こんにちは!!
福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川(いもかわ)です。
今回は【足関節の可動域制限について|足関節捻挫後に残りやすい背屈制限】について紹介していきます。
皆さんの中で、足関節捻挫を足関節捻挫を起こした事がある方は多いのではないでしょうか??
痛みが無くなった後に靭帯損傷による関節の緩さとは別に、関節が固くて動きにくい違和感を感じた事はありませんか??
足関節の可動域制限が起きている場合、このように硬い動きにくい感じを残している事が多いです。
これらは、生活に支障は大きくないもののスポーツや運動に支障をきたす事が多いので、左右の可動域の差をなくして復帰していく事がいいと考えています。
そこで今回は、可動域制限が起きる理由と対処法に関して紹介していきます。
足関節捻挫後に可動域制限を起こす理由|固定によるデメリット
足関節捻挫を起こした後には、多くの場合で足関節の可動域制限を起こしています。
可動域制限とは直ぐに起きるものもありますが、ある程度時間が経った後に起きている事が多いために気付かない間に制限をされています。
そのため、競技復帰した時に違和感がずっと残っていて、整骨院などに行って気付く事も多く診られます。
では『なぜ可動域制限が起きるのか??』が疑問だと思います。
理由はそれぞれありますが、大きな理由の一つは《固定》です。
固定は急性期の患部の安静という面では大きなメリットですが、固定による可動域制限に関してはデメリットにもなります。
では、固定期間が短い方と長い方のどちらが可動域制限を起こしやすいと思いますか??
短い固定期間でも多少なりとも可動域制限を起こしますが、固定期間が長い方がより強く可動域制限を起こしやすいです。
靭帯損傷の程度や痛みや腫れの強さにもよりますが、捻挫を起こした場合、固定をする事が多いです。
その固定をした時の固定期間を必要以上に長くし過ぎると、可動域制限はどんどん強く起こしていきます。
また制限が強くなると、それだけ改善していくまでの時間も長くなっていきやすいです。
固定期間を長くする事で足関節周囲に起きやすいのは《筋の廃用性委縮》と《筋・腱の伸張性低下》と《筋筋膜や脂肪体の滑走不全》などが起き、これらが可動域制限を起こす理由にもなりやすいです。
これらは、別々ではなく関連して症状を起こしてきます。
筋の廃用性萎縮とは、固定により使わない事で筋肉が弱くなってしまう事です。
そして使わずに弱くなる事で筋の伸張性が低下していき、ストレッチなどを行おうとしても健側より強く突っ張ったり健側の範囲より手前で止まってしまいます。
伸びにくいのは筋・腱以外にも理由があります。
筋を包んでいる筋膜や、腱などの下でクッションの役割をしている脂肪体などが筋肉や皮膚と上手く滑らないといけない所が、固定期間が長くなる事で動きにくくなってしまいます。
これらの理由により固定期間によって可動域制限を起こしていきます。
足関節捻挫後の可動域制限(背屈制限)に関わっている筋肉や組織
足関節の可動域制限には大きく《背屈制限》と《底屈制限》があります。
背屈制限・底屈制限のどちらも筋肉や腱や脂肪体などの関節周りの軟部組織が関わている事が多いです。
背屈制限に関わっている組織
- 下腿三頭筋の過緊張や伸張性低下
- アキレス腱の伸張性低下
- 長母趾屈筋腱の過緊張や伸張性低下
- ケーラー脂肪体(アキレス腱下の脂肪体)の滑走性低下
- 距骨前脂肪体の滑走不全(挟まり込み)
- 屈筋支帯の滑走不全
- 屈筋支帯の過緊張や伸張性低下
- 伸筋群(背屈)の収縮力低下
- 関節包の癒着や伸張性低下
など
底屈制限に関わっている組織
- 前脛骨筋の過緊張や伸張性低下
- 長母趾伸筋の過緊張や伸張性低下
- 長趾伸筋などの過緊張や伸張性低下
- 伸筋支帯の滑走不全
- 距骨前脂肪体やケーラー脂肪体の滑走不全や挟まり込み
- 屈筋群(底屈)の収縮力低下
- 関節包の癒着や伸張性低下
など
簡単に並べるだけでもこれらが理由として考えられ、その他に多くの要因が関わっている事が多いです。
可動域制限に関わりやすい要因を並べましたが、筋肉や腱や脂肪体など軟部組織によるものが多く関わります。
前項で説明したように固定期間によって軟部組織による可動域制限が起きやすいので、そこに対してどの様に処置をしていくが大切になってきます。
足関節捻挫後の可動域制限に関して当院で行っている処置
足関節捻挫後には可動域制限を起こしやすい事は先ほど説明しました。
実際に施術を行っていく上では《どれだけ可動域制限を少なく抑える事が出来るか》という事が大切になってきます。
正直、可動域制限はある程度の靭帯損傷があるとほとんどの場合で起きます。
しかし、そこに対してどれだけ適した処置が出来るかによって予後が全然違ってくると思っています。
当院で行っている事を紹介していきます。
一番最初に行うのが確認と検査で、正直これが一番大切だと思っています。
初検時や途中経過の可動域制限の状態を写真に撮り、経過観察を行っていきます。
これは、施術者もそうですが患者様にも確認をしてもらい、経過を共有していきます。
確認と検査を行ったのちに施術を行っていきます。
行うのは主には手技と物理療法や鍼灸などを行っていきます。
物理療法と言っても色々あります。
電気療法(低周波・干渉波・ハイボルテージ・微弱電流・直流電流など)
冷罨法(アイシングなど)
温熱療法(超音波・ホットパック・スチームタオルなど)
振動療法(超音波・マッサージガンなど)
など、体外から刺激を加えて体に変化を起こすのが物理療法です。
患者様に合わせて手技の刺激部位や刺激量を考えて、その時に必要な治療機器や鍼灸を選択して行っていきます。
次に行うのが、患者様への自宅で出来るセルフケアを紹介していきます。
正直、整骨院で出来る事は限られています。
そこで、患者様の協力があると効果や経過は全然違っていきます。
経過観察もそうですが、施術者と患者様が一緒の気持ちで行っていけるといいと考えています。
実際に当院で撮った写真の一例です。
このようにデータを残して患者様と経過観察を共通しながら、その時に必要な施術を行っていきます。
まとめ
今回は【足関節の可動域制限について|足関節捻挫後に残りやすい背屈制限】について紹介しました。
足関節捻挫は痛みが無くなった後にも可動域制限を残しているケースは多いです。
なかなか気付いて無いケースもあるので、ぜひ自分で確認してみてください。
可動域制限が足関節捻挫後の残っている違和感の理由の1つかもしれないですね。
杏鍼灸整骨院の妹川でした。
投稿者プロフィール
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柔道整復師
福岡柔道整復専門学校(現 福岡医療専門学校)卒業
陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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