膝関節に大切な内側広筋!運動×電気療法で機能改善

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こんにちは!!

福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川です。

今回は膝関節に大切な内側広筋!運動×電気療法で機能改善について紹介します。

今回紹介している患者様はバレーボールをしている高校生です。

アタッカーをしていますが、ジャンプ動作時に膝が痛むと来院されました。

以前に整形外科医にも受診されていてジャンパーズニー(膝蓋靭帯炎)の診断を受けております。

今回はこの患者様を例に紹介をしていきたいと思います。

目次

膝関節には内側広筋が大切!!完全伸展の重要性

テレビなどでも『膝関節には前ももの筋肉が大切ですよ!』などよく聞くと思います。

前ももの筋肉の大部分を占めているのが大腿四頭筋といって、大腿四頭筋は4つの筋肉が一つになって大きな筋肉となっています。

大腿四頭筋は大腿直筋・中間広筋・内側広筋・外側広筋がそれぞれ違う場所から始まって、集まりながら一つにまとまって膝関節の下方に付着していきます。

これらの筋肉の働きは、膝関節の伸展・股関節の屈曲(大腿直筋)があります。

主には上記のような働きをしますが、内側広筋にはもう一つ大切な役割があります。

それは《膝関節の完全伸展》に大きく関わっている事です。

他の筋肉に比べると内側広筋だけが、動作時に筋肉が働き出すのが遅いのが特徴です。

これは内側広筋の筋肉の線維の方向によるのですが、他の筋肉に比べて斜めに筋肉が走っているために筋の収縮が強く起こるのが膝関節を完全伸展した時になります。

逆に、内側広筋が働いていないと膝関節の完全伸展が行いにくくなります。

膝関節の完全伸展をするというのは膝関節にとってはとても大切な事です。

膝関節の周りには靭帯が多くあり、膝関節が安定するように働いています。

これら靭帯の働きが一番強くなるのが膝関節の完全伸展をした時です。

結果、内側広筋の働きが弱くて膝関節の完全伸展が上手く出来ないと靭帯の支えも弱くなり不安定になります。

内側広筋は機能不全を起こしている事も多く、それにより膝蓋骨の動きが悪くなる事も多いです。

膝関節の痛みがある場合など、内側広筋の働きが悪く外側広筋に引っ張られて膝蓋骨の動きがスムーズではなくなります。

また、大腿四頭筋の筋収縮が起きた時に、内側広筋の機能不全により外側広筋の方が牽引が強くなり膝蓋骨が外方に変位しやすくなります。

これらの理由により内側広筋の働きが悪くなると、膝関節への影響を起こしやすくなります。

ちなみに今回紹介している患者様は、内側広筋の機能不全により膝蓋骨の外方変位が診られていました。

外方変位が起きる事によって、膝蓋骨から下方にある膝蓋靭帯に負担を掛けやすくなります。

今回、膝の痛みが強く出ていたのは、この事も理由の一つだと考えています。

内側広筋の機能不全に対して行った運動|パテラセッテイング

今回行った運動はパテラセッテイングといいます。

パテラとは膝蓋骨の事です。

名前の通り、大腿四頭筋の収縮を正しく出して膝蓋骨をしっかりと正しい位置に動かすための運動です。

パテラセッテイング

  1. 床に脚を伸ばして座り、後ろに手を着く
  2. 膝の下にクッションを置く(タオル等を丸めた物でも可)
  3. クッションを潰すように膝を伸ばしていく
  4. 5秒~10秒ほど潰して力を抜く
  5. この時に足とお尻を床から離れないようにする
  6. 繰り返す

これを行う事で、大腿四頭筋の収縮を正しく行えるようになり、膝蓋骨の動きも改善されやすくなります。

結果、内側広筋の低下がみられていた状態も改善しやすくなります。

膝関節周りの急性外傷や軟部組織損傷(靭帯や半月板)や変形性膝関節症などには特に内側広筋に機能低下が診られるので、そのような場合にはこの運動は最適です。

内側広筋の運動と一緒に行ったEMSとLIPUS

今回の患者様はパテラセッティングの運動と一緒にEMSLIPUSを行っています。

EMSとはNMESともいって正式には神経筋電気刺激といいます。

筋肉や神経に対して電気刺激を与える事によって、不随的に筋収縮を起こさせるというものです。

それにより、筋力低下に対する運動筋機能低下に対して促通や再教育を行う事が出来ます。

LIPUSとは低出力パルス超音波といって、当院で使用している機器はオステオトロンⅤです。

弱く間欠的な超音波振動を当てる事で、超音波の非温熱効果を狙った治療器になります。

これを照射する事により、軟部組織の治癒促進炎症の軽減浮腫の軽減骨折に対する骨癒合促進などの効果が期待できます。

EMSを内側広筋に行う事によって、筋の促通・再教育を目的に行っています。

これにより、内側広筋に働きが改善され膝蓋骨の外方変位を起こしにくくなり膝蓋靭帯への負担の軽減が期待できます。

また、LIPUSは膝蓋靭帯に照射して、炎症の軽減・軟部組織の治癒促進を目的に行っています。

まとめ

今回は【膝関節に大切な内側広筋!運動×電気療法で機能改善】について紹介しました。

膝関節にとって大腿四頭筋はとても大切です。

その中でも内側広筋は、より大切な筋肉です。

『前ももを鍛えているよ!』という方も内側広筋に注目をしてもらうと、今までよりも効果が上がるかもしれませんね。

また、施術に関しても色々な方法があると思いますが、それぞれに目的を持って行う事で効果はより高くなっていくと思っています。

運動も施術も行い方ひとつで効果は変わると考えています。

杏鍼灸整骨院の妹川でした。

投稿者プロフィール

妹川 和志
妹川 和志柔道整復師
柔道整復師

福岡柔道整復専門学校(現 福岡医療専門学校)卒業

陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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