうか??
答えは《真っ直ぐ進む》です。
勘違いされやすいのが超音波振動は広がってかないという事です。
照射された範囲でそのままの幅がどんどん真っ直ぐに進んでいきます。
なので超音波振動は当てているプローブの範囲の直下に、真っ直ぐにしか照射されていないためプローブを向けている方向がとても大切になります。
プローブを❝当てたい組織に向ける事❞が大切です。
先ほども言いましたが超音波振動は真っ直ぐにしか進まないため当てたい組織にしっかりとプローブを向けていないと、超音波振動を当てる事が出来ません。
そうすると期待している効果が半減してしまいますので超音波振動の方向に合わせて❝当てたい組織にしっかりと真っ直ぐに向ける❞事が大切になります。
②振動数によって届く深さが違う

超音波治療器は1MHzと3MHzに振動数の変更が出来ます。
これらは振動している回数でいうと約3倍違うのですが、では振動数が変わると何が違うのでしょうか??
答えは《届く深さ》です。
超音波振動が体内に照射された場合、振動数によって振動が届いていく深さが変わってきます。
振動数が低い方(1MHz)が深くまで届き、振動数が高い方(3MHz)が近くまでしか届かないです。
ー超音波治療器の到達深度ー
超音波振動は振動数によって届く深さが変わっていく
1MHz・・・約3~6㎝
3MHz・・・約1~3㎝
※当てる組織などによって深さは変化します
届く深さはこのように違います。
例えば車の中の音楽は音量を上げると外まで音が聞こえてきますが、振動数が高い高音よりも振動数が低い低音の方が『ドンドン、ズンズン』と外まで音が聞こえやすいと思います。
これは振動数によって届く範囲が違うから起きる事で、超音波振動も同様の事がいえます。
この結果だけを見ると『1MHzの方が深くまで届くのなら、こっちの方が良くない??』と疑問を持つ方も多いと思いますが、それは違います。
届く深さ以外にも、振動数によって効果を出すまでの時間が変わります。
振動数が高い方(3MHz)が効果が出るまでの時間が早くなり、振動数が低い方(1MHz)が効果が出るまで少し時間が掛かりやすいです。
と言っても、どちらも効果を出していくという事には何も変わりがないです。
なので❝狙いたい組織の深さに合わせてHz数を考えていく事❞が大切です。
③軟部組織は吸収して骨は反射する
超音波振動が体内に照射されると、広がらずに真っ直ぐ進んでいく事は先ほど説明しました。
では体内に照射された超音波振動はどのように真っ直ぐ進んでいくのでしょうか??
答えは《吸収と反射》です。

超音波振動が筋肉や靭帯や脂肪などの組織を進んでいく時に、振動の強さは次第に弱くなっていきます。
これを《減衰》というのですが、減衰が起きるのは超音波振動が組織に《吸収》されていくためです。
もう少し分かりやすくいうと吸収とは❝超音波振動が組織を進んでいく時には、通り道の周りの組織に振動を伝えながら進んでいく❞ことで、これによって振動は次第に弱くなっていきます。
そして振動が伝わって吸収されていく事で、超音波振動による効果が起こってきます。
ー少し話が戻りますがー
先ほどの〘②振動数によって届く深さが違う〙に繋がる話ですが、振動数によって吸収のされやすさが違って、振動数が高い方が吸収されやすく振動数が低い方が吸収されにくいです。
そのため振動数によって届く深さが違うのは、振動数が高い方(3MHz)が吸収されやすいため浅くなり、振動数が低い方(1MHz)が吸収されにくいため深くなります。
超音波振動は組織を通る時に吸収される事で減衰しながら進んでいきますが、骨などのように組織の中に入っていけない組織もあって、これらには吸収・減衰は起きません。
そのため超音波振動が骨に当たった時には、骨の中に入っていかずに全て跳ね返っていきます。
これを《反射》といいます。

少し細かくいうと反射は骨だけでなく各組織でも起きていて、超音波振動が組織と組織の間を通る時に超音波振動の伝わりにくさ(抵抗)があるので、その時に多少なりとも組織からも反射をされてしまいますが、骨の場合は全く組織の中に振動は入らずに全て反射をしてしまいます。
そのため超音波振動を伝える事が出来る範囲は、❝皮膚から骨までの間❞になります。
また超音波振動が骨に当たり続ける事で、吸収はされなくても骨には振動が当たり響いてくるので痛みを発してくる場合があります。
これを《音波痛》というのですが、骨の一か所に振動が当たり続ける事で起きやすくなります。
また音波痛には効果は無いので不快な鈍い痛みを感じているだけになります。
なので関節部や筋肉の少ない所など骨の近くを照射する場合は、❝音波痛が出ないようにプローブを動かす❞などして注意が必要です。
これらが大きな特徴として挙げられます。
超音波治療器を使う上では、この超音波振動の特徴を知っておくだけで効果を出しやすくなります。
〇当てたい組織に向けて真っ直ぐ当てる
〇当てたい組織の深さを考えて当てる
〇骨に当たり続けないようにゆっくり動かす
自分で超音波治療器を当てている方は、この事だけでも意識して使用していくと効果をぐっと実感できると思います。
ーまた少し余談ですがー
今度はだいぶ話は逸れますが、皆さんは超音波と聞いてエコーをイメージした人も多いと思います。
実はエコーはこの〘超音波振動の特徴〙を応用した画像診断機器になります。
エコーというのは超音波振動を体内に照射して、各組織からの抵抗によって反射してきた振動を受け取り、その反射(振動)の強さの違いを画像に表したものです。
なので超音波振動が真っ直ぐ進んで真っ直ぐ反射する事を利用して正確な画像を出す事が出来ますし、振動数を変更する事で調べたい組織の深さに合わせて画像に出す事が出来ます。
超音波治療器の効果
超音波治療器の超音波振動に関しては少し理解してもらえたかなと思います。
では超音波振動を体内に照射していくと身体にはどのような変化が起きていくのでしょうか??
次はそこについて関して紐解いていきましょう。
超音波治療器の効果は《温熱効果》と《非温熱効果》に大きく分けられます。
これらはそれぞれ違った目的で使用して、身体に起きてくる変化も違ってきます。
どのように違ってくるのでしょうか??
超音波治療器の温熱効果とは??
超音波治療器の効果の一つである《温熱効果》とはどんなものでしょうか??

ー温熱効果とはー
強い連続する超音波振動を照射する事により身体に変化を起こすもの
超音波振動が身体に照射される事によって、体内では細胞や組織が細かく振動する
⇒振動する事によって細胞同士の摩擦が起きたり、組織間の抵抗によって温度上昇が起きて熱を発する
⇒これにより❝超音波振動によるマイクロマッサージ効果❞と❝温度上昇による熱の効果❞を発揮する
温熱効果はこのようにして起きています。
また温熱効果は名前の通り❝温度上昇を起こす❞という事が重要になってきます。
超音波振動によって細胞や組織の温度上昇をさせる事で身体の中に変化を起こしていくのですが、これが筋肉などの軟部組織に対してはとても高い効果を発揮していきます。
では温熱効果は身体の中でどのような事を起こしているのでしょうか??
ー温熱効果の効果内容ー
〇局所血流の促進
〇軟部組織の伸張性増大
〇関節可動域の増大
〇疼痛の軽減
〇関節拘縮の予防・改善
など
超音波治療器の温熱効果を狙った場合、身体の中ではこのような効果が期待できます。
皆さんのイメージでは、関節や筋肉などの動きやすさや血液の循環は温めた時と冷やした時はどっちが改善されやすいでしょうか??
『温めた時だ!』と考えた方が多いと思いますが、まさにその通りです。
超音波治療器の温熱効果は皆さんがイメージされたのと一緒で、軟部組織の動きの改善を起こすものが多いです。
そのため関節の周りは軟部組織に包まれているので結果的に関節の動きの改善や予防も起こしやすくなりますし、血液循環を改善して疼痛の軽減も起こしやすくなります。
そして温度上昇をしっかりと起こすと筋肉(軟部組織)の伸びやすさも上がるのでストレッチの効果も高くなりやすいです。
このように温熱効果は組織に対して効果を出しやすく、身体の変化が目に見えて分かりやすいので❝直後から変化を実感できる効果❞が多いのも特徴です。
超音波治療器の非温熱効果とは??
次に超音波治療器のもう一つの効果である《非温熱効果》とはどんなものでしょうか??

ー非温熱効果とはー
弱い間欠する超音波振動を照射する事により身体に変化を起こすもの
超音波振動が身体に照射される事によって、体内では細胞や組織が弱く細かく振動する
⇒弱く振動する事によって細胞同士に振動が伝わっていく
⇒これにより❝超音波振動によるマイクロマッサージ効果❞を発揮する
※温度上昇は起きないくらい弱い振動である
非温熱効果はこのようにして起きてきます。
非温熱効果は温度上昇を起こさないので、振動による❝マイクロマッサージ効果のみを発揮する❞のですが、もっと細かく説明していくと細胞や細胞周辺ではマイクロマッサージによって様々な変化が起きています。
どういう事かというと、弱い超音波振動を身体の中に照射する事で細胞やその周辺に小さな振動を起こしていくので、身体の中に極めて小さなミクロ単位の変化が起こっています。
もう少し分かりやすく説明していきましょう。
ー細胞や細胞周辺に起こっている現象ー
弱く間欠的な超音波振動を体内に照射していく
⇒超音波振動が伝わった細胞が弱く微細に振動する《マイクロマッサージ》
⇒細胞の振動によって細胞周辺に気泡が発生し、気泡も超音波振動によって振動する《キャビテーション》
⇒気泡の振動により気泡周辺の水分(細胞外液)に渦が発生する《マイクロストリーミング》
⇒振動や渦によって水分に流れが出来る《音響流》
非温熱効果の超音波振動によって細胞や細胞周辺ではこのような現象が起きています。
これによって細胞や細胞周辺の活動が活発になったり、液体の流れにより物質の輸送がしやすくなったり、細胞との物質交換が行われやすくなったりなど、極めて小さいミクロの単位での変化が身体の中では起こっています。
このような変化は温熱効果のような強い振動では起きずらいので、非温熱効果にとって大切なのは❝温度上昇を起こさないくらいの弱い振動❞という事です。
温度上昇が起きてしまうと、狙いたい効果を上手く発揮できない可能性が出てきます。
では非温熱効果の効果とはどうのような内容なのでしょうか??
ー非温熱効果の効果内容ー
〇浮腫の軽減
〇疼痛の軽減
〇炎症の軽減
〇軟部組織の治癒促進
〇創傷・潰瘍・褥瘡の治癒促進
〇骨癒合の促進
など
超音波治療器の非温熱効果を狙った場合、身体の中ではこのような効果が期待できます。
先ほども非温熱効果はミクロ単位での変化が起きていると説明しましたが、それほど細かい変化が身体の中で起きているので、実際には特に何も感じ取る事が出来ません。
超音波治療器の施術を受けている間も何も感じないですし、終わった後も『何が変わったのかよく分からない』となる患者様も多いくらいです。
しかし身体の中では早く治っていくために小さな変化が起きています。
先ほど説明した〘細胞や細胞周辺に起きている現象〙によって、身体の中では治っていきやすい状態に変化をして何もしないより早く症状の回復をしていきます。
そのため肉離れや捻挫などの軟部組織損傷や骨折などの治っていくまでに期間の掛かりやすい怪我でも、非温熱効果の治癒促進が起きるので、治るまでの期間の短縮をする事が出来ます。
この事から非温熱効果は、細胞や細胞周辺などミクロ単位で変化を起こして効果を発揮していくので、その時には変化が分かりにくいですが❝結果的に後になって効果を実感する❞ものが多いです。
※浮腫の軽減などはすぐに効果を実感できる場合もあります

超音波治療器の《温熱効果》と《非温熱効果》に関しては少し知っていただけたでしょうか??
どちらも振動によって起きますが、振動の強さや当て方でその効果は全然違うものになってきます。
また超音波治療器は❝急性期から慢性期まで満遍なく使用できる❞のも大きな特徴です。
温熱効果は温度上昇を出していくので❝急性期を過ぎた時期から慢性期❞に使用出来て、血液循環の改善や軟部組織の改善により効果を発揮しやすいです。
非温熱効果は温度上昇を出さないですし振動も極めて弱いので❝損傷直後から急性期❞に使用できるので早い段階から損傷部位に早期改善のための施術を加える事が出来ます。
このように超音波治療器は色々な使い方が出来るので、それぞれの特徴や効果をしっかりと理解してその時に合った使い方をしていく事がとても大切になってきます。
超音波治療器のまとめ
【超音波治療器とは??】という事で超音波治療器と超音波振動に関して説明をしてきました。
超音波治療器は様々な効果を狙う事が出来ますし、様々な時期に使用する事が出来ます。
また基本的に超音波治療器を使用する上では、基本的には何も感じないです。
※温度上昇で温かくは感じます
電気治療器の『ピリピリ、ジリジリする皮膚の感覚が苦手だ』という方もいると思いますが、超音波治療器は皮膚刺激は特にないので刺激が苦手な方にも安心して使用する事が出来ます。
この事を含めても、超音波治療器はとても優れた治療器だと思います。
怪我や当院の施術に関しての質問や超音波治療器に関しての質問など、気になる事は気軽にお尋ねください。






