こんにちは!!
福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川(いもかわ)といいます。
今回は【腰や股関節に多く関わる腸腰筋|ストレッチと超音波治療器】に関して紹介していきます。
今回紹介している施術例(動画)は陸上競技をしている高校生です。
ハードルをしているのですが、股関節の痛みを訴えて来院されました。
腸腰筋は股関節や腰に関して多く関わる筋肉です。
特にハードルのように股関節を大きく動かすような競技には強く働いていて負担がかかりやすい部位になります。
そこで今回は、腸腰筋にピックアップしながら施術例を紹介していきます。
腸腰筋とは??腰の動きと股関節の動きに関係
腸腰筋は運動をしている方は聞いた事もある筋肉かと思います。
どのスポーツでも腸腰筋は大切で、それだけこの筋肉は痛める事が多かったり、痛くなった場所に関連している事が多い筋肉になります。
腸腰筋は大腰筋と腸骨筋を合わせた名前です。
その二つの筋肉が走行が近く、停止部では一緒になるために合わせて腸腰筋と呼ばれています。
腸腰筋(大腰筋)
起始:第12胸椎横突起・第1~5腰椎横突起
停止:大腿骨小転子
作用:腰椎の伸展・股関節の屈曲・腰椎の安定
腸腰筋(腸骨筋)
起始:腸骨窩
停止:大腿骨小転子
作用:骨盤の前傾・股関節の屈曲
腰椎の腹側や骨盤の腹側に起始しているために体表から触れるのは難しい筋肉です。
※股関節(鼠径部)では触れる事が出来ます
ですが大腰筋と腸骨筋は走行は近くて停止部が一緒なので協力して体の内部で股関節最大の屈曲筋として働いています。
股関節の屈曲筋は、大腿直筋や縫工筋や大腿筋膜張筋など多くありますが、他の筋肉は股関節のある一定の角度で強く働く半面、常にある程度の強く収縮しながら股関節の屈曲を行っています。
そして、股関節の角度が大きくなると他の筋の働きは弱くり、ほとんどが腸腰筋の力によって屈曲を行っている状態になります。
また腸腰筋は足が固定されているか固定されていないかで腸腰筋の作用が変わります。
足を固定していない状態で腸腰筋が収縮すると股関節の屈曲を行い、足を固定した状態で腸腰筋の収縮を行うと骨盤の前傾と腰椎の前彎(腰椎の伸展)が強くなります。
それにより、腰の前屈に働いたり、骨盤を動かす時に働いたり、歩行時や踏ん張る時に働いたり、腰や股関節を動かす場面では多くで関わっています。
腸腰筋はこのように股関節や腰に関する筋肉で、作用を考えるとその逆も考えられると思います。
腰に関しては腸腰筋の緊張が強く短縮したり伸張性が悪くなると、腰椎や骨盤を引っ張り常に前傾をしているような反り腰になりやすくなります。
腸腰筋の機能が低下すると椅子などに座っている時の骨盤前傾を維持するのが難しくなり、骨盤後傾を起こしやすくなるために不良な姿勢を作りやすくなってしまいます。
また、股関節に関しては腸腰筋は股関節前面を通るために、筋の緊張が高まると股関節の動きの制限を起こしてしまったり、股関節屈曲時に股関節前面の詰まった感じなどが出やすくなってきます。
結果、腸腰筋の緊張や機能不全により、筋自体も痛めやすいですしその他にも様々な怪我に繋がりやすくなってきます。
このように腸腰筋は腰や股関節の大きく関わる筋肉である事が分かります。
腸腰筋のストレッチ
腸腰筋のストレッチの方法を紹介します。
先ほども説明したように、腸腰筋の緊張が強くなると良くない事が多いために、ストレッチによって少しでも緊張を取ってあげると経過がいい事が多いです。
腸腰筋のストレッチ
①膝立ちをする
↓
②健側の足を広めに前に出す
↓
③患側の股関節前面が伸びるような感覚が出るように前方に踏み込む
この時に体が前に倒れないように胸を前に向ける
※③まででもストレッチはかかりますが反りが強くなるため腰への負担が増えやすいです
↓
④ドローインのように呼吸を維持したままお腹を凹ませませる
※これにより腰の前傾を少なくして負担を減らします
↓
⑤患側の手を上に挙げて突き上げるように高い所まで上げる
↓
⑥腕を挙げたまま身体を健側に少し倒す
①~③を行うだけでもしっかりとストレッチを行えます。
しかし、腰が反るために負担が大きいので痛みが出る方や反り腰の方は④まで行うと負担は減ります。
慣れてくると⑤~⑥を行うとストレッチがより強くかかるようになります。
腸腰筋による股関節の痛みに対して行った超音波
今回施術をした患者様は、陸上競技をしている高校生です。
ハードル競技をしているのですが、跳ぶ時や走っている時に股関節前面に痛みを訴えていました。
腸腰筋の緊張が強く、腰も反り腰になっていました。
また、鼠径部での痛みが強く、ハードルの跳躍時や走っている最中に足を後ろから前に運ぶ時に強く痛みが出ています。
結果、腸腰筋の収縮が強くなった時や、伸張による負担が強くなった時に痛みが強く出ていました。
今回行った施術は、腸腰筋に対して超音波治療器を使用しています。
超音波治療器は温熱効果といって筋肉や腱などを温める効果があります。
それによりこれらの組織は伸びやすくなり、ストレッチの効果が高く出やすくなります。
まとめ
今回は【腰や股関節に多く関わる腸腰筋|ストレッチと超音波治療器】に関して紹介しました。
腸腰筋は、腰に関しても股関節に関しても関係が深い筋肉です。
また、腰部の深層にあるために自分でケアをするにも難しい所でもあります。
今回紹介したストレッチを行うだけでも腸腰筋による痛みは変わるかもしれません。
是非、試してみてください。
※行い方によっては腰に負担を掛ける場合があります
そのため自分の状態をしっかりと把握して、正しい姿勢で行ってください
杏鍼灸整骨院の妹川でした。
投稿者プロフィール
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柔道整復師
福岡柔道整復専門学校(現 福岡医療専門学校)卒業
陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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