こんにちは!!
福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川です。
今回は【オステオトロンⅤ(LIPUS)は骨折に特化した超音波治療器!!骨癒合促進効果について】について紹介していきます。
当院で扱っている超音波治療器の一つにオステオトロンⅤ(LIPUS)という機器があります。
これは《骨折に特化した超音波治療器》とされています。
実際に整形外科を受診して骨折の診断をされた後に、当院へオステオトロンⅤ(LIPUS)の使用する事を目的に来院される方も多くいます。
※骨折の後療に関しては医師の同意が必要です
※施術は医師の同意を得た上で行っています
そこで今回は、オステオトロンⅤ(LIPUS)の機器の説明や効果に関して紹介していきたいと思います。
↓↓オステオトロンⅤ(LIPUS)に関してはこちらも合わせてお読みください↓↓
オステオトロンⅤ(LIPUS)って何??どうして骨折に効くのか
オステオトロンⅤ(LIPUS)はどんな機器かというと、超音波治療器になります。
超音波治療器には大きく二つの効果があり、温熱効果と非温熱効果に分けられます。
オステオトロンⅤは非温熱効果を期待した治療器になります。
では非温熱効果には細かくどのような効果内容があるのかというと以下の通りです。
非温熱効果の臨床効果
- 炎症の軽減
- 疼痛の軽減
- 浮腫の軽減
- 軟部組織の治癒促進
- 創傷の治癒促進
- 褥瘡の治癒促進
- 骨癒合促進
などが主な効果として挙げられます。
オステオトロンⅤはこの中の《骨癒合促進》に特に効果の高い、超音波治療器になります。
超音波の照射はLIPUS(低出力パルス照射)といって、超音波振動を弱い出力で断続的に照射をする事で効果を発揮しています。
骨折が治癒していくには損傷部に対して小さなストレス(負荷など)を与えてあげる事で、安静にしているよりも早く強く治っていくという報告があります。
オステオトロンⅤのLIPUS(低出力パルス照射)は、骨折に対して小さなストレスを与えています。
オステオトロンⅤによるストレスがどれくらいが骨折に対して適しているのかを検証した結果、効果が高く出た設定になっているので骨癒合の促進を効果的に行ってくれます。
実際に骨折に対して毎日20分の照射で約40%の骨癒合期間の短縮が出来た報告もあります。
※効果には骨折の部位などによって個人差があると思います
それは凄い事です。
固定が基本の骨折に対して固定期間の短縮が行えるようになるので、予後が全然違ってきます。
固定期間が長くなると、筋が弱くなったり関節が動きにくくなったりデメリットが多いです。
それを防ぐためには早期からのリハビリが大切になってきますが、固定期間が短くなるとデメリットの解消を行いやすくなります。
オステオトロンⅤ(LIPUS)によって骨折が早く治癒していく事でのメリット
先ほども説明しましたが、骨折をして固定をしていくとデメリットが多くあります。
骨折の固定によるデメリット
- 筋の廃用性萎縮(細くなる)
- 筋の出力低下(力が入らなくなる)
- 筋の機能低下(筋の働きが悪くなる)
- 関節可動域低下(関節の動く範囲が減る)
- 運動時の疼痛(痛み)
などが挙げられます。
これらのデメリットは回復に向けての弊害になる事は想像しやすいと思います。
ではオステオトロンⅤを使用して骨癒合が早くなるとどうなるでしょうか??
上記で挙げたデメリットの症状を強く出さないうちにリハビリに移行していく事が出来ます。
これは大きなメリットです。
筋肉の廃用性萎縮・出力低下・機能低下や関節可動域低下に関しては、固定期間によって症状の強さが全然違います。
筋肉や関節は動かさない期間が長ければ長いほど弱くなり動かなくなっていきます。
その固定期間を短くして、運動やリハビリに早期から移行できるとなるとそれだけ回復も早くなっていきます。
日常生活に限らず、部活動など運動を行っている方に関しても同様の事がいえます。
スポーツはそれに適した筋肉が発達していきますが、骨折によって発達した筋肉にデメリットのような症状を起こす可能性が出てきます。
それを回復・改善させようとなると多くの時間を必要とします。
骨癒合が早く行われると、早期の運動やリハビリを行う事が出来てこれらの改善や回復も通常より早く行う事が出来ます。
またスポーツそれぞれで違うと思いますが、骨折によって競技から離れている時間が長ければ長いほど、競技に対するプレーをする上での競技勘(感覚や試合勘など)も悪くなってくると思います。
ここに関しても、早期の復帰に向けての運動やリハビリ開始によって、戻ってきやすいと思っています。
オステオトロンⅤ(LIPUS)を骨折に使用した一例
骨折に対してオステオトロンⅤを使用した一例を紹介します。
使用例情報と経過
野球をしている学生で、練習で繰り返しダッシュをしている途中で足関節を捻転し負傷
⇓
整形外科にて下腿骨(脛骨)遠位端部骨折の診断を受け、ギブス固定にて6週の運動禁止の指示を受ける
⇓
当院に来院された時点では、松葉杖で免荷(体重をかけない)の状態
⇓
毎日20分のLIPUS照射
⇓
2週間後、ギブス固定から着脱可能な固定具へ変更され荷重許可
⇓
その2週間後(来院4週間後)、固定具除去と少しづつの運動開始の許可
今回オステオトロンを使用した患者様は、6週間の運動禁止を指示されていたのが約2週間ほど早く運動開始になりました。
固定期間が短くなったために、競技復帰がスムーズに素早く出来ました。
まとめ
今回は【オステオトロンⅤ(LIPUS)は骨折に特化した超音波治療器!!骨癒合促進効果について】について紹介しました。
オステオトロンⅤ(LIPUS)は骨折に対してとても優れた超音波治療器だと思っています。
骨癒合を早く出来ることでデメリットの軽減が出来るので、日常生活にも部活動や運動にもスムーズに復帰をしやすくなります。
骨折でお悩みの方や、オステオトロンⅤなど機器に関しての質問など、お気軽にお問い合わせください。
杏鍼灸整骨院の妹川でした。
投稿者プロフィール
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柔道整復師
福岡柔道整復専門学校(現 福岡医療専門学校)卒業
陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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