バレーボールをしている大学生|足関節捻挫から競技復帰までの施術

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こんにちは!!

福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川(いもかわ)です。

今回は【バレーボールをしている大学生|足関節捻挫から競技復帰までの施術】に関して紹介していきます。

バレーボールをしている大学生です。

ジャンプからの着地の時に相手の足を踏んで捻挫をしています。

来院時には跛行(カタカタ歩き)を呈していて体重をしっかりと掛けられない状態でした。

施術をしていくうちに痛みは引いていき、競技復帰が想像していたよりもスムーズに行えたので紹介をしたいと思います。

目次

受傷機序と来院時の所見

バレーボールをしている大学生で、足関節捻挫をして来院をされました。

もともと来院をしてくれている学生ではありましたが、当院に来るようになってからは今までに足関節捻挫はなく、本人にっとてもバレーボールを始めて今回が初めての足関節捻挫との事でした。

来院時は、跛行を呈して来院されました。

患部には腫脹が出ていて、患部の周辺には発赤・熱感も診られました。

本人曰く『練習中にジャンプの着地の時に相手の足を踏んで内側に捻ったのは覚えているけど、そのまま倒れ込んだから、怪我をした瞬間は足がどうなっていたかははっきり分からない』との事でした。

患者様の話しも参考にしながら徒手検査をを行った結果、前距腓靭帯損傷(1度損傷)・リスフラン関節部靭帯損傷(2度損傷)ほどの怪我を疑いました。

大会までの期間が近かった事もあり本人と相談をして整形外科への受診をする事になったので施術と固定を行い、当日の施術は終了です。

後日、整形外科の結果は『骨折はなくて足関節捻挫の診断を受けた』との事でした。

患者様の不安な気持ちが少し晴れたのが分かりこちらとしても一安心でした。

患者様自身が骨折が無かったことを確認出来て安心してくださったのが一番良かったと思います。

整形外科でしっかりとした検査をしてもらって診断をしてもらう事はとても大切な事です。

それが良くても悪くても患者様にとって一番安心できる形になりますし、それによって私たちも患者様と一緒に施術の計画が立てやすくなります。

足関節捻挫の靭帯損傷

一度損傷:靭帯の微細損傷・関節の不安定感なし
二度損傷:靭帯の部分断裂・関節の不安定感軽度
三度損傷:靭帯の完全断裂・関節の不安定感あり

足関節捻挫(靭帯損傷)
前距腓靭帯・二分靭帯

足首の靭帯

リスフラン関節捻挫
背側足根中足靭帯

足首の靭帯

来院初日からの施術過程

来院された初検から行った施術の経過を紹介していきます。

足関節捻挫に限らずどのような怪我でも、しっかりと損傷を起こしている組織や場所を判断する事と、その部位の状態に合わせた施術が行えていけるかが大切だと思います。

それが行えるかどうかで経過の進み方は変わってきますし、予後も全然違ってくると思います。

初検日~3日程

まず行ったのはアイシングです。

来院された時点では腫脹・発赤・熱感があったために、まずはそれに対して処置をしていきます。

アイシングを行う事で出血を抑える事が出来るので、出血による二次損傷を防いでいきます。

しかし、アイシングは頻度多く行ったり長時間にわたって行うと、逆に組織を悪くしたり治りが悪くなったりするので注意が必要です。

次に電気療法(微弱電流)と超音波療法(オステオトロンⅤ)を行っていきます。

これらの物理療法は組織損傷後の回復の手助けをしてくれます。

損傷を起こした最初は患部にかかる余分な負荷を減らしながら、なるべく刺激が少なく回復を早めてくれるものを選択していきます。

3日目以降~復帰前

この時期は行っていく過程が色々分かれてきます。

超音波治療器と微弱電流は継続して組織回復を狙って行っていきます。

その他にはしっかりと温めます。

しっかりと温めて血液循環を良くしていく事で、傷の修復に必要な材料が血液に乗ってどんどん送られてくるようにしていきます。

また、運動や負荷を掛ける事を徐々に開始していきます。

負荷といっても最初は感じるか感じないくらいの負荷から初めていきます。

そして、電気療法(EMS)や運動を取り入れていく事で筋肉の萎縮予防や促通を行っていきます。

靭帯は適度な負荷を与えると強く早く治ろうとする特性を狙ったもので、実際に研究によって証明されており、ずっと安静にしているよりも適度な負荷を与えると丈夫で綺麗な組織に回復していきます。

また、状態に合わせて負荷や運動の強度を徐々に上げていきます。

復帰前から復帰に向けて

復帰に向けた運動をどんどん取り入れていきます。

上記の施術に加えて運動や負荷を競技に近い形(患者様の場合バレーボール)に変えていきます。

負荷の量を増やしても患部に痛みなく行えるか確認をしていく事が大切です。

負荷が増えると筋肉にかかる負担も増えるので筋委縮を起こしている筋肉に対しても負荷を掛ける事が出来ます。

競技に近い動きを増やしていく事は、競技に近い負荷が掛かるので復帰に向けた最終ステップです。

そこで使っていく物理療法が、超音波治療器や電気療法(EMS)などを取り入れていきます。

これらも運動を行いながら行ったり負荷を掛けながら行っていきます。

動きに不安なく行えるようになってから完全復帰です。

超音波治療器(LIPUS)と電気療法(微弱電流)の組み合わせ

初日から復帰までの間を考えると当院では色々な物理療法を行っていきます。

それぞれが目的があって使っているので『とりあえず・・・』みたいな適当なものはありません。

その中でも今回は超音波治療器(LIPUS)と電気療法(微弱電流)の組み合わせは損傷部位の回復にとても助けられました。

大会までの期間が決まっている中、損傷部位の回復が起きなければ周りの筋肉などに負荷を掛けて準備していても傷口は開いたままなので競技は出来ません。

そんな中、早い段階で損傷部位の回復が行われていった事で、負荷の量を増やす事が出来ましたし運動の強度も競技に近づけていく事が出来ました。

まとめ

今回は【バレーボールをしている大学生|足関節捻挫から競技復帰までの施術】に関して紹介しました。

今回は大会までの期間が決まっている中スムーズに競技復帰を行えたので、患者様を例にして施術の流れを紹介していきました。

最初に整形外科を受診してもらって安心が出来た事、大会までの期間があるので患者様と術者が上手く気持ちが嚙み合った事、自宅で行ってほしい事や食事の面など話した事をしっかり実行してくれた事など色々良かった要素が多くあったのだと思います。

しかし、何よりは患者様が『治りたい!!競技復帰したい!!』という気持ちが身体の状態をどんどん前向きにしてくれたのではないかと思います。

当院で行った事はあくまでも【手当て】で患者様に手を添えて出来る範囲の手助けをしただけです。

人の身体の力ってすごいなと改めて痛感しますね。

杏鍼灸整骨院の妹川でした。

投稿者プロフィール

妹川 和志
妹川 和志柔道整復師
柔道整復師

福岡柔道整復専門学校(現 福岡医療専門学校)卒業

陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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