ジャンパーズニー(膝蓋腱炎)とは 福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院
膝の前側が痛くて、ジャンプやダッシュがつらい。そんな経験はありませんか?もしかすると、それは「ジャンパーズニー」かもしれません。
ジャンパーズニーは、正式には「膝蓋腱炎(しつがいけんえん)」または「膝蓋腱症(しつがいけんしょう)」と呼ばれています。
バスケットボールやバレーボールなど、ジャンプ動作の多いスポーツをされている方によく見られる症状なんですね。
でも、ご安心ください。この症状について正しく理解して、適切に対処していけば、多くの場合で改善が期待できるといわれています。この記事ではジャンパーズニーについてわかりやすくお伝えしていきますね。
ジャンパーズニーって、どんな状態なの?
膝の仕組みを簡単に理解しましょう

まず、膝がどのような仕組みになっているのか、簡単にご説明しますね。
膝のお皿のことを「膝蓋骨(しつがいこつ)」といいます。この膝蓋骨と、すねの骨(脛骨:けいこつ)をつないでいるのが「膝蓋腱(しつがいけん)」です。膝蓋腱は、太ももの前側にある大きな筋肉(大腿四頭筋:だいたいしとうきん)とも連携して、膝を伸ばす働きをしているんですね。
この膝蓋腱があるからこそ、私たちは走ったり、ジャンプしたり、ボールを蹴ったりすることができるわけです。
ジャンパーズニーとは
ジャンパーズニーは、この膝蓋腱に繰り返しストレスがかかることで起こる、いわゆる「使いすぎ症候群」の一つなんです。研究によれば、スポーツ選手の中でも特にバスケットボール、バレーボール、陸上競技(ジャンプ種目や長距離走)、サッカーなどの選手に多く見られることがわかっています。
実は、バレーボール選手のトップ選手を対象とした調査では、約40〜50%もの選手がこの症状を経験しているという報告もあるんですよ。かなり多くの方が悩まされている症状なんですね。
「炎症」ではなく「変性」という考え方
以前は「膝蓋腱炎」という名前から、炎症が起きていると考えられていました。でも、最近の研究で面白いことがわかってきたんです。
実際に腱の組織を調べた研究では、炎症の徴候がほとんど見られず、むしろ腱の変性、つまり組織の劣化や構造の変化が主な問題だということが明らかになってきました。つまり、腱が「炎症を起こしている」というよりも、繰り返しの負担によって「疲れて傷んでいる」状態なんですね。
そのため、最近では「腱炎(tendinitis)」よりも「腱症(tendinopathy)」という言葉が使われることが多くなっています。これは単なる言葉の違いではなく、治療方法を考える上でとても大切な視点なんです。
アキレス腱などもアキレス腱炎というよりアキレス腱症といわれる事が多くなってきています。
どんな症状が出るの?

主な症状
ジャンパーズニーの症状には、いくつか特徴的なものがあります。
膝蓋骨の下部分の痛み 最も典型的な症状は、膝のお皿の下の部分、つまり膝蓋腱がある場所に痛みを感じることです。指で押すと痛みがある、という方が多いですね。
動作に関連した痛み 安静にしている時はあまり痛くないのに、運動すると痛くなる、というのも大きな特徴です。特に、ジャンプして着地する時、ダッシュする時、階段を上り下りする時などに痛みが出やすいといわれています。
研究によると、膝を伸ばす動作、特に腱に力が蓄えられたり解放されたりする動き(いわゆるバネのような動き)で痛みが強くなる傾向があるそうです。
痛みの特徴 運動を始めるとすぐに痛みが出て、運動をやめるとすぐに痛みが引く、という特徴があります。また、痛みは運動の強度や頻度に応じて変化することが多いんですね。つまり、激しい動きをすればするほど痛みが強くなる傾向があります。
長時間座っていた後に立ち上がる時や、朝起きた時に膝がこわばっている、という方もいらっしゃいます。
なぜジャンパーズニーになるの?原因を知りましょう

主な原因
ジャンパーズニーの原因は一つではなく、いくつかの要因が組み合わさって起こることが多いといわれています。
繰り返しの負荷 最も大きな原因は、膝蓋腱への繰り返しの負荷です。ジャンプやランニングを繰り返すことで、腱に小さな損傷が蓄積していくんですね。
特に、運動の強度や頻度を急激に増やした時に発症しやすいことがわかっています。「今週から練習量を倍にした」とか「新しいシューズに変えた」といったタイミングで症状が出る方もいらっしゃいます。
筋肉の柔軟性 太ももの前側(大腿四頭筋)や後ろ側(ハムストリングス)の筋肉が硬いと、膝蓋腱にかかるストレスが増えてしまうといわれています。
研究では、大腿四頭筋やハムストリングスの柔軟性が低い人は、膝蓋腱症のリスクが高い可能性が示唆されています。
筋力のバランス 脚の筋肉のバランスが悪いと、特定の筋肉が膝蓋腱を強く引っ張ってしまい、腱に負担がかかることがあります。
股関節周りの筋肉(お尻の筋肉など)や足首周りの筋肉の弱さも、膝蓋腱への負担を増やす要因になることが研究で指摘されています。
年齢と性別 ジャンパーズニーは主に15歳から30歳くらいの若い方、特に男性に多く見られる傾向があるといわれています。成長期の中学生や高校生にも発症することがあります。
足の形やアライメント 足の形や、脚全体の骨格のバランス(アライメント)も関係している可能性があるんです。
足首の動きが硬かったり、足のアーチの形が特殊だったりすると、膝蓋腱への負担が変わってくることがあるそうです。
どうやって診療するの?
臨床判断が基本
ジャンパーズニーは症状の経過をお聞きしたり、膝を実際に触った判動かしたりして判断するんですね。
膝蓋骨の下の部分を押して痛みがあるか、膝を曲げ伸ばしする時に痛みが出るか、などを確認します。片脚でスクワットをしてもらったり、階段を下りる動作をしてもらったりすることもあります。
画像検査の役割
症状だけではっきりしない場合や、他の病気との区別が必要な場合には、画像検査を行うこともあります。
超音波検査(エコー) 超音波検査は、膝蓋腱の状態をリアルタイムで見ることができる検査です。腱が厚くなっていないか、腱の内部の構造に変化がないかなどを確認できます。
研究によれば、超音波検査は膝蓋腱症の診断において、MRIよりも正確性が高い可能性があることが示されています。検査費用も比較的安く、すぐに結果がわかるというメリットもありますね。
超音波検査では、腱の中に低エコー領域(暗く見える部分)があったり、血流が増えていたり、腱が厚くなっていたりする変化を見つけることができます。
MRI検査 MRI検査は、膝の内部をより詳しく見ることができる検査です。膝蓋腱だけでなく、周りの構造(半月板や軟骨など)に問題がないかも同時に確認できます。
MRI画像では、膝蓋腱症がある場合、腱の中に明るく(高信号に)映る部分が見られることが多いといわれています。これは腱の構造が変化していることを示しているんですね。
ただし、大切なことがあります。それは、画像検査で異常が見つかっても、必ずしも痛みがあるとは限らないということなんです。痛みのない健康な人でも、超音波やMRIで腱に変化が見られることがあるんですよ。
ですから、画像検査の結果は、症状や診察所見と合わせて総合的に判断することが大切だといわれています。
どんな治療法があるの?
保存的治療が基本
ジャンパーズニーの治療は、まずは手術をしない「保存的治療」から始めることがほとんどです。研究でも、保存的治療が第一選択として推奨されています。
運動負荷の調整
最も大切なのは、痛みを引き起こしている運動の量や強度を調整することです。「完全に運動を休む」必要は必ずしもなく、痛みが強くならない範囲で活動を続けることが大切だといわれています。
痛みの程度に応じて運動量を調整する、という考え方ですね。例えば、ジャンプ動作を減らしたり、練習時間を短くしたりといった工夫をします。負担を減らしていくのは重要です。
運動療法(エクササイズ)

ジャンパーズニーの治療で最も効果が期待できるとされているのが、適切な運動療法なんです。
特に注目されているのが「エキセントリック運動」と呼ばれるトレーニングです。エキセントリック運動というのは、筋肉が伸びながら力を発揮する運動のこと。例えば、スクワットでゆっくりと腰を下ろしていく動作がこれにあたります。
傾斜のついた台の上で行うエキセントリックスクワットは、平らな地面で行うスクワットよりも痛みの軽減に効果的だという研究結果があります。
また、最近の研究では「ヘビースローレジスタンストレーニング(HSR)」という、重い負荷をゆっくりとかける運動も効果的だといわれています。ある研究では、HSRプログラムを行った患者さんの満足度は70%だったのに対し、従来のエキセントリック運動プログラムでは22%だったという結果も報告されています。
さらに、「アイソメトリック運動」(関節を動かさずに筋肉に力を入れる運動)も、痛みを軽減する効果があることがわかってきています。
これらの運動療法は、腱の組織を強くし、負荷に耐えられるようにしていくことを目的としています。ただし、適切な方法で行うことが大切なので、理学療法士などの専門家の指導のもとで行うことをおすすめします。
その他の補助的な治療
運動療法と併せて、以下のような方法が用いられることもあります。
- アイシング(冷却):炎症がある場合に痛みを和らげることがあります
- テーピングやサポーター:膝蓋腱への負担を軽減します
- ストレッチング:筋肉の柔軟性を高めます
- 筋力トレーニング:股関節や足首の筋肉を強化します
避けた方がよい治療
興味深いことに、研究によって効果が疑問視されている治療法もあります。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs、いわゆる痛み止め)は、痛みを一時的に和らげることはできても、腱の治癒を妨げる可能性があるという研究結果があります。また、ステロイド注射も、長期的には腱の治癒に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。
治療期間について知っておきたいこと
ジャンパーズニーの治療には時間がかかることが多いんです。これは患者さんにとっても、治療する側にとっても、知っておくべき大切なことです。
治療を受けた選手の3分の1以上が、6ヶ月以内にスポーツに復帰できなかったという研究報告があります。また、症状のある選手の53%がスポーツを辞めざるを得なくなったという報告もあるんです。
ですから、「すぐに治らない」ということを理解して、焦らずに治療に取り組むことが大切なんですね。場合によっては、改善に6ヶ月以上かかることもあるといわれています。
ただ重症化してしまったケースがこのパターンで大事なのは重症化をしてしまう前にきちんと治すという事になります。
手術という選択肢
保存的治療を十分に行っても症状が改善しない場合には、手術を検討することもあります。ただし、研究によれば、手術とエキセントリック運動療法を比較した研究では、両者の成績に大きな差がなかったという報告もあります。
手術は最後の手段として考えられることが多く、まずは保存的治療をしっかりと行うことが推奨されています。
杏鍼灸整骨院での施術

杏鍼灸整骨院でのジャンパーズニーの施術は患部の状態や状況によって様々な施術を行っていきます。
痛みが強くまず痛みを減らしたい時などにはハイボルテージや超音波などをおこないます。
腱の組織回復のためにマイクロカレントやLIPUSなどをおこなったり筋の伸張性を上げていくためにラジオ波なども行います。
早く復帰するために一緒に考えていき頑張りましょう‼
予防するにはどうすればいい?

予防の重要性
ジャンパーズニーは、一度発症すると治療に時間がかかることが多い症状です。ですから、予防することがとても大切なんですね。
予防のポイント
段階的なトレーニング 運動の強度や量を急激に増やさないことが大切です。新しいシーズンが始まる時や、練習メニューを変更する時には、徐々に負荷を上げていくようにしましょう。
十分なウォーミングアップとクールダウン 運動前のウォーミングアップで筋肉を温め、運動後のクールダウンで筋肉をケアすることが大切です。
ストレッチングの習慣 太ももの前後の筋肉、特に大腿四頭筋とハムストリングスのストレッチングを日常的に行うことで、腱への負担を減らせる可能性があります。
筋力トレーニング 股関節周りの筋肉(特にお尻の筋肉)や、体幹の筋肉を強化することで、膝蓋腱への負担を分散できることがあります。
一部の研究では、サッカー専用のバランストレーニングが膝蓋腱症の発症を減らす可能性があることが示唆されています。
適切な靴の選択 自分の足に合った、クッション性の良いシューズを選ぶことも大切です。シューズを変える時は、徐々に慣らしていくようにしましょう。
早期発見と早期対処 膝に違和感を感じたら、早めに専門家に相談することが大切です。軽い症状のうちに対処すれば、悪化を防げることが多いんですね。
長期的な見通し

症状の経過
ジャンパーズニーの長期的な経過について、興味深い研究があります。
若いバレーボール選手を11年間追跡調査した研究では、青年期にジャンパーズニーを発症した選手は、11年後も膝の機能低下を報告しており、かなりの割合の選手が競技を引退していました。
ただこの研究自体は学生スポーツからその後を続ける選手の数を考えると膝の痛みだけが原因ではないような気がします。
これは、ジャンパーズニーが決して自然に治る症状ではないことを示しています。だからこそ、適切な治療と予防が本当に大切なんですね。
希望を持って取り組みましょう
ただし、悲観的になる必要はありません。適切な治療とリハビリテーションを行うことで、多くの方が症状の改善を経験しています。
大切なのは、焦らずに、専門家の指導のもとで、じっくりと治療に取り組むことです。また、完全に症状がなくなってからスポーツに復帰することも大切だといわれています。
まとめ
ジャンパーズニーについて、たくさんのことをお伝えしてきました。最後に、大切なポイントをまとめてみましょう。
ジャンパーズニーは:
- 膝蓋腱への繰り返しの負荷によって起こる症状です
- ジャンプ動作の多いスポーツをする方に多く見られます
- 炎症というよりも、腱の変性が主な問題です
- 膝蓋骨の下部分に痛みがあり、運動時に症状が強くなります
治療は:
- 保存的治療(手術をしない治療)が基本です
- 運動療法、特にエキセントリック運動やHSRが効果的だといわれています
- 治療には時間がかかることが多く、6ヶ月以上かかることもあります
- 焦らずに、専門家の指導のもとで取り組むことが大切です
予防は:
- 段階的なトレーニングが大切です
- ストレッチングや筋力トレーニングを日常的に行いましょう
- 早期発見、早期対処が重要です
膝の痛みは、スポーツを楽しむ上で大きな障害になってしまいます。でも、正しい知識を持って、適切に対処していけば、多くの場合で改善が期待できるんですね。
もし膝に気になる症状があれば、自己判断せずにきちんと相談をしてくださいね。
ご相談したいなという方はご気軽にお電話ください‼
参考文献について この記事は、医学論文や研究データに基づいて作成されています。具体的には、PMC(PubMed Central)やJOSPT(Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy)などに掲載された査読済みの研究論文を参考にしています。最新の医学的知見を反映するよう努めていますが、個々の症状や治療方針については、必ず医療専門家にご相談ください。
注意事項 この記事は教育・情報提供を目的としたものであり、医学的アドバイスや診断、治療の代わりとなるものではありません。ご自身の症状については、必ず医療機関を受診し、専門家の診断と治療を受けてください。


