こんにちは!
福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川です。
今回は超音波治療器の非温熱効果を狙った治療器の【骨折にはオステオトロンV(LIPUS)】について紹介していきます。
皆さん骨折をした経験はありますか??
手首や指の骨、足首や足趾の骨など骨であればどこでも骨折をする可能性はあります。
結構多くの方が経験があると思います。
ちなみに、私も経験があります。
中学生の頃にゲームセンターでパンチングマシーンで遊んでいて、思い切りパンチした時に
『イッタ~~~~イッッッ!!!!!!!』
捻ってしまいました。
あまりにも痛かったので病院に行くと...骨折でした。
昔の恥ずかしい思い出ですww
骨折をした場合は固定をする事が殆どです。
骨折を固定する理由は、骨折部を安静にして再転位を防ぎ、自然に骨がくっついて治っていきやすいようにするためです。
しかし『骨がくっつくのをただただ待っているのも...』『何か他に方法はないのかな...』って思いますよね。
そこで朗報です!!!!!!!!
超音波治療器の非温熱効果を狙った治療器、オステオトロンV(LIPUS)は骨折の骨癒合を早めるといわれています。
そこで今回は、非温熱効果・オステオトロンV(LIPUS)について紹介をしていきます。
非温熱効果とは??
超音波治療器は超音波振動によりさまざまな効果を発揮していきます。
その効果は大きく分けて《温熱効果》《非温熱効果》に分ける事が出来ます。
- 《温熱効果》
細胞・組織に連続する強い振動を与える事で、振動による効果と温度上昇による効果を得る事が出来る - 《非温熱効果》
細胞・組織に間欠する弱い振動を与える事で、振動による効果を得る事が出来る
この2つの効果のうち、骨折治療に効果を発揮するのは非温熱効果です。
ちなみに、超音波・温熱効果に関してはこちらをご覧ください。
↓↓↓↓
非温熱効果の主な生理学的効果としては
- 細胞活性・組織代謝の促進
- 細胞・皮膚等の透過性亢進
- イオン移動の促進
- 血管新生や血管形成の発達促進
- 細胞内カルシウムの増加
- 骨芽細胞の活性促進etc.
生理学的効果による臨床的効果としては
- 炎症・疼痛の軽減
- 浮腫の軽減
- 軟部組織の治癒促進(筋・腱・靭帯など)
- 創傷・褥瘡・潰瘍の治癒促進
- 骨癒合の促進
※生理学的・臨床的効果としては他にもありますが一部のみ抜粋して記述しています
これらの効果がありますが、正直難しい言葉ばかりで分かりにくいですよね。
簡単に言い換えると超音波の非温熱効果は
〖細胞や組織の活性化をし栄養等の循環を良くして、怪我(傷)の治りを早くする〗
上記に加え〖細胞内のカルシウム量を増やして骨の基となる細胞を活性化させ、骨折の治りも早くする〗
これらの事が超音波治療器の非温熱効果にあるといえます。
正直、超音波治療器(非温熱効果)は施術をしてもらっている最中は殆ど何も感じません。
しかし、体の内部ではこのような変化を起こして体の治そうとする力を助けてくれています。
今までは安静にしておくだけしか方法がなかった怪我に対して、超音波治療器を使用する事で今までとは違う治り方に出来るかもしれないですね。
※全ての怪我に当てはまるものではありません。また、効果や治る速度は人それそれです
オステオトロンVとは??(LIPUSとは??)
上記でも説明したように、超音波治療器の非温熱効果の中には《骨癒合の促進》という効果があります。
そこで使用するのが、オステオトロンV(LIPUS)です。
- オステオトロンV(LIPUS:Low Intensity Pulsed Ultra Sound:低出力パルス超音波)という治療器とは・・・
骨折治療に良いとされる数値や出力が設定されており、骨折治療に特に効果を発揮出来る治療器になります。
音圧効果により、骨折部位の骨の形成を促進し、骨癒合期間を早める超音波治療を行います。
(もちろん、他の怪我にも使用出来ますし効果は十分あります)
では、このオステオトロンVを使用する事で、どれくらい骨折の治療期間が短縮出来るのかというと...
骨癒合期間を40%短縮出来るといわれています。
もう一度いいます...
40%の短縮です!!!!!!!!!!!!!!!
これって凄い事ですよね。
『本当かな...??』
と疑うと思いますが、実際に骨折には振動や適度な負荷があると良いと言われていて、論文でもいくつも発表されている事なんです。
もちろん、すべての骨折が当てはまる訳ではありませんし、効果は個人差があるとは思いますが、それを抜きにしても凄い事だと思います。
オステオトロンV(LIPUS)は骨折によって日常生活に支障があったり、仕事に支障があったり、スポーツ現場では競技が出来なかったり、競技復帰まで時間がかかってしまったりなど、このようなマイナスポイントを少しでも早い治癒で改善してくれます。
ちなみに前述もしましたが、超音波治療器の非温熱効果は骨折だけに限らず、軟部組織(筋・腱・靭帯など)の治癒促進や創傷・褥瘡・潰瘍の治癒促進としての効果もあるので、オステオトロンV(LIPUS)を使用する事で、肉離れ・足関節捻挫などで困っている方にも十分効果を発揮してくれると思います。
オステオトロンV(LIPUS)の使用例の紹介
実際に院で行っている使用例をいくつか紹介していきます。
●下腿骨下端部骨折(脛骨下端部骨折)
骨折の治癒促進を目的に照射
ギプス固定をしたまま、患部の所だけギプスに窓を作り超音波を照射出来るような形になっています。
※整形外科にて固定後に来院
●肘内側側副靭帯損傷
軟部組織損傷の治癒促進を目的に照射
患部に照射しています。
●下腿三頭筋(腓腹筋内側頭)肉離れ・大腿下部(内側広筋)打撲
軟部組織の治癒促進を目的に照射
患部を挟むように微弱電流(MCR:マイクロカレント)を通電し、患部に超音波を照射しています。
微弱電流にも損傷部位の修復を早める効果があるため、より効果を期待できます。
超音波治療器のみの施術でも十分効果があります。
そこに他の物理療法や手技や運動などを合わせる事で、より効果が発揮される場合が沢山あります。
まとめ
今回は【骨折にはオステオトロンV(LIPU)】について紹介させていたただきました。
骨折への治療は時間がかかる印象が強いと思います。
もちろん多少時間はかかりますが、それを少しでも短く出来ると、生活にもスポーツにもいい影響を与えてくれます。
骨折や捻挫等で『少しでも早く治りたいんだよね...』という方は是非ご相談ください。
※すべての骨折や怪我等に使える訳ではない事と、整骨院で骨折の施術をしていく場合は医師の同意が必要(初回処置を除く)ですので、そこも含めてご相談いただけたらと思います
杏鍼灸整骨院の妹川でした。
投稿者プロフィール
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柔道整復師
福岡柔道整復専門学校(現 福岡医療専門学校)卒業
陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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