こんにちは!!
福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川(いもかわ)です。
今回は【腰の痛みに関連しやすい腰部多裂筋|側臥位で行う超音波照射】に関して紹介していきたいと思います。
皆さんぎっくり腰の経験はないですか??
急に腰の痛みが走って動けなくなったり、腰がピリッとした後に徐々に動けなくなったりした経験がある方も多いと思います。
ドイツでは《魔女の一撃》と言われるほど、急な一撃を食らったような痛みが腰に走る事もあります。
ぎっくり腰とは、急な腰の痛みによって動けなくなる事の総称のようなものなので、痛みが出た時に損傷を起こしている部分はそれぞれ違います。
筋肉による痛み・関節による痛み・筋筋膜性による痛み・靭帯による痛みなど、原因は様々です。
そこで今回は、ぎっくり腰や腰痛に大きく関わる事の多い《腰部多裂筋》に関して紹介していきます。
腰部多裂筋とは??筋の位置と筋の役割
腰部多裂筋といっても知らない方がほとんどだと思います。
腰部多裂筋は腰にとってはとても大切な筋肉になります。
まずは筋肉のある位置を知ってイメージしてみましょう。
多裂筋
起始:仙骨後面・上後腸骨棘・全腰椎の乳様突起・全胸椎の横突起・第4~7までの関節突起
停止:起始から2~4つ上の棘突起
作用:両側収縮で脊椎の伸展・片側収縮で同側の側屈・片側収縮で反対側への回旋
機能:抗重力筋・姿勢保持・椎骨の安定・動作のスタビリティー
多裂筋は腰だけに限らず、頸部まで存在しています。
その中でも腰部多裂筋は特に腰痛などに関わる事が多く重要になってくる筋肉です。
また、起始停止を確認してもらうと、背骨のすぐ近くに付着してる事が分かります。
それによって、椎骨を安定させたり、スタビリティーマッスルとして動作や姿勢に強く関わっています。
腰部多裂筋とぎっくり腰との関係
先ほども説明しましたが、ぎっくり腰と言っても原因は色々あります。
筋肉性・関節性・筋筋膜性・靭帯性など原因は決まったものではないですし、一つとは限りません。
腰部多裂筋は、どのぎっくり腰とも関わっている事が多いです。
筋自体を損傷する事もありますし、他の部位が損傷した場合でもその後に関わっています。
腰部多裂筋は抗重力筋やスタビリティーマッスルでもある事が理由として考えられます。
抗重力筋とは、重力に対抗して働いている筋肉で、安静時にも重力に抗して姿勢を保持するために常に働き続けています。
またスタビリティーマッスルとは、昔の言い方でいうインナーマッスルと近いのですが、動作時に安定して動作を行うために収縮をする筋肉の事をいいます。
多裂筋はそのスタビリティーマッスルの1つで、動作時に収縮して椎骨の安定をさる事で動作をスムーズにしています。
このように腰部多裂筋は常に働いている筋肉です。
言い換えると常に負担のかかっている筋肉になるために損傷も起こしやすくなります。
また腰部多裂筋は痛みを出しやすい大きな特徴がもう一つあります。
それは、多裂筋は筋の委縮を起こしやすい事と、筋機能の低下を起こしやすい事です。
ぎっくり腰などで強い痛みを起こした場合、筋肉は勝手に筋委縮を起こして筋が弱っていきます。
腰周りで、まず弱りやすい筋肉が腰部多裂筋です。
また筋委縮と一緒に起きてくるのが筋機能低下です。
筋機能低下が起きてくると、いつも筋肉ができてる働きが出来なくなていきます。
結果、腰部多裂筋の筋委縮や筋機能低下が起こる事で経過が悪くなっていきます。
治癒の過程でも治る速度は遅くなりやすいですし、痛みがなかなか引きにくくなっていきます。
また、痛みがある程度引いた後に『腰に力が入らない感じ・抜けそうな感じ・鈍痛が続く』などに関しては、腰部多裂筋によって起きている事も多いと思っています。
腰部多裂筋に対して行った超音波|横向きで腰への負担を軽減
当院で行った施術の一例です。
ぎっくり腰を起こした場合、動けない事も多いです。
通常の施術の場合うつ伏せに寝ていただく事が多いですが、うつ伏せで寝てもらうとその後に痛みで起きにくい事も多くあります。
そのため当院では状態に合わせて、横向きや座って行う事も多いです。
今回紹介している施術例は横向きで行っています。
横向きで腰への負担を減らす事と、膝を抱える動作を行ってもらうためです。
膝を抱える動作をしてもらうと、腰部多裂筋の作用と反対方向に動くので、ストレッチをしている状態に近い形に持っていきやすいです。
超音波治療器の特徴として、温度上昇を起こした場合、筋などの軟部組織の伸張性の増大を起こします。
伸張性の増大はストレッチを掛けながら行うと、より効果は高いので無理のない範囲で筋を伸ばすようにしています。
まとめ
今回は【腰の痛みに関連しやすい腰部多裂筋|側臥位で行う超音波照射】に関して紹介しました。
腰部多裂筋は、大きな筋肉ではないですが、腰では重要な働きをしています。
また、ぎっくり腰やその他の腰の痛みにも関わっている事の多い筋肉でもあります。
強い痛みが無くなっても、その後に残っている違和感に注意したり再発を起こさないように注意する事が大切です。
杏鍼灸整骨院の妹川でした。
投稿者プロフィール
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柔道整復師
福岡柔道整復専門学校(現 福岡医療専門学校)卒業
陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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