こんにちは！！
福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川（いもかわ）です。
今回は【オステオトロンⅤ（LIPUS）は骨折の治りを早くする！？その効果とは？？】に関して紹介していきます。
皆さんオステオトロンⅤ（LIPUS）という機械を知っていますか？？
最近は『オステオトロンⅤ（LIPUS）は置いていますか？？使って欲しいです！！』と問い合わせをいただく頻度が多くなってきました。
少しは皆さんにも広がってきたのかなと思っているところです。
しかし、まだまだ知られていないのが現状です。
という事で今回もオステオトロンⅤ（LIPUS）の良さに関して紹介していきたいと思います。
こちらにも超音波治療器に関して説明している記事がありますので合わせて読んでみてください。
そもそもオステオトロンⅤ（LIPUS）って何の機械？？
結論からいうとオステオトロンⅤ（LIPUS）は超音波治療器の一つです。
超音波治療器には様々な効果があります。
そこで一つの効果に特化した形に作ったのがオステオトロンⅤ（LIPUS）になります。
まずはオステオトロンⅤ（LIPUS）に関して知る前に超音波治療器に関して少し知っていきましょう。
超音波治療器に関して知ろう
超音波治療器とは超音波振動を出す事が出来る治療器になります。
人間の耳で聞き取れる範囲が１秒間に２０Hz（Hzとは振動の数）～２００００Hzほどの範囲といわれていますが、超音波振動はこの振動数を超える振動の事をいいます。
ちなみに当院で使用している超音波治療器は１００万Hz～３００万Hzの振動をしているので想像が出来ないくらい桁が違います。
１秒間にこんなに振動している物を身体に当てると思うだけでも何かの効果がありそうですよね。
これらの振動を体内に照射する事で効果を発揮するのが超音波治療器になります。
その効果というのも大きく２つに分けられます。
《温熱効果》と《非温熱効果》に分けられるのですが、それぞれ体に起きる変化が全然違ってきます。
《温熱効果》
強い超音波振動を当てる事で身体の変化を起こしていく
超音波振動と温度上昇によって効果を発揮
効果内容
◉軟部組織の伸張性の増大
◉局所血流促進
◉炎症の軽減
◉疼痛の軽減
◉筋の緊張緩和
◉関節可動域の増大
など
《非温熱効果》
弱い超音波振動を当てる事で身体に変化を起こしていく
超音波振動のみの効果を発揮
効果内容
〇軟部組織の治癒促進
〇浮腫の軽減
〇炎症の軽減
〇創傷・潰瘍・褥瘡の治癒促進
〇骨癒合促進
など
これらが超音波治療器を使用する事で《温熱効果》と《非温熱効果》として身体の中では起こっています。
温熱効果のようにすぐに効果を出して機能の改善を行っていくものから、非温熱効果のようにその場での効果は分かりにくくても結果的に効果を発揮していくものまで幅広く効果を期待できます。
また患部の状態に合わせて、急性期には非温熱効果で振動のみの効果で損傷組織の治癒促進を図り、亜急性期や慢性期になってくると温熱効果で温度上昇を起こして組織の改善を図っていく事が出来ます。
このように超音波治療器は怪我をしてからどの時期にも使用する事が出来ますし、目的によって使い分けをしながら幅広く使用できます。
オステオトロンⅤ（LIPUS）はどの効果を狙った治療器なのか？？
超音波治療器の効果として《温熱効果》と《非温熱効果》があるのは分かっていただけたと思います。
ではオステオトロンⅤ（LIPUS）は何の効果を狙った治療器なのかが疑問ですよね。
オステトロンⅤ（LIPUS）は非温熱効果の中の〖骨癒合促進〗を狙った超音波治療器になります。
『骨癒合促進って何？？』ってなりますね。
骨癒合促進とは《骨の治っていく過程を早くしていく》という事です。
皆さんのイメージとして骨折は大怪我のイメージがありますよね。
ギプス固定をして三角巾で吊ったり松葉杖をついたりなど固定期間もとても長いですし、見た目も怪我人って感じがします。
このような骨折の治りを早くして生活や仕事やスポーツへの復帰を早く出来るというのがオステオトロンⅤ（LIPUS）という訳です。
オステオトロンⅤ（LIPUS）が骨折に対して効果が高い理由は？？
オステオトロンⅤ（LIPUS）は骨折に対してとても有効な超音波治療器です。
では、なぜ超音波治療器を使用する事で骨の治りが早くなっていくのでしょうか？？
それは《ウォルフの法則》という物が身体の中で働いています。
《ウォルフの法則》
骨は骨にかかる力によって変化をする
これだけではいまいち分からないですよね。
簡単に説明すると『骨に掛かってくる負担によって骨は強くもなるし弱くもなるよ』って事です。
例えば、ご年配の方が怪我により病床生活が多くなってしまうと骨密度は下がってしまいます。
これは運動量の低下によって骨に掛かる負担が下がった事が原因で、骨は負担が少なくなると勝手に弱くなっていこうとしていきます。
反対に、ご年配の方でも毎日散歩をしていたりテニスや卓球や登山など趣味を持って活動的にされている人の方が骨密度は高い傾向にあります。
それだけ骨に掛かる負担が増えると骨はその負担に耐えるために強くなろうとしていきます。
これが骨の特徴です。
このウォルフの法則を踏まえて考えていきましょう。
オステオトロンⅤ（LIPUS）は超音波治療器です。
超音波振動を骨折部に当てていく事で骨はどうなっていくと思いますか？？
超音波振動の機械的な刺激を骨折部に当てると、骨は『振動刺激が来たぞ！！負けないように強くなるぞ！！』と働き出します。
これにより骨芽細胞や線維芽細胞など骨折が治る過程に必要な材料が普通より多く集まりやすくなります。
結果的に骨折部は、沢山集まった材料を使ってスムーズにどんどん治っていきます。
これがオステオトロンⅤ（LIPUS）を使用する事で体の中で起こって骨折の治りを早くしていきます。
文献によっては最大で４０％の期間の短縮が起こったケースもあります。
もちろんオステオトロンⅤ（LIPUS）の照射頻度や骨折部位などによっていろいろと短縮期間は違うと思いますが、オステオトロンⅤ（LIPUS）を使用する事で骨癒合期間の短縮はしっかりと起きている事が証明されています。
正直、オステオトロンⅤ（LIPUS）を使用しなくても超音波治療器の非温熱効果のを狙って照射しても骨折に対する効果はあるとは思います。
しかし、オステオトロンⅤ（LIPUS）は多くの研究から骨折部の骨癒合の活動が一番活発に行われている設定になっています。
なので同じような効果は起こせるかもしれませんが、効果の起きる大きさが違うと考えています。
当院で骨折に対して行ったオステオトロンⅤ（LIPUS）の使用例
当院では骨折をして来院された患者様にはオステオトロンⅤ（LIPUS）を使用していきます。
ここで注意点としては、骨折の施術に関しては《医師の同意》が必要です。
受診している病院にて『骨折部に超音波治療器（オステオトロンⅤ）を当てたいので整骨院に行っていいですか？？』という旨を医師にお伝えください。
医師から『いいですよ』と口頭でも良いので返事を頂いてから初めて整骨院で骨折に対する施術が行えるようになります。
ここはご注意いただけたらと思います。
ありがたい事に受診された病院によっては『骨折に効果的な超音波治療器があるから近くの整骨院とかで当ててもらってね』と最初から言ってくださって、患者様がネット検索して来院いただけるケースも少なくありません。
今回紹介している患者様も医師から超音波治療器を使用する事を勧められて来院されました。
そのため最初からギプスにオステオトロンⅤ（LIPUS）を当てる用の窓を作っていただけていたので、そこに照射をしていきます。
脛骨下端部骨折の診断を受けており、６週間の固定を指示されていました。
ほぼ毎日照射をしていき、固定が外せたのは４週間後で予定よりも２週間も早くなりました。
患者様は野球をしていたので、固定期間が短くなる事で早期からのリハビリが開始できたのでスポーツ復帰もスムーズに行う事が出来て諦めていた大会出場も無事にメンバー入りが出来たようでした。
今回は下腿骨の例を紹介しましたが、実際には他の部位に使用してもしっかりと効果はあります。
当院の場合、下腿骨と同じようなタイプの骨に対しても効果はありましたし、背骨や骨盤骨のような長い骨に対しても効果を実感していますし、効果がある事は証明されています。
まとめ
今回は【オステオトロンⅤ（LIPUS）は骨折の治りを早くする！？その効果とは？？】に関して紹介しました。
骨折は大怪我なイメージがありますが、オステオトロンⅤ（LIPUS）はその怪我の期間を短縮できる可能性があります。
それにより生活や仕事や学校やスポーツへの復帰がスムーズに行いやすくなります。
これは大きなメリットですよね。
また基本的に何も感じない治療器なので、痛いのが不安な方や刺激が苦手な方にも行いやすいですよ。
是非気軽にお問い合わせください。
杏鍼灸整骨院の妹川でした。
投稿者プロフィール
- 柔道整復師
-
柔道整復師
福岡柔道整復専門学校（現 福岡医療専門学校）卒業
陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
最新の投稿
施術例2024年10月31日足関節捻挫後に行う足趾の運動｜足趾はその他の怪我にも関わりやすい
施術例2024年10月23日超音波治療器はストレッチと一緒に行うと効果的！！大腿四頭筋を例に解説
施術例2024年10月16日ハムストリングスの機能改善に行ったEMS（NMES）｜リハビリがとても重要
施術例2024年10月4日上腕三頭筋の停止部に対して行った超音波治療器｜運動と行う動きの改善