ハムストリングスの腱部痛|超音波治療器で温度上昇させて症状改善

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こんにちは!!

福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川(いもかわ)です。

今回は【ハムストリングスの腱部痛|超音波治療器で温度上昇させて症状改善】に関して紹介していきます。

当院には陸上競技をしている方が多く来院されます。

また陸上競技にとってハムストリングスは怪我をする可能性が高い場所で、肉離れから筋膜炎や強い張り感など様々な症状を訴えて来院されます。

その中でもハムストリングスの痛みと一緒に腱部の痛みを訴える事が多くあります。

ハムストリングスと腱部は一続きになっている関係なのでどちらも一緒に対処をしていかなければなりません。

そこで今回はハムストリングスの知識と超音波治療器の温度上昇がなぜ有効なのかに関して紹介していきます。

目次

ハムストリングスの解剖|筋肉の場所をイメージしよう

ハムストリングスとはよく聞きますが場所やどの筋肉を指しているかよく分からない方も多いと思います。

そこでまずはハムストリングスに関して知っていきましょう。

余談ですが、ハムストリングスのハムは食べるハムと同じです。

食べるハムの由来は豚や鳥の太ももという意味で、そこのお肉の事を指してハムと呼んでいます。

人間のハムストリングスも大腿部(後面)の筋肉の事を指すので、食べるハムから由来しています。

話しは逸れましたが本題に戻っていきましょう。

ハムストリングスとは大腿後面の筋肉の総称になります。

実際には筋肉は3つに分かれていて《大腿二頭筋》《半腱様筋》《半膜様筋》の筋肉をまとめてハムストリングスとよんでいます。

《大腿二頭筋》
起始:坐骨結節(長頭)・大腿骨粗線外側唇(短頭)
停止:腓骨頭
作用:股関節伸展(長頭)・膝関節屈曲・下腿外旋

《半腱様筋》
起始:坐骨結節
停止:脛骨粗面内側部
作用:股関節伸展・膝関節屈曲・下腿内旋

《半膜様筋》
起始:坐骨結節
停止:脛骨内側顆の後面
作用:股関節伸展・膝関節屈曲・下腿内旋

筋肉の場所のイメージをしてください。

患者様自身でどこを痛めているかを知る事も大切だと思っています。

ちなみに今回紹介している腱部というのは筋肉の起始・停止部になります。

筋肉は骨に付着していますが、付着する部分では必ず腱組織に変化をしています。

筋肉は伸び縮みしやすい組織に対して、腱組織は弾性はあるものの腱自体はほとんど伸びないのが性質です。

これは筋肉の収縮による力を腱部がしっかりと骨に伝えるためです。

筋肉はゴムをイメージしていると分かりやすいのですが、物を引っ張ろうとした時にゴムのように伸びる素材で引っ張ってもなかなか引っ張れないですよね。

それに比べて腱組織はロープのような組織で、物を引っ張る時にはロープのように伸びない強い素材で引っ張った方がしっかりと動かす事が出来ますよね。

このように筋肉の力をしっかりと伝えていくために筋肉の付着部は腱組織に変化をしていきます。

上の画像でいうと、筋肉の上下の部分の白い部分が腱組織で、真ん中に行くにつれて赤くなっている部分が筋肉になります。

超音波治療器は健部の改善に有効!!その理由

今回の動画で紹介しているのは超音波治療器です。

超音波治療器は腱部の痛みに対してとても有効だと思っています。

超音波治療器は沢山の効果がありますがその中でも温度上昇による効果が特に腱部には有効だと思っています。

超音波治療器は大きく《温熱効果》と《非温熱効果》に分けられます。

これらの効果は超音波振動と温度上昇によって効果を発揮するのが《温熱効果》で、超音波振動のみの効果を期待したのが《非温熱効果》になります。

温熱効果の何が腱部に有効なのかというと【温度上昇を起こす事が出来る】です。

健部は温度上昇を起こす事で改善を起こしやすくなります。

温度上昇によって腱部の改善を起こしやすい理由➀

超音波治療器の温熱効果の中に【軟部組織の伸張性増大】というものがあります。

軟部組織というのは、筋肉や靭帯や脂肪組織など骨以外の柔らかい組織の事を指すのですが、腱部も軟部組織に含まれます。

超音波治療器の温度上昇によって、軟部組織が伸びやすい状態になりやすいという事です。

腱部は伸びにくい組織だと先ほど説明しましたが、弾性はあるためこの弾性が上がりやすくなります。

これにより筋収縮などによって起きる牽引ストレスが腱部にかかった時に腱部の弾性が上がっているために負荷に耐えやすくなっています。

温度上昇によって腱部の改善を起こしやすい理由②

超音波治療器の温熱効果によって起こる身体の変化に【膠原線維(コラーゲン線維)の配列異常抑制】というものがあります。

腱組織を含めた軟部組織(脂肪組織以外)の多くには膠原線維が多く含まれています。

痛みがあったり炎症を起こしている組織は少なくとも損傷が起きていると考えています。

この時に組織の修復が起きていくのですが、その時にランダムに並んだ新しい膠原線維の卵(線維芽細胞)を綺麗に整列させていく事が超音波治療器の効果です。

これにより損傷部位の治りも早くなっていきますし、治り方も綺麗になるため腱部に起きやすい肥厚(分厚くなる)を起こしにくくなります。

温度上昇によって腱部の改善を起こしやすい理由③

腱部には腱鞘や筋膜というものが存在していて、そこに対しても温度上昇を起こす事で改善を出す事が出来ます。

筋膜というのは皮膚の下の筋肉との境目に存在したり、筋肉自体を包んでいる薄い膜になります。

また腱鞘も同様で腱を包んでいる膜になります。

この膜は粘性といって若干ドロッとしたりヌルヌルしているのが特徴で、これがある事で筋肉の動きや腱の動きをスムーズに行う事が出来るのが特徴です。

これらの膜は痛みや炎症がある所は粘性が上がり滑りが悪くなりやすく、逆に温度上昇を起こすと粘性が下がりサラッとした組織になる特徴があるのでスムーズに動きやすくなります。

結果的に温度上昇を起こす事で腱と膜の摩擦を軽減する事が出来て滑走改善が行えます。

これらの理由から超音波治療器はとても有効で、また温度上昇を起こすように設定していく事はとても効果的だと考えています。

腱部に対して行った超音波治療器で温度上昇の一例

当院で行っている超音波治療器を使用した一例です。

ハムストリングスの半腱様筋・半膜様筋の腱部に対して照射しています。

先ほども説明したように腱部に対して温度上昇を出す事は有効だと考えているので、温度上昇が出やすいような設定で行っています。

また、紹介している動画では運動を一緒に行っています。

【温度上昇によって腱部の改善を起こしやすい理由➀】の項目でも紹介したように温度上昇によって軟部組織の伸張性の増大が起きてきます。

これは筋肉や腱が伸びやすくなっている状態で伸びている訳では無いので、運動を一緒に行う事でが伸びていきやすくなります。

また【温度上昇によって腱部の改善を起こしやすい理由③】で紹介したように筋膜や腱鞘などの膜は温度上昇で粘性が下がるので、運動を行う事で膜と腱の滑りが良くなり滑走改善を起こしやすくなります。

まとめ

今回は【ハムストリングスの腱部痛|超音波治療器で温度上昇させて症状改善】に関して紹介しました。

筋肉と腱は密接な関係にあります。

今回は腱に関して紹介をしましたが、腱を改善させる場合は筋肉にも一緒にアプローチをしていった方が効果が上がりやすくなります。

また腱部の痛みはなかなか引きにくい特徴もあるので、放置をしておくと長く掛かりやすいです。

腱部の痛みでお悩みの方は是非ご相談をいただけたらと思います。

杏鍼灸整骨院の妹川でした。

投稿者プロフィール

妹川 和志
妹川 和志柔道整復師
柔道整復師

福岡柔道整復専門学校(現 福岡医療専門学校)卒業

陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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