こんにちは!
福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川です。
今回は【足関節捻挫後の筋委縮(腓骨筋)に対するEMSを使った機能改善】について紹介していきます。
足関節捻挫は多くの方が経験があると思います。
その中でも足関節捻挫が治っていく過程で『痛みがなくなったのに違和感が残ってるんだよね』という経験はないですか??
違和感
不安定感
不安感
力が入らない
踏ん張れない
これらの症状が痛みがなくなった後に残っている事が多いです。
多くの方が怪我の治っていく過程の印象は、痛みがなくなる事だと思います。
確かに痛みさえなくなれば治癒といえる怪我もありますが、そうではない怪我も多くあります。
特に足関節捻挫の場合は《痛みがなくなった=治った》ではありません!!
今回の【足関節捻挫後の筋委縮(腓骨筋)に対するEMSを使った機能改善】は痛みがなくなっていく事と同じくらい大切な機能改善について、当院が行っている一例を含めて紹介していきます。
↓↓足関節捻挫に関してはこちらで詳しく紹介していますので是非参考にしてみてください↓↓
足関節捻挫後の不安定感や違和感等はなぜ起きるのか??腓骨筋との関係
最初に少し足関節捻挫に関して説明していきます。
足関節捻挫は簡単にいうと、捻った等の外力にって関節の可動域を超えてしまったために関節周りの軟部組織の損傷を起こした状態です。
損傷を起こしている軟部組織とは、靭帯・腱・筋・関節包・脂肪体などの事を指しますが、足関節捻挫の場合は靭帯に損傷を起こしているものがほとんどです。
靭帯損傷の程度によって分類されています。
Ⅰ度損傷・・・靭帯の微細損傷で関節の不安定感なし
Ⅱ度損傷・・・靭帯の部分損傷で関節の不安定感あり
Ⅲ度損傷・・・靭帯の完全断裂で関節の不安定感強くあり
また捻挫の方向で損傷靭帯も変わってきます。
内反捻挫・・・前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯
外反捻挫・・・三角靭帯
リスフラン関節捻挫・・・足根中足靭帯、二分靭帯
などが損傷されていきます。
これらの靭帯損傷の程度と損傷靭帯の数や部位によって足関節捻挫の治っていく経過が変わっていきます。
靭帯の炎症や損傷の治癒が進んでくると痛みはどんどん引いていきます。
痛みが引いた時点で『治った!!』と思っている方もいると思います。
しかし痛みが引いても損傷した靭帯は元通りには戻らないケースも多く、靭帯損傷による不安定感等を残してしまうケースが多くあります。
また痛みが引いた後に残ってる不安定感や違和感等は靭帯によるもの以外に、その他の理由によるものが多く絡んでいる事が多いです。
足関節捻挫後の不安定感や違和感等がなぜ残るのかというと筋委縮によるものです。
その他にも原因は沢山ありますが、筋委縮が絡んでいる事が多いです。
ただでさえ靭帯損傷によって関節の不安定な状態に加えて、筋委縮によって不安定感や違和感等がより強く起きやすくなります。
筋委縮とは、怪我をした場合その直後から損傷した部位付近の筋肉が働かなくなり弱くなる事で筋機能低下が起きたりなど筋肉の異常が起きる事をいいます。
筋機能低下とは、筋が弱く細くなってしまい、筋の力の入れ方が分からない、力は入るが強く入れる事が出来ない状態などを起こします。
今回紹介している腓骨筋は足関節捻挫後に筋委縮による筋機能低下が著しく起きやすい筋肉の一つです。
腓骨筋は長腓骨筋と短腓骨筋に分かれますがどちらも足関節周りに関係している事は多くあります。
足関節底屈
足関節外反
足底アーチなど
これらの事に関係しているので足関節の動きの補助や足関節にかかる荷重に関して大きな役割を果たしています。
また足関節捻挫で多く損傷する前距腓靭帯の役割を、筋の動きで補助している筋でもあります。
そのため足関節捻挫後に腓骨筋の筋委縮が起きる事によって、不安定感や違和感等を起こす大きな要因になります。
逆に腓骨筋の機能をしっかりを働かせる事が出来ると、足関節捻挫後の足関節は違和感や不安定感等が少なくスムーズに動きやすくなっていきます。
腓骨筋以外にも筋委縮が起きている筋は沢山ありますし不安定感等に関わっている筋も沢山ありますが、その中でも腓骨筋は大切な筋肉だと考えています。
足関節捻挫後の不安定感や違和感等にEMSが効果的な理由
足関節捻挫後には筋委縮を起こしてしまう事は先ほど説明しました。
筋委縮により筋機能低下を起こした筋に対しては、筋の再教育や筋の促通を行っていかないといけません。
そこで効果的に筋の再教育や筋の促通を行う事が出来るのが電気療法のEMSです。
EMSとは、筋肉や神経に電気刺激を与える事によって不随意的に筋収縮を起こさせる事で効果を期待したものです。
一般的には『楽してトレーニング出来る!!』みたいな感じで知られているかと思います。
しかし本来は医療の現場で使われている電気療法で筋や神経に対するリハビリで多く使われているもので、その効果は多く発揮されています。
ちなみに近年の医療業界ではEMSはNMES(神経筋電気療法)といわれています。
そこでEMSを筋委縮によって筋機能低下が起きている筋に行う事で、筋の再教育や筋の促通を期待できます。
また、弱く細くなってしまった筋に対しても強化が期待できます。
足関節捻挫後の筋委縮(腓骨筋)に対するEMSを使った施術
実際に当院が行っている施術の一例を紹介します。
筋委縮によって筋機能低下した腓骨筋に対してEMSを使用しています。
それにより筋の再教育・筋の促通・筋の強化を目的としています。
腓骨筋がしっかりと機能する事で足関節の不安定感や違和感や踏ん張る事が出来ないなどの症状は緩和していきやすいと考えています。
《腓骨筋のNMES(EMS)》
足関節捻挫後の介入などで行う事が多く、幹部にはMCRや超音波で介入して筋に対して行っています
損傷後の萎縮に対して腓骨筋の促通や再教育が目的です
腓骨筋の促通や再教育は足底アーチやに関してやカーフレイズなどを行う上で大切だと考えています#物療好き #EMS #NMES pic.twitter.com/voxJTlnHlP
— 妹川 和志 (@kazuyuki_imo) February 23, 2023
まとめ
今回は【足関節捻挫後の筋委縮(腓骨筋)に対するEMSを使った機能改善】について紹介しました。
足関節捻挫は痛みがなくなっても治っている訳ではありません。
そこで不安定感や違和感等もしっかりと改善させていかないと、また捻挫を繰り返し起こす可能性が高くなってしまいます。
《痛みがなくなった=治った》ではなく、その後のケアまでしっかりと行う事が損傷部位をより強くすると考えています。
またEMSなどはあくまでも手法の一つで『これを行っていれば大丈夫!!』なんて事はありません。
EMSを行うのと一緒に運動などで負荷を掛けながらのトレーニングが必要だと考えています。
杏鍼灸整骨院の妹川でした。
投稿者プロフィール
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柔道整復師
福岡柔道整復専門学校(現 福岡医療専門学校)卒業
陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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