超音波や超音波治療器に関して深掘り|オステオトロンⅤ(LIPUS)は凄い治療器

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こんにちは!!

福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川(いもかわ)です。

今回は【超音波や超音波治療器に関して深掘り|オステオトロンⅤ(LIPUS)は凄い治療器】に関して紹介していきます。

超音波治療器は聞いたことありますか??

今では多くの整形外科や整骨院で導入されている治療器になります。

この超音波治療器をもっと限定的な効果を狙った治療器が《オステオトロンⅤ(LIPUS)》です。

と言っても超音波治療器の事もよく知らないし、ましてやオステオトロンⅤ(LIPUS)なんてもっと知らないと思います。

そこで今回は超音波に関しての知識を広げてもらう事と、オステオトロンⅤ(LIPUS)に関して知ってもらいたいと思います。

目次

そもそも超音波って何なの??超音波治療器まで深掘り

『そもそも超音波って何なの??』まずはここだと思います。

超音波は聞いた事あるにしても、その内容までは知らないですよね??

では超音波や超音波治療器に関して簡単に知っていきましょう。

超音波ってどんな振動なの??

超音波とは1秒間に20000Hzを越える振動の事をいいます。

《Hz》とは、1Hz=1回で考えてもらって大丈夫です。

20000Hzとは可聴域といって人間の耳で聞き取れる範囲の事で、それを越えた振動の事を指しますが、イルカやコウモリがこの超音波を使って会話や位置の確認を行っています。

それを応用したのがエコーやソナーで超音波振動の跳ね返りによって画像にしたり位置を確認したりしています。

では超音波治療器はどれくらい振動しているのかというと、治療器によりますが当院で使用しているES-910という超音波コンビネーション治療器は1秒間に1000000Hz(100万回)~3000000Hz(300万回)の振動をしています。

これを人体に照射していくと思うだけで効果がありそうですよね。

超音波はどうやって伝わっていくの??

超音波は体内に照射されていくと隣の細胞を震わせながら縦方向に伝播していきます。

この特徴を縦波というのですが、伝言ゲームのように超音波が照射された方向に真っ直ぐ進んでいきます。

その中で細胞や組織を伝播しながら深部に伝わっていきます。

超音波振動が違う組織の間を通っていく時に組織間の抵抗があるので、一部が反射(跳ね返る)したり屈折(方向が変わる)したりしながら深部に向かうにつれて振動は吸収(効果を発揮)されてどんどん減衰(弱くなっていく)していくのも超音波の特徴です。

この時に超音波治療器の場合は設定にもよりますが、約2㎝~5㎝までの深さまで超音波振動を伝える事が出来て効果を発揮できます。

この深さまで超音波振動が伝わっていくと、照射する場所にもよりますが《皮膚⇒脂肪組織⇒筋膜⇒筋肉⇒骨(または次の筋肉)》と深くまで伝わって効果を出していく事が出来ます。

超音波振動が体内に入るとどうなるの??

前述しましたが超音波振動が体内に入ると吸収・減衰・反射・屈折をしながら深部に伝達していきます。

ここで大切なのは吸収していくという事です。

吸収は細胞や組織を振動させて効果を起こしていく過程になるので、直線上の隣の細胞や組織を振動させながら超音波振動は吸収されて細胞や組織に変化を起こしていきます。

超音波治療器の場合はこの超音波振動の強さや頻度を変化させる事で細胞や組織に起きる変化が違ってきます。

高頻度の強い超音波振動を照射していく事で細胞や組織は強く振動されていきます。

それにより細胞間や組織間の摩擦が起きて熱が発生していきます。

これを《温熱効果》といって、超音波振動による振動と温度上昇によって起こる効果です。

また低頻度の弱い超音波振動を照射していく事で温度上昇を起こさないで細胞や組織を振動させていく場合もあります。

これを《非温熱効果》といって、超音波振動による振動の効果のみを起こしていきます。

超音波治療器では超音波振動が体内に照射される事で、振動させたり温度上昇を起こさせる事で様々な効果が発揮されていきます。

超音波治療器の効果ってどんな事が起きるの??

《温熱効果》と《非温熱効果》とでは起きてくる効果に違いがあります。

それぞれ目的に合せて使い分けをしていきます。

《温熱効果》
〇局所血流の上昇
〇軟部組織の伸張性増大
〇筋緊張の軽減
〇疼痛の軽減
〇関節可動域の増大など

温熱効果は組織に対して効果を発揮しやすく、すぐに効果を実感しやすいのが特徴です。

軟部組織の伸張性増大・関節可動域の増大などは照射後すぐに『おっ!違うぞ!!』というのが分かると思います。

また温度上昇によって温かさを感じるために、超音波振動が体内に照射されて変化が起きている実感もしやすくなります。

《非温熱効果》
〇腫脹の軽減
〇炎症の軽減
〇軟部組織(筋肉・腱・靭帯・関節包など)の治癒促進
〇骨癒合の促進
〇創傷・褥瘡・潰瘍の治癒促進など

非温熱効果は細胞や分子レベルに発揮しやすく、正直変化としては分かりにくいです。

しかし非温熱効果を狙った施術と行っていない施術とでは、経過が全然違ってきます。

その場での即時的な効果が分かりにくいため、患者様にとっては『何をしているのかな??』って感じはあると思いますが、体内ではしっかりと変化を起こしています。

以上の事が超音波と超音波治療器の簡単な説明です。

『何となく施術してもらってたけど・・・効いてるの??』というより『超音波治療器ってこんな効果があるんだ!!』と感じながら施術を受ける方が効果はまた違ってくると思います

施術者が知識を持っておかないといけないのはもちろんですが、患者様も少し理解していただけるとより効果は上がりやすいと思っています。

オステオトロンⅤ(LIPUS)って何なの??どんな効果があるの??

長々と超音波や超音波治療器に関しての説明をしてきましたが本題はここからです。

『オステオトロンⅤ(LIPUS)って何なの??』
『他の超音波治療器と何が違うの??』

これについて説明していきましょう。

オステオトロンⅤ(LIPUS)とは??他の超音波治療器との違いは??

まず知っておいてほしいのは、オステオトロンⅤ(LIPUS)は超音波治療器の一つです。

ではどんな超音波治療器かというと《非温熱効果》のみを狙った超音波治療器になります。

そして非温熱効果といっても特に《骨癒合の促進》にフォーカスした超音波治療器です。

今までの様々な研究によって超音波治療器が骨折に対して効果がある事が分かっています。

そこで非温熱効果の骨癒合の促進をより発揮しやすい設定(低出力パルス超音波(LIPUS:Low Intensity Pulsed UltraSound))になっているのがオステオトロンⅤ(LIPUS)という訳です。

もちろん他の超音波治療器を使用しても骨折に対して効果はありますが、オステオトロンⅤ(LIPUS)を使用した場合は効果がより高くなりやすくなっています。

《骨癒合期間が約40%の短縮した》という研究結果もあります。

実際に当院で使用した場合も多くの場合で固定期間の短縮や骨癒合期間の短縮が起きています。

オステオトロンⅤ(LIPUS)は非温熱効果のみを狙った超音波治療器になりますが、それだけ高い効果を持っている治療器になります。
※効果は骨折の部位や照射方法などにより変化します

オステオトロンⅤ(LIPUS)の効果は他にも沢山!!

オステオトロンⅤ(LIPUS)は骨折に対して特化した超音波治療器だと説明しました。

しかし本当はそれだけではありません。

オステオトロンⅤ(LIPUS)は非温熱効果を発揮できる超音波治療器です。

という事は、骨癒合促進以外の非温熱効果の効果も十分に期待できる事がいえます。

実際に骨癒合の促進以外にもオステオトロンⅤ(LIPUS)を使った多くの研究がされていて、その多くで他の非温熱効果も発揮されている事が分かっています。

《オステオトロンⅤ(LIPUS)のその他の効果》
〇コラーゲン線維の新生増大
〇コラーゲン線維の過剰新生抑制
〇関節包の線維化抑制
〇筋酸素消費量増大など

上記の効果は一部で、その他多くの事が研究の結果わかっています。

上記のような効果の内容はよくわからないと思いますが、要約するとオステオトロンⅤ(LIPUS)は骨折に対する骨癒合促進の他にも、骨以外のその他の組織や軟部組織に対しても大きなプラスの効果を発揮しているという事が分かっています。

このようにオステオトロンⅤ(LIPUS)は様々な効果が期待できます。

オステオトロンⅤ(LIPUS)を使った施術例

オステオトロンⅤ(LIPUS)を使った施術例になります。

今回使用しているのは骨折や骨に対して行った施術ではありません。

滑液包を狙った使用例です。

滑液包とは簡単にいうとクッション材です。

滑液包とは滑液(水分)の入った袋の事で、組織と組織の間で摩擦や衝撃を受けやすい場所に多く存在していて、その摩擦の軽減や衝撃の緩和を行ってくれています。

滑液包は沢山の関節などに存在していて、肩関節・足関節・股関節などの摩擦や衝撃が起きやすい関節周りや、アキレス腱や鵞足部(膝の内側)など摩擦が起きやすい場所に多く存在しています。

今回はアキレス腱の停止部付近(踵後面)に存在している滑液包を狙っています。

アキレス腱周囲の滑液包は、踵との間にある踵骨後部滑液包と皮膚との間にあるアキレス腱皮下滑液包が存在しています。

これらを狙ってオステオトロンⅤ(LIPUS)を照射しています。

オステオトロンⅤ(LIPUS)を照射する事で、滑液包自体に起きている炎症や周囲に起きている炎症を軽減させる効果が期待出来るので、結果的に疼痛の緩和にも効果が出てきます。

まとめ

今回は【超音波や超音波治療器に関して深掘り|オステオトロンⅤ(LIPUS)は凄い治療器】に関して紹介しました。

超音波治療器を受けた事がある方は多いと思います。

そんな中でも、効果まで考えて受けていた人は少ないと思います。

実際、超音波治療器は感じにくい治療器で、特に非温熱効果は何も感じないですし効果も分かりにくいです。

しかし体の中ではしっかりと変化が起きています。

オステオトロンⅤ(LIPUS)も同様です。

特にオステオトロンⅤ(LIPUS)はとても優れた治療器で、急性から慢性まで使用できますし、捻挫でも骨折でもその効果を高く発揮できます。

『何も感じないけど効いてるの??』と思う疑問は、ぜひ施術者に質問をしてくれたらスッキリ答えてくれると思いますよ。

何かありましたらご予約下さい。

杏鍼灸整骨院の妹川でした。

投稿者プロフィール

妹川 和志
妹川 和志柔道整復師
柔道整復師

福岡柔道整復専門学校(現 福岡医療専門学校)卒業

陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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