
こんにちは!福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の陣内由彦です。
お子さんが膝の痛みを訴えて病院で「オスグッド病」と診断されたご家族の方、あるいはご自身がオスグッド病で悩んでいる学生さんも多いのではないでしょうか。
「なかなか良くならない」「スポーツを休んでいるのに痛みが引かない」そんな声をよく耳にします。
実はオスグッド病が治りにくいことには、いくつかの医学的な理由があるんです。
今回は研究論文で明らかになっている知見をもとにオスグッド病が治りにくい理由についてできるだけ分かりやすくお伝えしていきたいと思います。
オスグッド病とは?基本をおさらい

まず、オスグッド病について簡単におさらいしておきましょう。
オスグッド病は、正式には「オスグッド・シュラッター病」といいます。主に10歳から15歳くらいの成長期のお子さんに多く見られる膝の病気です。特にスポーツをしている子に多いことが知られています。
膝のお皿の下あたりすねの骨の出っ張った部分に痛みや腫れが出てくるのが特徴です。走ったりジャンプしたり、膝を曲げ伸ばしする動作で痛みを感じることが多いようです。
詳しくはこちらもご覧ください。

理由その1:成長期特有の骨の構造が関係している

オスグッド病が治りにくい一番大きな理由として成長期のお子さんの骨の特殊な状態が関係していると考えられています。
骨端軟骨という弱い部分
成長期の子どもの骨には、「骨端軟骨(こったんなんこつ)」という部分があります。これは、骨が成長するために必要な柔らかい軟骨の層なんですね。
大人の骨は全体が硬い骨でできていますが子どもの骨はまだ成長途中なので一部が柔らかい軟骨でできています。この軟骨の部分が徐々に硬い骨に変わっていくことで身長が伸びていくわけです。
研究によるとこの骨端軟骨は硬い骨に比べて引っ張る力に対して弱いことが分かっています。
つまり、負担がかかりやすい構造になっているんですね。
太ももの筋肉が引っ張り続ける
膝のお皿の下には太ももの前側にある大きな筋肉(大腿四頭筋)から続く腱が付いています。
この腱は、すねの骨の出っ張り(脛骨粗面)にしっかりと付着しているんです。
成長期のお子さんではこの付着部分がまだ柔らかい骨端軟骨でできています。走ったりジャンプしたりすると、太ももの筋肉が収縮して、この柔らかい部分を繰り返し引っ張ることになります。
論文では、この繰り返しの引っ張る力が骨端軟骨に小さな傷を作り続けることが指摘されています。
傷が治る前に、また新しい傷ができてしまう。これが、なかなか治らない大きな原因の一つだと考えられているんですね。
理由その2:成長のスピードと筋肉のバランスの問題

骨の成長と筋肉の成長のズレ
成長期には身長がぐんぐん伸びる時期がありますよね。
この時期、実は骨の成長と筋肉の成長にズレが生じることがあるんです。
研究によると身長が急激に伸びる時期には骨の長さが伸びるスピードに筋肉の成長が追いつかないことがあるそうです。
骨が伸びても筋肉の長さがすぐには伸びないと筋肉は相対的に「短く」なってしまいます。筋肉が短くなると、それだけ引っ張る力が強くなってしまうんですね。
つまり、成長期には自然と、膝への負担が大きくなりやすい状態になってしまうわけです。これも、オスグッド病が治りにくい理由の一つと考えられています。
筋肉の柔軟性の低下
さらにスポーツをしているお子さんの中には太ももの前側の筋肉が硬くなっている場合があります。
筋肉が硬いと、膝を曲げる時により強い引っ張る力が骨の付着部にかかってしまいます。
論文でも太ももの筋肉の柔軟性が低いお子さんほどオスグッド病の症状が強く出る傾向があることが報告されています。
理由その3:スポーツ活動を完全に休めない現実

治療には安静が必要だけど…
医学的には、オスグッド病の治療の基本は「安静」だとされています。痛みが出る動作を控えて、骨の付着部への負担を減らすことが大切なんですね。
しかし、実際には完全に安静を保つことは、とても難しいのが現実です。
学校生活での負担
たとえスポーツを休んでも、学校生活では階段の昇り降りがありますし、体育の授業もあります。通学で歩いたり自転車をこいだりすることもありますよね。
これらの日常生活での動作でも、膝には少なからず負担がかかります。研究では、完全な安静が難しい環境では、症状の改善に時間がかかることが指摘されています。
スポーツを続けたい気持ち
またスポーツを頑張っているお子さんにとってチームの練習や試合を休むことは心理的にとても辛いものです。
「試合に出たい」「みんなと一緒に練習したい」という気持ちから、痛みを我慢してスポーツを続けてしまうケースも少なくありません。
論文でも、スポーツ活動を継続しながら治療を行った場合、症状が長引く傾向があることが報告されています。痛みがある状態で運動を続けると、炎症が治まらず、治癒が遅れてしまうんですね。
理由その4:炎症の繰り返しと骨の変化

慢性的な炎症のメカニズム
オスグッド病では腱が付着している部分に繰り返し負担がかかることで慢性的な炎症が起こります。
急性の炎症であれば適切に安静を保つことで比較的早く治まることが多いのですが慢性的な炎症は治りにくいことが知られています。
研究によると炎症が長期間続くとその部分の組織が変化してしまいさらに治りにくくなる可能性があるそうです。
骨の出っ張りができてしまう
オスグッド病が進行すると腱が付着している部分の骨が盛り上がって出っ張りができることがあります。
これは繰り返しの刺激に対して体が骨を強化しようとする反応だと考えられています。
ただこの骨の出っ張りができてしまうと腱への刺激がさらに増えてしまい症状が長引く原因になることがあるんですね。
論文では、この骨の変化が起こってしまうと完全に症状が落ち着くまで時間がかかることが報告されています。
理由その5:個人差と遺伝的な要因

治りやすさには個人差がある
同じようにスポーツをしていてもオスグッド病になる子とならない子がいます。また、なったとしてもすぐに治る子もいれば長引く子もいます。
研究ではこの個人差には遺伝的な要因が関係している可能性が指摘されています。
骨や腱の質の違い
人によって骨の強さや腱の質には違いがあります。
これには、遺伝的な体質が関係していると考えられているんですね。
たとえば、骨端軟骨の強度や、腱の柔軟性、炎症の起こりやすさなどは、個人によって異なります。
これらの要因が、オスグッド病の発症しやすさや治りやすさに影響している可能性があるわけです。
論文では家族内でオスグッド病を発症する確率が高いケースもあることから、遺伝的な要因の関与が示唆されています。
理由その6:適切な治療を受けられていない場合も

正しい診断と治療の重要性
オスグッド病がなかなか治らない理由として適切な治療を受けられていないケースもあるかもしれません。
膝の痛みには様々な原因がありオスグッド病と似た症状を示す他の病気もあります。正確な診断を受けて、適切な治療を行うことが大切なんですね。
自己判断での対処のリスク
「オスグッド病は成長期の病気だから成長が止まれば自然に治る」という情報を聞いて、特に治療をせずに放置してしまうケースもあるようです。
確かに、成長が終われば症状が軽減することは多いのですが、その間に適切なケアをしないと、症状が悪化したり、骨の変形が残ってしまったりする可能性もあります。
研究では早期に適切な治療を開始することで症状の改善が早まることが示されています。
治療方法の選択
オスグッド病の治療には、安静、アイシング、ストレッチ、筋力トレーニング、装具の使用など、様々な方法があります。
症状の程度や個人の状態に合わせて最適な治療法を選択することが重要です。
残念ながらインターネット上では怪しい情報も溢れています。
基本的に「1発で治る」は残念ながら怪しいとしかいえないです。
一番最初に説明した通りオスグッド病自体は骨端軟骨の損傷が原因で痛みが出ていることがわかっています。
考えてみてください。切り傷が一度の施術できれいになくなるでしょうか?そんな魔法は残念ながら存在しません。
これをご覧になっている方は恐らく保護者の方が多いと思います。大事なお子様だから藁にも縋る思いで様々なことを調べていると思いますが騙されることのなくいてほしいです。
どのくらいで治るの?治療期間について

平均的な治療期間
多くの研究によるとオスグッド病の症状が改善するまでの期間は数か月から1年程度とされています。
ただし、これには個人差が大きく、もっと早く治る場合もあれば、それ以上かかる場合もあります。
これは自然治癒です。しっかりケアをおこなえば長くならないケースも多くあります。
治療を効果的にするために大切なこと
無理をしないこと
治療で一番大切なのはやはり「無理をしないこと」です。痛みがある時は、その痛みは体からの「休んでください」というサインだと考えてください。
痛みを我慢してスポーツを続けると症状が悪化したり、治療期間が長引いたりする可能性が高くなります。
スポーツとの向き合い方
完全にスポーツを休むことが難しい場合はチームと相談しながら練習量を調整するのも大事な時期もあります。
たとえば、ジャンプ動作を控える、練習量を減らす、痛みが強い時期は見学にするなど、工夫できることもあります。
論文でも、活動の調整を行いながら治療を進めることで、スポーツを完全に休まなくても症状の改善が得られるケースがあることが報告されています。
太ももの筋肉のケア
太ももの前側の筋肉が硬くなっていると、膝への負担が大きくなります。日常的にストレッチを行って、筋肉の柔軟性を保つことも大切です。
ただし、痛みが強い時に無理にストレッチをすると逆効果になることもあるので、医療機関で指導を受けながら行うことをおすすめします。
研究では、適切なストレッチングプログラムを実施することで、症状の改善が早まることが示されています。
予防のためにできること

日頃からのストレッチ
オスグッド病を予防するためには、日頃から太ももの筋肉の柔軟性を保つことが大切です。
運動前後のストレッチを習慣にすることで、筋肉の硬さを防ぐことができます。
急激な運動量の増加を避ける
急に練習量を増やしたり、激しいトレーニングを始めたりすると、膝への負担が急激に増えてしまいます。
運動量は徐々に増やしていくことが怪我の予防につながります。
体のバランスを整える
太ももの前側だけでなく、裏側の筋肉(ハムストリングス)や、お尻の筋肉など、体全体のバランスを整えることも大切です。
特定の筋肉だけに負担がかかりすぎないよう、バランスの良いトレーニングを心がけましょう。
適切な靴選び
靴のクッション性も、膝への衝撃を和らげる上で重要です。自分の足に合った、クッション性の良いシューズを選ぶことも予防につながります。
まとめ:焦らず、じっくりと向き合うことが大切
オスグッド病が治りにくい理由をまとめると以下のような点が挙げられます。
- 成長期特有の骨の構造(骨端軟骨)が関係している
- 骨の成長と筋肉の成長のバランスの問題がある
- スポーツ活動を完全に休むことが難しい
- 慢性的な炎症や骨の変化が起こりやすい
- 個人差や遺伝的な要因がある
- 適切な治療を受けられていない場合がある
オスグッド病は、成長期という特別な時期に起こる病気です。そのため、他の怪我とは違った難しさがあるんですね。
「なかなか治らない」と焦る気持ちもあるかと思いますが、多くの場合、成長が落ち着く頃には症状も改善していきます。
大切なのは、無理をせず、適切な治療を続けることです。
痛みがある時は体を休めて、医療機関と相談しながら、自分に合った治療やスポーツとの付き合い方を見つけていってください。
また、今は辛い時期かもしれませんが、この経験を通じて、体のケアの大切さや、自分の体と向き合うことの重要性を学ぶ機会にもなるのではないでしょうか。
焦らず、じっくりと治療に取り組んでいけば、必ず良い結果につながると思います。お子さんやご家族の方も、どうか前向きに、そして気長に向き合っていただければと思います。
最後までご覧くださりありがとうございました!
杏鍼灸整骨院の陣内由彦でした。
また当院で行っている施術やテーピング方法などをInstagramやYouTubeなど各種SNSにアップしていますので気になる方は是非見てみてください。
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投稿者プロフィール

- 柔道整復師、鍼灸師
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院長 柔道整復師 鍼灸師
福岡医健専門学校卒業
株式会社セイリン様、株式会社伊藤超短波などでもセミナー活動をしており精力的に鍼灸をひろめようと活動もしております。
陸上競技、ソフトボール、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数






