こんにちは!!
福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川(いもかわ)です。
今回は【腸脛靭帯には臀部周りが大切!!超音波治療器による施術例】に関して紹介していきます。
陸上競技の長距離選手の方や社会人の方でもランナーの方は《腸脛靭帯》という靭帯は聞いた事があると思います。
腸脛靭帯は長距離選手に多く痛みを出しやすい靭帯です。
長距離を走っている方で膝の外側が痛くなった経験がある方も多いと思います。
今回は腸脛靭帯に関しての説明と痛みが出やすい理由に関して一緒に説明していきます。
膝周りの痛みの種類|損傷組織と痛みの部位
腸脛靭帯によって膝に痛みを感じる場合、膝の外側に感じます。
しかし、膝の痛みを訴える怪我は沢山あります。
腸脛靭帯によっての痛みと、その他の痛みを分けるためにも膝周りの怪我に関して知っておいてください。
膝周りの怪我は、様々な組織によって起きてきます。
●筋肉
●靭帯
●腱
●半月版
●骨
など、膝の痛みには様々な組織が関わって、様々な場所に痛みを起こします。
①膝関節内側部
内側半月板損傷・変形性膝関節症・鵞足炎・内側側副靭帯損傷など
②膝関節外側部
外側半月板損傷・変形性膝関節症・腸脛靭帯炎・外側足靭帯損傷など
③膝関節前面部
膝蓋靭帯(腱)炎・オスグッドシュラッター病・有痛性分裂膝蓋骨など
④膝関節後方部
大腿二頭筋腱炎・半腱(半膜)様筋腱炎など
⑤膝関節内部
前十字靭帯損傷・後十字靭帯損傷・関節水腫など
上の表は一つの目安だと思ってください。
これらの組織損傷は、損傷した部位に痛みを出すだけでなく、他の部位にも痛みを出す事も多くあります。
また痛みの強度もそれぞれ違い、損傷部位や損傷の程度によっては歩くのも困難になったり、全く膝が動かせなくなるケースも多くあります。
そのため、損傷部位や程度などは専門機関への受診をお願いします。
腸脛靭帯とは??痛みと臀部との関係
上記の表でも腸脛靭帯は膝の外側に痛みを出す事を説明しました。
では、腸脛靭帯に関してもう少し深く知っていきましょう。
腸脛靭帯は大腿骨の外側を走行していく靭帯です。
その長さは、体の中で最長で径も最も太いとされています。
腸脛靭帯の起始は腸骨稜(骨盤)から始まって、脛骨(すね)のガーディー結節に停止します。
腸脛靭帯の役割としては、大腿から膝外側を支える役割をしていて、下肢の安定にも大きく関わります。
また、腸脛靭帯には特徴的なポイントがあります。
それは、大殿筋と大腿筋膜張筋の一部が腸脛靭帯に停止するという事です。
この事が腸脛靭帯の痛みに関して大きく関わってきます。
基本的に靭帯は伸び縮みをしない組織です。
しかし靭帯に筋肉が付着している場合、筋肉によって靭帯が牽引されてしまいます。
結果、伸び縮みの無い靭帯なのに緊張(突っ張り)が起きるようになっていきます。
靭帯の緊張が強くなると痛みを起こす要因になっていきます。
その理由は、靭帯にかかる牽引ストレスと接触部への摩擦が強くなってしまうためです。
腸脛靭帯はガーディー結節に停止する前に、大腿骨外側上顆を通過していきます。
腸脛靭帯は立位では外側上顆の上を通っていますが、膝の曲げ伸ばしをする時には腸脛靭帯は外側上顆の上を越えたり戻ったり繰り返します。
この繰り返しによって、接触部に繰り返しの負荷(摩擦)がかかり痛みが出始めてきます。
大殿筋や大腿筋膜張筋の緊張が強い場合、腸脛靭帯の緊張をより強くしてしまいます。
そのため、外側上顆との接触部へかかる摩擦が強くなってしまいます。
結果、筋の緊張が強くなる事で腸脛靭帯による痛みも強くなりやすくなります。
腸脛靭帯は大殿筋と大腿筋膜張筋の緊張に左右されていると言っても過言ではないと思っています。
腸脛靭帯には臀部のケアが大切!!超音波によって筋のストレッチ
腸脛靭帯は大殿筋と大腿筋膜張筋の緊張が大きく関わってきます。
逆に、これらの筋肉の緊張を改善する事が出来ると、接触部への摩擦によるストレスは軽減する事が出来ます。
当院では腸脛靭帯の緊張緩和や大殿筋や大腿筋膜張筋の緊張緩和には超音波治療器を使用する事が多いです。
超音波治療器の特徴として、《温熱効果》というものがあります。
温熱効果は筋肉・靭帯などの軟部組織の伸張性増大を起こしてくれます。
これにより筋肉・靭帯の緊張緩和を行っていきます。
またこの効果は、ストレッチ等を同時に行う事で、より効果を高くする事が出来ます。
自分で行うセルフケアでも、大殿筋や大腿筋膜張筋を狙って、ストレッチ等を行うと痛みの軽減を起こしやすくなってきます。
大殿筋のストレッチを行いながら超音波を使用しています。
大殿筋の機能としては筋肉の線維によって働き方が違っていきます。
大殿筋の作用は基本は股関節の伸展・外旋を行いますが、股関節の角度を高く(屈曲)していくと外転にも作用をしていきます。
そのため、股関節の屈曲位で内転・内旋を行って筋肉の動きと反対に動かす事でストレッチを掛けています。
次に、腸脛靭帯の緊張をとるために超音波を使用しています。
腸脛靭帯は大腿骨の外側を通っていくので、股関節の内転を行う事でストレッチを掛けながら照射をしています。
靭帯の伸張性自体はもともと少ないですが、超音波で伸張性を高める事で、負担を減らしていけます。
超音波治療器の温熱効果に関しては、まだまだ他にも効果があります。
こちらにも詳しく書いておりますので合わせて読んでみてください。
まとめ
今回は【腸脛靭帯には臀部周りが大切!!超音波治療器による施術例】に関して紹介しました。
身体は色々な所から関連している事が多いです。
痛い所と悪い所は一緒ではない事も多く、痛い所が他の所から関連して症状を出している事も多いです。
今回の腸脛靭帯に関しては、臀部や股関節周りをしっかりとケアをしていくと改善しやすくなります。
もちろん他の部位も沢山関連をしていますが、まずはそこをしっかりと行ってみてください。
杏鍼灸整骨院の妹川でした。
投稿者プロフィール
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柔道整復師
福岡柔道整復専門学校(現 福岡医療専門学校)卒業
陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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