こんにちは!
福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の陣内です。
今回は「投球時に肩が痛む大学生の鍼灸治療」をご紹介していきたいと思います。
春が近づいて様々なスポーツが本格的な大会シーズンに向かってきている感じがしてきています。
野球も冬季の鍛錬期からより実践に近い練習になってきています。
その中で多い野球選手の投球肩障害の鍼灸治療の一例をご紹介していきたいと思います。
鍼灸治療は知っているけど受けた事のない方は多いと思いますので何か参考になればと思います。
野球をしていて肩の痛みに苦しむ大学生
今回ご紹介します野球選手は大学生です。
外野手でボールを投げる時に肩の前面に痛みがあるという事で来院されました。
学生最後のシーズンになるので練習はなるべく参加をしたいとの希望もありました。
医療機関にも受診し画像診断では特に大きな問題はない事は診断されているそうです。
当院受診時に各種徒手検査を行い肩関節後面のタイトネス(いわゆる硬さ)が認められました。
前面に痛みがある場合でも後方に問題がある事は少なくありません。
この辺りを簡単にご説明いたします。
肩後方が悪い事で考えられること
肩後方にある組織は様々なものがあり
- 小円筋
- 棘上筋
- 棘下筋
- 大円筋
- 上腕三頭筋
- 肩関節関節包
などの組織があり神経は
- 腋窩神経
- 肩甲上神経
などがあります。
後方の筋肉が悪くなる事で神経が絞扼されて痛みが起こる事も考えられます。
肩の前方に向かい走行している神経は腋窩神経などが考えられます。
腋窩神経は上腕骨・小円筋・大円筋・上腕三頭筋外側頭でつくるクアドリラテラルスペース【Quadrilateral Space】という四角形のスペースを通過して体表に出てきます。
ですのでこれらの筋肉の硬さなどが出る事により神経を圧迫する事になります。
また肩関節後方組織の柔軟性が低下することで起こる事が次のような事があります。
肩関節後方にタイトネスや機能不全を起こす事により肩関節の上腕骨骨頭は前方に変位したり上方に変位したりするといわれます。
こうなることにより肩関節前面や上面に隙間の範囲が狭くなり運動する事によりぶつかってしまう事が考えられます。
この状態の事をインピンジメント症候群(ぶつかり症候群)といわれる状況になります。
このような状況になり肩関節前面に痛みが出ている事は野球の選手では少なくありません。
野球選手における肩関節障害の鍼灸治療
当院での鍼治療は鍼通電療法という鍼に電気を流す施術方法を行う事が多いです。
この場合行っているのは
- 小円筋
- 棘下筋
- 棘上筋
という筋肉に刺鍼し通電を行っています。
その中の小円筋という筋肉は一部線維が肩関節の後方関節包につながっていますので電気を通電し収縮させることにより関節包に伸張させるような刺激を行います。
さらに関節包はコラーゲン線維でできているので電気で収縮させたりストレッチなどで伸ばす事より温度を上昇させることにより伸張性が上昇する事が報告されています。
ですので当院では関節包などを狙って超音波などで照射する事によって温度上昇をさせていきます。
超音波の温熱効果についてまとめている記事はこちらになりますのでよければ参考にしてみてください。
このような施術をする事で肩関節の動きが改善されました。
まとめ
今回は投球時に肩が痛む大学生の鍼灸治療をご紹介していきました。
一回の施術で肩関節の可動域が改善し痛みは少なくなり症状は改善したといえますが、投球肩障害はこれだけでよくなるわけではなく投球動作時に肩関節の中で上腕骨骨頭が求心位に出来るかどうかが回復まで重要な要素になります。
ですので痛みがなくなった=治ったではないという認識が重要です。
また肩関節だけではなく他の関節の可動域やきちんと体をコントロールして動かせるかなど重要な事は沢山あります。
しっかり体を使えるようになって復帰をしていく、プレイしていくという事は大事な事だと思います。
最後までご覧くださりありがとうございました。
何かございましたらご気軽にご相談ください。
投稿者プロフィール
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院長 柔道整復師 鍼灸師
福岡医健専門学校卒業
株式会社セイリン様、株式会社伊藤超短波などでもセミナー活動をしており精力的に鍼灸をひろめようと活動もしております。
陸上競技、ソフトボール、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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