ジャンプ系のスポーツで多い膝蓋腱の痛み|ジャンパーズニー(ジャンパー膝)

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こんにちは!!

福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川(いもかわ)です。

今回は【ジャンプ系のスポーツに多い膝蓋腱の痛み(ジャンパーズニー(ジャンパー膝)】に関して紹介していきます。

ジャンパーズニー(ジャンパー膝)は聞いた事あるのではないでしょうか??

ジャンプ系のスポーツをしている方に多く痛みが出やすい症状で、当院でもバレーボールやバスケットボールをしている選手で多く痛みを訴えています。

ジャンプで踏ん張る時にも痛みますし、着地をする時にも痛んだり、状態が悪くなってくると走ったり階段の昇降時にも痛みを感じるようになってきます。

痛みによってプレーに支障が出ている選手なども結構多くいるので、選手にとっては困っている怪我にもなります。

そこで今回はジャンパーズニーに関しての知識と、当院で行った施術に関して紹介していきます。

以前のブログにも膝蓋腱に対して行った施術がありますので合わせて読んでみてください。

目次

ジャンパーズニー(ジャンパー膝)って何??

ジャンパーズニー(ジャンパー膝)はジャンプ系の動作が多い競技に起こりやすい怪我です。

なので❝ジャンプをする人❞という意味で❝ジャンパー❞という名前がついています。

ジャンパーズニーは俗称で、正式には膝蓋腱(靭帯)炎といいます。

簡単にいうと膝蓋腱に炎症が起きた状態です。

では膝蓋腱にどうして炎症が起きてくるのでしょうか??

膝蓋腱というのは大腿四頭筋の腱になります。

そのため膝蓋腱の痛みには大腿四頭筋が強く関わっている事が多いです。

まずは大腿四頭筋について知っていきましょう。

大腿四頭筋とは4つの頭と書くように、筋肉の始まりが4つあります。

大腿直筋中間広筋内側広筋外側広筋を合わせて大腿四頭筋というのですが、これらの筋肉が膝蓋骨(膝のお皿)の所で集合して、膝蓋腱となり膝の下に停止していきます。

《大腿四頭筋》

大腿直筋
起始:下前腸骨棘
停止:他の筋と合わさり膝蓋骨を経て膝蓋腱(靭帯)となり脛骨粗面に停止
作用:股関節屈曲・膝関節伸展

中間広筋
起始:大腿骨体前面
停止:他の筋と合わさり膝蓋骨を経て膝蓋腱(靭帯)となり脛骨粗面に停止
作用:膝関節伸展

内側広筋
起始:大腿骨粗線内側唇
停止:他の筋と合わさり膝蓋骨を経て膝蓋腱(靭帯)となり脛骨粗面に停止
作用:膝関節伸展

外側広筋
起始:大腿骨粗線外側唇
停止:他の筋と合わさり膝蓋骨を経て膝蓋腱(靭帯)となり脛骨粗面に停止
作用:膝関節伸展

これらの筋肉の中で大腿直筋は骨盤(下前腸骨棘)から始まって脛骨(脛骨粗面)まで走行していくので、股関節と膝関節の2つの筋肉を跨ぐ二関節筋になります。

そのため大腿四頭筋(大腿直筋)は膝関節の動きだけではなく、股関節の動きにも関与しています。

また大腿四頭筋は身体を支えるためにとても大切な筋肉です。

歩き、坂道、階段昇降、ジョギング、重心を下げる、ジャンプ、立ち座りなど日常で行う動作の多くで大腿四頭筋は強く働いていて負担の掛かりやすい筋肉でもあります。

では膝蓋腱は何なのでしょうか??

上記の大腿四頭筋の停止部にも説明していますが、膝蓋腱は大腿四頭筋の共同腱になります。

筋肉は基本的に関節を跨いで骨から骨へ付着していますが、この筋肉に付着する時に筋肉は腱という組織に変化しています。

つまり筋肉の両端は必ず腱になっているという事です。

大腿四頭筋の場合は膝蓋腱が停止腱になります。

これはどうゆう事かというと、筋肉と腱は一続きになっていて筋肉からの影響を受けやすいという事です。

筋肉の緊張が強くなったり過度な筋収縮などが起こると腱は筋肉によって引っ張られるストレスが強くなってしまいます。

これによって腱が微細な損傷を起こしてしまったり、持続的な負荷が掛かって炎症を起こしていきます。

これを腱炎といって、膝蓋腱の場合は膝蓋腱炎になります。

ジャンパーズニー(ジャンパー膝)はストレッチが有効??

ジャンパーズニーの膝蓋腱と大腿四頭筋に関係に関しては知っていただけたと思います。

では『どのようにしたら膝蓋腱の痛みを減らしていく事が出来るのか??』または『どうしたら膝蓋腱へかかる負担を減らしていく事が出来るのか??』という事が重要になってきます。

ではそこについて少し説明をしていきましょう。

大前提として行っていくのは大腿四頭筋に対してアプローチをしていく事です。

これは大腿四頭筋の筋緊張によって膝蓋腱は常に牽引ストレスを感じるようになっているため、まずここを改善してあげる事が大切です。

ここで浮かぶのは『筋肉を弛めるのはマッサージ??ストレッチ??』だと思います。

ほぼ正解です。

筋肉を弛めるために自分で出来るセルフケアはまずこれらだと思います。

しかし気をつけないといけないのが膝蓋腱の負担をかけているのは牽引ストレスで、ストレッチは筋肉を伸ばすという点です。

ただでさえ膝蓋腱には牽引のストレスによって負荷が掛かり炎症が起きているのに、むやみにストレッチをすると大腿四頭筋は伸びようとするかもしれませんが、筋肉と繋がっている膝蓋腱は無理やり伸ばされていく状態になります。

これでは悪化してしまう可能性があります。

ではどうしたらいいでしょう??

改善策は温めるです。

ストレッチを行う場合、まず最初に温める事がとても大切です。

これは大腿四頭筋を温める事もそうですが、膝蓋腱をしっかりと温める事が重要です。

『お風呂上りにストレッチをするといいよ』と聞いた事はないですか??

これは大正解です。

靭帯や腱や筋肉などは膠原線維(コラーゲン線維)という組織を多く含んでいて、この膠原線維というのは❝温める事で膠原線維の伸びやすさが上がる❞という特徴があるります。

もちろん大腿四頭筋も膝蓋腱も、他の筋肉や腱と同様に温めるととても伸びやすくなります。

また温める事は血液循環も良くしてくれます。

筋肉は循環が良くなると筋緊張の緩和が起きやすくなりますし、腱はもともと血液循環の悪い組織なので温まって循環が良くなる事で血液と一緒に身体を良くしてくれる材料を運んできてくれるようになります。

なのでストレッチをする時に一工夫すると痛みを出したり悪化させる可能性を下げながらケアを行う事が出来ます。

ただ意識をしてほしい事は、先ほども書きましたが無理なストレッチは絶対にしてはいけません。

ストレッチは大腿四頭筋に対してのケアの方法としては凄く有効なのですが、膝蓋腱に対しては負荷が掛かりやすい状態ではあるので、ストレッチをしている時に痛みが出るような時は続けずに止める❞という事を心がけてください。

また、ジャンパーズニーは大腿四頭筋以外の部分も関連しているケースの方がほとんどです。

なのでケアやストレッチを行う時は股関節周りや太もも後面、膝関節周りや足首・足底周りなどのケアをしっかりと行う事も大切です。

当院で行っているジャンパーズニー(ジャンパー膝)に対する施術

当院で行っている施術の一例を紹介していきます。

今回使用しているのはIM‐2000という電気療法機器です。

これは微弱電流という電気を流す事が出来るのですが、炎症を引きやすくしたり傷を治りやすくしたりなど損傷に対して効果を発揮しやすいです。

微弱電流のIM‐2000に関しては、こちらで詳しく紹介していますので合わせて読んでみてください。

また先ほど説明をしたように、筋肉や腱は温めた方が伸びやすく状態が良くなりやすいです。

今回紹介している動画では使用していませんが、超音波治療器を使用したりラジオ波を使用したりしながら患部をしっかりと温めていく事も行っていきます。

また温める事で血流の促進も行えるので、IM‐2000との相性も凄くいいです。

まとめ

今回は【ジャンプ系のスポーツに多い膝蓋腱の痛み(ジャンパーズニー(ジャンパー膝)】に関して紹介しました。

ジャンパーズニーは多くの方が悩んでいると思います。

そこで『ストレッチが有効だよ』と聞くと思いますが、やり方や強さによっては状態を悪化させる可能性もあります。

その時の状態に合わせて、どのようなストレッチを行っていくか、またはどのような処置をしていくと良いかというこを選択していく事が大切になります。

怪我に関しての疑問やストレッチや処置の仕方など、気になる事は何でも気軽にご質問ください。

杏鍼灸整骨院の妹川でした。

投稿者プロフィール

妹川 和志
妹川 和志柔道整復師
柔道整復師

福岡柔道整復専門学校(現 福岡医療専門学校)卒業

陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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