後脛骨筋腱炎について|福岡県筑紫野市杏鍼灸整骨院
スポーツなどをしていて足首の内側、内くるぶしの下側に痛みがある方に多いのが後脛骨筋腱炎です。
後脛骨筋腱炎は足首の内側を通っている「後脛骨筋腱」という腱に炎症や損傷が起きるけがです。
意外と痛みがいる方も多くおられ当院にもご来院いただきます。
この後脛骨筋腱炎をわかりやすくご説明していきます。
後脛骨筋とは

まず後脛骨筋とは、ふくらはぎの奥深くにある筋肉のことです。
この筋肉はすねの骨(脛骨)の後ろ側から始まっていて足首の内側を通って足の裏のいくつかの骨につながっています。
筋肉と骨をつなぐ部分が「腱」と呼ばれる丈夫な組織になっていてこれが後脛骨筋腱です。
この後脛骨筋と腱にはとても重要な役割があります。
足のアーチ(土踏まず)を支えて歩いたり走ったりするときに足が適切に動くように調整しているのです。
つま先立ちをするときや足を内側に向けるとき(内反といいます)にもこの筋肉が働いています。
後脛骨筋腱炎になるとこの腱に繰り返し負担がかかって少しずつ傷んできたり炎症を起こしたりします。
最近の研究によると実は完全な「炎症」というよりも腱の組織が変性していく「腱症」という状態であることが多いといわれています。
長く続くと腱が伸びてしまったり部分的に切れてしまったりすることもあるようです。
なぜこの後脛骨筋腱炎になるのでしょうか?

後脛骨筋腱炎の原因は一つだけではなくいくつかの要因が組み合わさって起こることが多いとされています。
使いすぎによる負担
最も多い原因の一つは腱の使いすぎだといわれています。ランニング、バスケットボール、サッカー、テニスなど、走ったりジャンプしたりするスポーツを続けている方に起こりやすいことが知られています。
特に急に運動量を増やしたり坂道や不整地でのランニングを多く行ったりすると後脛骨筋腱に過度な負担がかかることがあるようです。
足の形や構造の問題
もともと扁平足(偏平足)の方は、足のアーチが低いため、後脛骨筋腱に常に負担がかかりやすい状態にあるとされています。
また、足首が内側に過度に傾く「過回内(オーバープロネーション)」という状態の方も腱に負担がかかりやすいといわれています。
歩いたり走ったりするときに足が内側に傾きすぎると後脛骨筋腱が引き伸ばされてしまうのです。
年齢による変化
年齢を重ねると腱の組織は徐々に弾力性を失い傷つきやすくなることが知られています。
研究によると、40歳以上の方、特に女性に多くみられる傾向があるようです。
全身的な要因
肥満の方は体重による負担が大きいため後脛骨筋腱にかかる負荷も増えるとされています。
糖尿病をお持ちの方は血流が悪くなったり腱の治癒力が低下したりすることがあり腱の痛みになりやすい可能性があるといわれています。
高血圧やステロイド薬を長期間使用している方なども腱の病気のリスクが高まることがあるようです。
外傷
足首の捻挫などの外傷をきっかけに後脛骨筋腱が傷つくこともあります。
症状の進行段階について

後脛骨筋腱炎は徐々に進行していく痛みで研究では通常4つの段階に分けて考えられています。
ステージ1(初期段階)
この段階では、腱に炎症が起きていますが、腱の長さは正常で、足の形も変わっていません。
症状としては、足首の内側、特に内くるぶしの下あたりに痛みや腫れを感じることが多いようです。長時間歩いた後や、運動した後に痛みが強くなる傾向があります。
つま先立ちをすると痛みが出ることがありますが、まだつま先立ちは可能です。
朝起きて最初の一歩を踏み出すときに、特に痛みを感じる方もいらっしゃいます。
ステージ2(腱の伸長期)
この段階になると、腱が伸びてきて、その結果として足のアーチが徐々に下がり始めます。
痛みはステージ1よりも強くなることが多く、腫れも目立つようになるかもしれません。
つま先立ちが難しくなってきたり、片足でつま先立ちをすることができなくなったりすることがあります。
足を見ると、内側のアーチが低くなってきていることが分かることもあります。後ろから見ると、かかとの骨が外側に傾いてくるため、足の指が外側から多く見える「トゥー・メニー・トゥーズ・サイン」という特徴的な所見がみられることがあります。
ステージ3(固定された変形期)
この段階では、足の変形が進んで、関節が固くなってきます。足のアーチは明らかに低くなり、扁平足の状態が固定されてしまいます。
痛みは、足首の内側だけでなく、足の外側にも出てくることがあります。これは、足の変形によって、足の外側の骨同士がぶつかるようになるためだと考えられています。
歩き方も変わってきて、正常な歩行が難しくなることがあります。
ステージ4(足首の関節炎を伴う段階)
最も進行した段階で足首の関節にも変形性関節症が起きている状態です。
痛みは足首全体に及び立っているだけでも痛みを感じることがあります。足の変形も顕著で、日常生活にかなりの支障をきたすことが多いとされています。変形を伴った「後脛骨筋機能不全(PTTD)」という状態ともいえます。
診療の方法について

後脛骨筋腱炎の診療はいくつかの方法を組み合わせて行われます。
問診(お話を聞くこと)
まず詳しくお話を聞きます。いつから痛みが始まったのか、どんなときに痛むのか、どんな運動や活動をしているのか、過去に足首の怪我をしたことがあるかなど、様々なことを確認します。
身体診察
足を直接診察して、いくつかの検査を行います。
まず足首の内側を押して、痛みや腫れがあるか確認します。後脛骨筋腱に沿って押していくと、痛みを感じる場所が分かることがあります。
つま先立ちのテストでは両足でつま先立ちができるか片足でつま先立ちができるかを確認します。
後脛骨筋腱に問題があると特に片足でのつま先立ちが難しくなることが知られています。
足の形も詳しく観察します。
後ろから足を見てかかとの骨が外側に傾いていないか「トゥー・メニー・トゥーズ・サイン」がないかなどを確認します。これは、後ろから見たときに、通常よりも多くの足指が見える状態のことです。
足のアーチの高さや、足首の動きの範囲なども調べます。
治療法について
施術法は、症状の段階や重症度によって変わってきます。
基本的には、まず保存療法(手術をしない治療)から始めることが多いです。
保存療法
安静と活動の調整
痛みを引き起こす活動を控えることが、治療の第一歩です。
スポーツをしている方は一時的に休むことが推奨されることがあります。
ただし、完全に動かなくなるのではなく痛みが出ない範囲での軽い活動は続けてもよいとされています。
たとえば、ランニングの代わりに水泳や自転車に変えるなど足への負担が少ない運動に切り替えることも一つの方法です。
装具療法
足のアーチを支えて後脛骨筋腱への負担を減らすために様々な装具が使われます。
足首装具(アンクルブレース)は、足首を安定させて過度な動きを制限するものです。
軽症から中等症の方に使われることがあります。
オーダーメイドのインソール(足底板)は、個人の足の形に合わせて作られ、足のアーチを適切に支えます。
研究によると適切なインソールを使用することで、症状が改善する方が多いとされています。
症状が重い場合は、短期間、ギプスや歩行用ブーツで足を固定することもあります。
これによって、腱を完全に休ませることができます。
薬物療法
痛みや炎症を抑えるために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)という種類の薬が使われることがあります。イブプロフェンやロキソプロフェンなどがこれにあたります。
ただし長期間の使用は胃腸障害などの副作用のリスクがありますので医師の指示に従って使用することが大切です。
リハビリテーション
指導のもとで行うリハビリテーションは、とても重要だとされています。
ストレッチ運動ではふくらはぎの筋肉やアキレス腱を柔軟にすることで後脛骨筋腱への負担を減らすことができるといわれています。
筋力強化運動では後脛骨筋だけでなく足首周りの他の筋肉も鍛えていきます。
タオルを足の指でたぐり寄せる運動や、リハビリ用バンドを使った運動などが行われることがあります。
バランス訓練も大切で片足立ちやバランスボードを使った訓練などが行われることがあります。
手術療法(医師のもとで)
保存療法を十分に行っても改善しない場合や腱の損傷が重度の場合足の変形が進んでいる場合などには手術が検討されることがあります。
腱滑膜切除術
初期の段階で腱の周りの炎症組織(滑膜)を取り除く手術です。比較的侵襲の小さい手術とされています。
腱移行術
後脛骨筋腱の損傷が進んでいる場合近くにある別の腱(長趾屈筋腱など)を移植して後脛骨筋腱の機能を補う手術が行われることがあります。研究によると、この手術によって多くの方が症状の改善を得られているようです。
骨切り術
足の骨の位置や形を変えることでアーチを回復させたり足の並びを整えたりする手術です。かかとの骨を切って位置を調整する「踵骨内方移動骨切り術」などがあります。
関節固定術
症状が最も進んだ段階では足の関節を固定する手術が行われることもあります。これによって、痛みは改善することが多いのですが、足首の動きは制限されます。
手術後は、通常リハビリテーションが必要になります。回復には数ヶ月かかることも珍しくないとされています。
日常生活での注意点と予防法

後脛骨筋腱炎を予防したり症状の悪化を防いだりするために日常生活で気をつけられることがいくつかあります。
適切な靴の選び方
靴選びはとても重要です。以下のような靴を選ぶとよいでしょう。
- アーチサポートがしっかりしている靴
- かかと部分が安定していて、ぐらつかない靴
- つま先部分に適度な余裕がある靴
- 足の幅に合っている靴
避けたほうがよい靴としてはヒールの高い靴、底が完全に平らな靴(バレエシューズなど)、サポート力のないサンダル、古くなって底がすり減った靴などが挙げられます。
体重管理
体重が増えると、足にかかる負担も大きくなります。
研究によると、肥満は後脛骨筋腱炎の重要な危険因子の一つだとされています。適正体重を保つことが、予防や症状の改善に役立つ可能性があります。
運動時の注意
運動を始めるときは急に激しい運動をするのではなく徐々に強度や時間を増やしていくことが大切です。
運動前には、ウォーミングアップとストレッチを十分に行いましょう。特にふくらはぎやアキレス腱のストレッチは重要だとされています。
運動後のクールダウンとストレッチも忘れずに行うとよいでしょう。
硬い路面でのランニングが続くと、足への衝撃が大きくなります。時々、柔らかい路面を選んだり、トレッドミルを使ったりするのもよいかもしれません。
全身の健康管理
糖尿病や高血圧などの持病がある方はそれらをしっかりコントロールすることが大切です。これらの病気が良好にコントロールされていないと、腱の健康にも影響する可能性があるといわれています。
早期の対応
足に違和感や軽い痛みを感じたら、我慢せずに早めに対処することが大切です。初期の段階で適切に対応すれば、症状の進行を防げる可能性が高いとされています。
「少し痛いけど、そのうち治るだろう」と放置してしまうと、症状が進行してしまうことがあります。
予後(経過)について

後脛骨筋腱炎の予後は早期に診断されて適切な治療を受けられるかどうかによって大きく変わるとされています。
初期の段階(ステージ1や2)で治療を始めた場合保存療法で症状が改善する方が多いといわれています。
ただし改善までには数ヶ月かかることも珍しくありません。
症状が進んでしまった場合(ステージ3や4)は、保存療法だけでは改善が難しく、手術が必要になることが多いようです。しか、適切な手術を受けることで多くの方が痛みの軽減や機能の改善を得られているとされています。
治療後も、再発を防ぐために、適切な靴の使用や、体重管理、定期的なストレッチなどを続けることが推奨されています。
似たような症状を起こす他の病気
足首の内側の痛みは後脛骨筋腱炎以外の病気でも起こることがあります。
私たちは他の可能性も考えて検査を進めます。
たとえば足根管症候群という神経が圧迫される病気でも似たような場所に痛みが出ることがあります。
ただしこの場合は痛みだけでなくしびれや感覚の異常を伴うことが多いとされています。
足首の関節炎特に関節リウマチなどでも足首の内側に痛みや腫れが出ることがあります。
骨折や骨の疲労骨折も同じような場所に痛みを引き起こすことがあります。
Q&A

Q1: 後脛骨筋腱炎は自然に治りますか?
A: 初期の段階であれば適切に休養をとり足への負担を減らすことで症状が改善する可能性はあるといわれています。
しかし完全に「自然に」というよりは生活習慣の改善や適切なケアが必要になることが多いようです。
症状が出ているのにそのまま活動を続けてしまうと腱の損傷が進んでより治りにくくなってしまう可能性があります。研究によると早期に適切な対応をした方のほうが予後が良好だとされています。
軽い痛みだと思っても数週間続くようであれば医療機関を受診されることをおすすめします。
Q2: どれくらいの期間で治りますか?
A: 回復にかかる時間は、症状の重さや個人差によって大きく異なります。
初期の段階で腱の損傷がまだ軽い場合は2〜3週間程度の保存療法で改善する方もいらっしゃるようです。
中等度の症状の場合は、3〜6ヶ月程度かかることが多いとされています。
装具を使用したりリハビリを続けたりしながら徐々に改善を目指していきます。
症状が進んでいて手術が必要になった場合は手術後のリハビリテーションも含めて、6ヶ月から1年程度かかることもあるようです。
大切なのは、焦らずに治療を続けることです。
途中で治療をやめてしまったり痛みが少し良くなったからといって急に活動量を増やしたりすると再び悪化してしまうことがあります。
Q3: 運動は続けてもいいですか?
A: これは症状の程度によって変わってきます。
痛みが強い急性期には痛みを引き起こす運動は控えることが推奨されることが多いです。
特にランニングやジャンプを伴う運動はしばらく休んだほうがよいかもしれません。
ただし、完全に運動をやめる必要はなく、足への負担が少ない運動に切り替えることが勧められることもあります。
たとえば、水泳や水中ウォーキング、自転車こぎなどは足への衝撃が少ないため多くの場合続けられるとされています。
症状が落ち着いてきたら指導のもとで、徐々に運動を再開していきます。
このとき、いきなり元の運動量に戻すのではなく、少しずつ強度や時間を増やしていくことが大切です。
アスリートの方の場合は専門家と相談しながら競技復帰のプログラムを組んでいくことが推奨されています。
Q4: インソールはずっと使い続ける必要がありますか?
A: これは人によって異なります。
一時的な腱の炎症が原因で足の構造自体には問題がない場合は症状が改善すればインソールを使わなくてよくなる方もいらっしゃいます。
一方でもともと扁平足であったり足の構造的な問題がある場合は長期的、場合によっては継続的にインソールを使用したほうが症状の再発を防げる可能性があるといわれています。
またスポーツをするときだけインソールを使用するという方法もあります。
Q5: 手術をすれば完全に治りますか?
A: 手術によって症状が大きく改善する方は多いといわれていますが、「完全に元通り」になるとは限りません。
ここは担当の医師に相談するのがいいと思います。
Q6: 両足同時になることはありますか?
A: 片方の足だけに症状が出ることが多いようですが両足に症状が出る方もいらっしゃいます。
研究によると両側性(両足)の後脛骨筋腱炎は全体の約20〜30%程度で見られるとされています。
両足に症状が出る理由としてはもともと両足とも扁平足であったり過回内の傾向があったりして両方の腱に負担がかかりやすい場合が考えられます。
また片方の足に症状が出てその足をかばうためにもう片方の足に過度な負担がかかり結果として両方に症状が出てくることもあるようです。
肥満や糖尿病など全身的な要因がある場合も両足に症状が出やすくなる可能性があるといわれています。
片方だけに症状がある場合でも予防的に両足のケアを行うことは有効かもしれません。
Q7: 予防するにはどうすればいいですか?
A: 予防のためにできることはいくつかあります。
靴選び 適切な靴を選ぶことは最も基本的で重要な予防法の一つです。
アーチサポートがしっかりしていてかかとが安定している靴を選びましょう。
古くなった靴はサポート力が低下していますので定期的に新しいものに替えることも大切です。
体重管理、適正体重を維持することで足への負担を減らすことができます。研究論文では、体重が1kg増えると歩行時に足にかかる負担は約3〜5kg増えるともいわれています。
運動前後のケア 運動前には十分なウォーミングアップとストレッチを行い運動後もクールダウンとストレッチを忘れずに行いましょう。
特にふくらはぎやアキレス腱のストレッチは重要です。
適切なトレーニングプログラムが重要で運動量を急激に増やさず徐々に増やしていくことが大切です。
「10%ルール」といって、1週間あたりの運動量の増加を10%以内に抑えるという考え方もあります。
筋力強化も大事です。足首周りの筋肉、特に後脛骨筋を含めた筋肉を適度に鍛えることで腱への負担を分散できる可能性があります。
早期発見が最も大事です。足に違和感を感じたら、早めに対処することが大切です。
「ちょっと痛いけど大丈夫」と我慢せず早めに休養をとったり、医療機関を受診したりすることで症状の進行を防げる可能性が高まります。
Q8: 冷やすのと温めるのはどちらがいいですか?
A: 状態によって適切な方法は変わってきます。
急性期(痛みや腫れが強いとき) この時期は炎症を抑えるために冷やすことが推奨されることが多いです。
氷をタオルで包んで15〜20分程度冷やします。
一日に数回行うとよいでしょう。冷やしすぎには注意が必要で、凍傷を防ぐために必ずタオルなどで包んで使用してください。
慢性期(痛みが続いているが腫れが少ないとき) この時期は温めることが効果的な場合もあるとされています。
温めることで血流が良くなり、組織の修復が促進される可能性があります。ただし、温めた後に痛みや腫れが増すようであれば、温めるのを控えたほうがよいかもしれません。
一般的な原則は腫れや熱感があるときは冷やす、慢性的な凝りや痛みには温める、という原則がありますが、個人差もありますので是非ご相談ください。
また運動後のアイシングは、予防的に行うことも一つの方法だとされています。
Q9: リハビリテーションはどのようなことをするのですか?
A: リハビリテーションでは段階的にいくつかのアプローチが行われます。
初期段階はまず、痛みや炎症を管理することが中心になります。
適切な休養、アイシング、装具の使用などが行われます。
この時期から痛みが出ない範囲でのストレッチを始めることもあります。
特にふくらはぎやアキレス腱の柔軟性を保つことは重要だとされています。
中期段階では痛みが落ち着いてきたら筋力強化を始めていきます。
最初はタオルを足の指でたぐり寄せる運動やセラピーバンドを使った軽い抵抗運動から始めます。
徐々につま先立ちの練習なども取り入れていきます。
最初は両足で、慣れてきたら片足で行うこともあります。
後期段階 機能的な動作の訓練に進みます。
バランストレーニング、方向転換の練習、階段の昇降練習などが含まれることがあります。
スポーツをされている方の場合は徐々に競技特有の動作を取り入れたトレーニングも行われます。
注意点としてはリハビリテーションは、個人の症状や回復の程度に合わせて調整されます。痛みを我慢して行うものではなく痛みが出ない範囲で行うことが大切です。
また一度良くなっても再発を防ぐために長期的にストレッチや軽い筋力トレーニングを続けることが推奨されています。
Q10: 糖尿病があると、なぜこの病気になりやすいのですか?
A: 糖尿病があるといくつかの理由で後脛骨筋腱炎になりやすくなる可能性があるといわれています。
まず糖尿病では血糖値が高い状態が続くと血管が傷つきやすくなります。
その結果、腱への血流が悪くなり腱の栄養状態が低下したり損傷した腱の修復が遅れたりすることがあるようです。
また高血糖の状態で、腱を構成するコラーゲンという成分が変性しやすくなることも知られています。
これによって腱が硬くなったりもろくなったりして傷つきやすくなる可能性があります。
さらに糖尿病の合併症として末梢神経障害が起こると足の感覚が鈍くなることがあります。
その結果、足に異常があっても気づきにくくなり、対処が遅れてしまうことがあります。
糖尿病をお持ちの方は血糖コントロールをしっかり行うこと定期的に足の状態をチェックすること適切な靴を選ぶことなどがより一層重要になるといえます。
Q11: 扁平足だと必ず後脛骨筋腱炎になりますか?
A: 扁平足の方すべてが後脛骨筋腱炎になるわけではありません。
扁平足があると後脛骨筋腱に負担がかかりやすい構造になっているのは確かですがそれだけで必ず発症するわけではないのです。
多くの扁平足の方は特に症状なく生活されています。
問題になるのは、扁平足に加えて、過度な運動、肥満、加齢などの他の要因が重なったときだといわれています。
ただし扁平足の方は予防的なケアを行うことが推奨されることがあります。
たとえばアーチサポートのある靴やインソールを使用すること後脛骨筋を含めた足の筋肉を鍛えることなどです。
逆にもともと扁平足でない方でも後脛骨筋腱炎が進行すると、腱が伸びてアーチが下がり、扁平足のような状態になってくることもあります。
Q12: 子どもでもこの病気になりますか?
A: 後脛骨筋腱炎は主に成人、特に40歳以上の方に多く見られる病気ですがまれに若い方や子どもにも起こることがあります。
子どもや若い方の場合スポーツによる使いすぎが原因となることが多いようです。
特に、ランニングやジャンプを多く行うスポーツをしている場合に起こることがあります。
また子どもの場合、成長期に一時的に扁平足のようになる時期がありますが、これは多くの場合、成長とともに改善していきます。
しかし、痛みを伴う場合や、成長しても改善しない場合は医療機関を受診されることをおすすめします。
子どもが足の痛みを訴える場合後脛骨筋腱炎以外にも成長痛や他の病気の可能性もありますので適切な診断を受けることが大切です。
Q13: 妊娠中にこの病気になることはありますか?
A: はい、妊娠中に後脛骨筋腱炎になる方もいらっしゃいます。
妊娠中は、いくつかの理由で足への負担が増えます。
まず体重が増加することで足にかかる負荷が大きくなります。
また、妊娠中は「リラキシン」というホルモンが分泌されこのホルモンは靭帯や腱を柔らかくする作用があります。これは出産のために必要なことなのですが、その結果足のアーチを支える構造が緩くなり、扁平足のようになることがあります。
さらにお腹が大きくなることで体の重心が前方に移動し歩き方や姿勢が変わることも足への負担を増やす要因になります。
妊娠中の治療、胎児への影響を考慮して慎重に選択されます。
多くの場合、装具やインソールの使用、適切な靴選び、休養などの保存療法が中心になります。痛み止めの薬を使う場合も、妊娠中に安全とされているものが選ばれます。
Q14: 再発することはありますか?
A: 残念ながら、後脛骨筋腱炎は再発する可能性がある痛みです。
研究論文によると一度治療して症状が改善しても同じような負担がかかる活動を続けたり、予防的なケアを怠ったりすると再び症状が出てくることがあるとされています。
再発を防ぐためには、以下のようなことが大切だといわれています。
治療が終わった後も、定期的にストレッチや軽い筋力トレーニングを続けることです。特にふくらはぎのストレッチは重要とされています。
適切な靴を履き続けることも大切です。
症状が良くなったからといって、サポート力のない靴に戻してしまうと、再発のリスクが高まります。
体重管理を続けることも重要です。
スポーツを再開する場合は、急に元の強度に戻すのではなく、徐々に増やしていくことが推奨されています。
定期的に足の状態をチェックして、違和感を感じたら早めに対処することも、再発を防ぐポイントです。
Q15: 他の腱の病気との違いは何ですか?
A: 足首周辺には後脛骨筋腱以外にもいくつかの重要な腱があります。
アキレス腱炎はかかとの後ろ側にあるアキレス腱に起こる炎症で、かかとの後ろ側に痛みが出ます。後脛骨筋腱炎は足首の内側に痛みが出るので痛みの場所で区別できることが多いです。
腓骨筋腱炎は、足首の外側に痛みが出る病気で、これも痛みの場所が異なります。
ただし、これらの腱の病気は似たような原因(使いすぎ、不適切な靴、足の構造の問題など)で起こることがあり治療の原則も似ている部分があります。
また、複数の腱に同時に問題が起こることもありますので正確な診断が重要になります。
まとめ
この記事では後脛骨筋腱炎についてご紹介していきました。後脛骨筋腱炎はスポーツ障害だけではなく意外と年齢層が幅広く起きる怪我です。
足首の内側の痛みの方はひょっとしたらこの後脛骨筋腱炎かもしれません。記事中にも書きましたが大事なのは早期発見、早期治療です。
痛みでお困りの時はご気軽にご相談ください。
最後までご覧くださりありがとうございました!
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