こんにちは!
福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川です。
今回は【足関節捻挫後にバランスボールを使った運動|早期に運動を行う重要性】について紹介していきます。
足関節捻挫は多くの方が経験があると思います。
しかし、怪我をした後にどれくらいの方がしっかりとリハビリが出来ているかが疑問に思う事もあります。
足関節捻挫は損傷部位自体が治った後にも、痛みや違和感を残している事が多くあります。
そこで、その時に適した運動を行う事で痛みや違和感を残すことなく、しっかりと快方に向かって行けると思います。
今回は足関節捻挫に関してと運動の重要性に関して説明していきます。
足関節捻挫とは??損傷の好発部位と損傷の度合いについて
足関節捻挫といっても損傷の度合いは沢山ありますし、損傷を起こす靭帯も沢山あります。
足関節捻挫に限らず、靭帯損傷を起こした場合の目安となる分類(度合い)があります。
捻挫の靭帯損傷の分類(度合い)
- Ⅰ度損傷・・・靭帯の微細損傷|関節の不安定感なし
- Ⅱ度損傷・・・靭帯の部分断裂|関節の不安定感軽微
- Ⅲ度損傷・・・靭帯の断裂|関節の不安定感あり
靭帯の損傷に関しては上記の通りですが、実際にはイメージがしずらいと思います。
Ⅰ度損傷とは靭帯を伸ばした状態です。
靭帯自体の大きな損傷はなく靭帯に強い負荷がかかったために炎症を起こしたもので、靭帯自体の損傷がないため関節のぐらつき(不安定感)はありません。
Ⅱ度損傷とは靭帯の一部が切れた状態です。
靭帯の一部が損傷といっても軽度の部分断裂から重度の部分断裂まで幅が広いですが、靭帯の損傷はあっても連続性は保たれている状態になります。
関節のぐらつきも部分断裂の度合いにもよりますが、靭帯の連続性は保たれているので強くは出にくいです。
Ⅲ度損傷とは靭帯が完全に切れてしまった状態です。
靭帯の連続性が断たれているので、関節の不安定感も強く出やすいです。
足関節の靭帯損傷は足関節を捻った方向で損傷を起こす場所が変わってきます。
足関節捻挫の靭帯損傷
- 内反捻挫・・・前距腓靭帯・踵腓靭帯・後距腓靭帯
- 外反捻挫・・・三角靭帯(脛舟部・脛距部・脛踵部)
- 前足部捻挫・・・二分靭帯・足根中足関節靭帯
- その他・・・脛腓靭帯
その他にも同時に損傷を起こすような靭帯はありますが、大きく分けて上記のような靭帯を損傷しやすいです。
足関節捻挫を起こした時に内反捻挫によって損傷している事が多いです。
内反捻挫を起こした場合、前距腓靭帯を損傷する事が多く、前距腓靭帯の損傷の度合いによって、その他の靭帯を同時に損傷していきます。
靭帯の役割は関節の制御と関節運動の誘導を行っています。
したがって、この靭帯が制御している関節可動域の範囲を超える力が関節に加わった時に靭帯を損傷してしまいます。
靭帯の損傷の程度によって関節にの不安定感も変わりますし、損傷を起こした時の機序によって損傷の靭帯が決まってきます。
それによって、どの靭帯をどれくらい損傷しているのかを考えていきます。
運動が大切!!足関節捻挫後に早期から運動開始の重要性
足関節捻挫で損傷した靭帯は、時間の経過とともに治っていきます。
しかし、足関節は損傷部位が治った後でも痛みや違和感を残している事が多くあります。
そこで痛みや違和感を残さないために大切なのが、足関節捻挫後に運動をしていく事です。
足関節捻挫を起こした場合はまず取るべき対処はRICE(ライス)です。
RICEとは、Rest(安静)・Icing(冷却)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の頭文字を取ったもので、急性外傷を起こした場合に取るべき対処とされてきました。
しかし近年では、POLICE(ポリス)がいいともいわれています。
POLICEとは、Protect(保護)・Optimal Loading(適度な運動)・Icing(冷却)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の頭文字を取って、RICEから安静ではなく保護に変更し、適度な運動を加えたものになります。
※PEACE & LOVE の考え方もありますが今回は割愛します
早期から運動を開始する事でどのようなメリットがあるのかが疑問だと思います。
基本としては、もちろん損傷直後は安静・保護が鉄則です。
その後、経過が順調に進んでいくとその時や患部の状態に適した運動を開始していきます。
最初は患部の安静を少し緩和していきます。
松葉杖をついて免荷の状態から、荷重を始めるなど少しずつ関節の動きと負荷を与えていきます。
それにより靭帯は、早く治ろうと働き出し今までよりも強固な組織になろうとしていきます。
結果、損傷部位は強く早く治っていきます。
また、いつまでも安静にしていく事にはデメリットがあります。
損傷部位の周りの組織は損傷直後から弱くなっていきます。
周辺の筋肉に関しては萎縮といって筋力低下・筋機能低下・筋出力低下・伸張性低下などの状態になりやすくなります。
関節部周辺に関しては、関節包や脂肪体の伸張性低下・可動性低下・癒着などを起こしていきます。
簡単にいうと、筋肉が細くなる・力が入りにくい、筋肉や関節が動かしにくい・伸びにくいなどの状態になっていくという事です。
これらは急性外傷を起こした場合は必ず起きてきます。
しかも、安静や固定(保護)している期間が長くなればなるほど進行し、靭帯が治った先でもこれらを改善していくのには時間がかかってきます。
そうならないためには早期から負荷を掛けたり動き出す事で、デメリットを小さく出来て改善も早くなっていきます。
もちろん、むやみに運動をしたり負荷を掛けたりする事は悪化してしまう原因になってしまいます。
損傷部位の損傷からの時期や程度、患部の状態などを把握しながら、その時に合った運動や負荷を加えていく事が大切になってきます。
足関節捻挫後にバランスボール(ミニ)を使った低負荷の関節運動
今回紹介しているのはバランスボール(ミニ)を使った、足関節の運動です。
これは、負荷の量を自分で調整が出来るため足関節捻挫後の早期から行う事が出来ます。
バランスボールを使った運動の行い方
- バランスボールの上に足を置く
- ボールを潰すように少し体重をかける
※体重の掛け方は痛みの出ない範囲で行う - ボールを転がすように足底全体がボールから離れないように足関節の底屈を行う
※痛みの出ない範囲で行う - ボールを転がすように足底全体がボールから離れないように足関節の背屈を行う
※痛みの出ない範囲で行う - 繰り返す
このようにして早期から足関節の運動を行っていく事が出来ます。
それにより、損傷部位には負荷を少し掛けながら、筋肉の収縮・関連筋の動きをつける・関節運動・関節包や脂肪体の癒着防止を行っていく事が出来ます。
まとめ
今回は【足関節捻挫後にバランスボールを使った運動|早期に運動を行う重要性】について紹介しました。
足関節捻挫に限った事ではないですが、急性損傷を起こした場合、なるべく早期から運動や負荷を掛けていく事で経過は快方に向かって行きやすくなります。
今回紹介した運動は沢山ある中のほんの一例です。
損傷部位の状態をしっかりと把握して、その時に適した負荷と運動を行っていけるといいと思います。
杏鍼灸整骨院の妹川でした。
投稿者プロフィール
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柔道整復師
福岡柔道整復専門学校(現 福岡医療専門学校)卒業
陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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