こんにちは!!
福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川(いもかわ)です。
今回は【足関節捻挫後に行う足趾の運動|足趾はその他の怪我にも関わりやすい】に関して紹介していきます。
皆さん足関節捻挫の経験はありますか??
また結構強い捻挫をした後に痛みが無くなった後に足関節が動きにくい経験はないですか??
これは足関節捻挫によって筋肉が働かなくなっているためです。
そこで今回は足関節捻挫に関して基礎知識と、足趾が動かない原因と、これらによって起こる事を少し紹介していきたいと思います。
足関節捻挫で起こりやすい靭帯損傷は??その種類に関して
足関節捻挫はよく聞く怪我だと思います。
実際、捻挫の中では一番発生頻度が多いのが足関節捻挫です。
しかし、足関関節捻挫と言っても捻る方向などによって損傷する場所が違ってくるので、そこに関して知っていきましょう。
足関節捻挫は大きく分けて内側靭帯損傷(外返し捻挫)・外側靭帯損傷(内返し捻挫)・その他の靭帯損傷に分けられていきます。
《内側靭帯損傷》
外返し捻挫を起した時に起きやすい
三角靭帯(前脛距靭帯・後脛距靭帯・脛舟靭帯・脛踵靭帯)の損傷を起こす
《外側靭帯損傷》
内返し捻挫を起した時に起きやすい
前距腓靭帯・後距腓靭帯・踵腓靭帯の損傷を起こしやすい
内返し捻挫による外側靭帯損傷は一番起こしやすいく、その中でも前距腓靭帯を損傷する事が一番多い
《その他の靭帯損傷》
前足部の捻挫(ショパール関節・リスフラン関節)や下腿の関節(遠位脛腓関節)などを起こした時に損傷をおこしやすい
二分靭帯・遠位脛腓靭帯などの損傷を起こす事が多い
以上が捻挫の方向と靭帯損傷を起こしやすい部位になります。
また捻挫の程度や捻る方向によっては骨折も同時に損傷している場合があるので、そこは『捻挫だから!!』と簡単に考えないように気を付けましょうね。
足関節捻挫後に足趾が動かなくなるのはなぜ??
足関節捻挫を起した後に足関節の動きが固く感じたり、力が入りにくく感じたりする事は沢山の人が経験があると思います。
ではなぜこのような事が起きるのでしょうか??
人の身体には怪我をした時に起きる事があります。
それは《筋萎縮》です。
《委縮》
しぼんで縮むこと・元気がなくなること
《筋委縮》
筋肉が痩せること
委縮の意味は上記のような状態になる事ですが、これが筋肉に起きてきた場合を《筋委縮》といいます。
これは怪我をした直後から必ず起きてくるもので、防ぐのは難しいです。
筋委縮が起きた場合、筋肉は痩せて細くなっていきます。
細くなっているという事は筋力が低下していっている状態にもなり、筋収縮や筋出力や筋機能も低下していきます。
これらは足関節捻挫に限らず、他の場合も急性の怪我をした直後から起こり始め、受傷した筋肉や靭帯以外にも、その周辺にある筋肉にも筋委縮を起こし弱く働きにくい状態になっていってしまいます。
筋萎縮は必ず起きてくるのですが、症状が強くなってしまうと結構厄介なのでどれだけ症状を少なく済ませるかが重要になってきますし、どれだけ改善をしていけるかが状態を良くしていくカギになると思います。
また、足関節捻挫や大きな怪我をした時には固定をしたり安静にしたりする事が多いと思いますが、これも動きを硬くしたり動きにくい感じを作ってしまう要因になります。
怪我をした時は固定と安静は損傷初期には必要な事ですが、その期間がとても重要になってきます。
期間が必要以上に長くなってしまうと筋委縮は進行しやすくなります。
それに加えて使わない動かさない事で起こる廃用性萎縮も引き起こされる事や、損傷部位の周りの筋肉や腱や関節包などの伸びにくさが強くなったり、脂肪体が硬く動きにくくなっていきます。
これらの理由により余計に動きにくさなどの症状を起こしやすくなります。
足趾が動かない事によって引き起こされやすい他の症状
筋萎縮によって損傷部位周りの筋肉は働きが悪くなっていきます。
これらの影響を受けやすい一つが足底の筋肉です。
足底には足関節や足趾を動かすための筋肉がふくらはぎから足首を通って足底に向かっていきます。
また、足底の筋肉も足底を支える役割や足趾を曲げる役割が強くあります。
これらが筋委縮によって弱くなった働きにくくなってしまうために様々な影響が出てきます。
ふくらはぎや足首周りや足底の筋委縮によって起きてくる症状は、足関節にとってはあまりよくありません。
①可動域制限
足関節周りの筋力低下や伸張性低下により足関節の動く範囲が低下します。
本来動く範囲より減るので足関節の硬さや違和感は強くでやすくなります。
②底屈制限
足関節を下げる事を底屈というのですが、これがふくらはぎの筋肉が低下する事で上手く出来なくなってしまいます。
カーフ・レイズというつま先立ちをするトレーニングが上手く出来なくなるのですが、これによって足関節の動きの制限やかかる負荷が増えやすくなっていきます。
③扁平足・回内足・開張足など
足底周りでよく起きやすい状態なのですが、これらも足関節捻挫の筋委縮によって起きやすくなってきます。
それぞれが単独で起きる事もあれば複合的に起きる事もあるのですが、これらが起きる事で足底の支えが弱くなり負担が増えやすくなりますし足関節捻挫以外の足関節周りの怪我を起こしやすくなります。
これらの他にも起きてくることは沢山あるのですが、筋委縮などによって起きた上記のような症状をしっかりと怪我をする前と同じ状態に戻していく事がとても大切になってきます。
それが出来るかどうかによって日常生活に違和感なく戻る事が出来ますし、スポーツであれば復帰がスムーズに行いやすくなっていきます。
足趾を動かしていくために行ってほしい運動の一例
筋委縮によって足関節や足底に起きてくることを説明してきました。
筋委縮の症状を少なくするためや起きた症状の改善を行っくためには、早期からの運動が大切だと思っています。
また怪我をしていなくても足底や足趾を自分の思い通りに出来ない方も多くいるので、しっかり自分の思い通りに動かせるようになる意味でも怪我をしていない人にもぜひ行ってほしい運動です。
《運動の行い方》
①足底をしっかりと地面に着ける
⇓
②足趾を全部上に上げる(背屈)
この時にウインドラス機構により足底アーチが持ち上がる
⇓
③足趾を上げたまま足底が持ち上がって力が入った状態を維持しながら、母趾だけを地面に着ける
⇓
④続けて足底に力が入った状態を維持しながら外側(小趾側)から順に地面に着けていく
⇓
⑤足趾が全部ついて足底が持ち上がるように力が入っているのを確認して数秒キープする
⇓
⑥足全体の力を抜いて①からまた始める
運動自体は簡単ですが、なかなか簡単に出来ない人も多いと思います。
それだけ自分の意志で上手く動かせなくなっている状態になっているという事です。
また筋肉が攣りそうになっている人も同様に普段使えていないから攣りそうになっている事も考えられます。
続けて練習をすると少しずつ出来るようになってくるので根気よく続けましょうね。
まとめ
今回は【足関節捻挫後に行う足趾の運動|足趾はその他の怪我にも関わりやすい】に関して紹介しました。
足関節捻挫は起きやすい怪我なので軽視されやすいです。
しかし足関節捻挫一つに様々な事が絡んでいて、痛みが無くなった後にも予後が良くないケースも沢山あります。
それらの要因には捻挫で損傷した靭帯だけでなく、他にも様々な事が絡んでいる事が沢山あります。
これら要因となる事を一つひとつを解消していく事がとても大切になります。
その手段の一つが運動です。
怪我の経過を良くしていくためには運動は大切な事なのでぜひ行ってくださいね。
怪我に関してや運動に関しての疑問がありましたら気軽にお尋ねください。
杏鍼灸整骨院の妹川でした。
投稿者プロフィール
-
柔道整復師
福岡柔道整復専門学校(現 福岡医療専門学校)卒業
陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
最新の投稿
- 施術例2024年10月31日足関節捻挫後に行う足趾の運動|足趾はその他の怪我にも関わりやすい
- 施術例2024年10月23日超音波治療器はストレッチと一緒に行うと効果的!!大腿四頭筋を例に解説
- 施術例2024年10月16日ハムストリングスの機能改善に行ったEMS(NMES)|リハビリがとても重要
- 施術例2024年10月4日上腕三頭筋の停止部に対して行った超音波治療器|運動と行う動きの改善