こんにちは!
福岡県筑紫野市二日市にある杏鍼灸整骨院の妹川です。
今回は【足関節捻挫後の可動域制限に関わる長母趾屈筋に対する超音波アプローチ】について紹介していきます。
長母趾屈筋といっても聞きなれない筋肉だと思います。
しかし、この筋肉に問題があると足関節の可動域制限(動く範囲の制限:特に背屈(足関節を上げる))を起こしてしまう可能性があります。
それくらい足関節捻挫後の可動域制限には大切な筋肉になってきます。
今回はその長母趾屈筋に関して少し紹介していきます。
長母趾屈筋とは??筋の起始・停止と走行と作用
長母趾屈筋はどこから始まってどこを通ってどこに終わるのかを知ると作用から動きがイメージしやすくなると思います。
起始:腓骨体下部後面
停止:母趾末節骨底
長母趾屈筋はふくらはぎの外側から始まって母趾の先の方に向かって走行していきます。
作用:母趾の屈曲・足関節の底屈
長母趾屈筋の名前の通り、母趾の屈曲(曲げる)と他の筋肉と共同して足関節の底屈(足首を下げる)を行います。
ここで注目してほしいのが、起始はふくらはぎの外側から始めっているという事です。
母趾は内側になるので、筋の走行はどこかで外側から内側に方向転換をしているという事が考えられると思います。
その方向転換をしている所が大切なポイントです。
長母趾屈筋はふくらはぎの外側から始まって、そのまま下方に向かって走行していきます。
足関節の所を通る時に、足関節の後ろで内側に方向転換をしていきます。
そして、足関節を構成している骨の距骨と踵の骨の踵骨の長母指屈筋腱溝を通って踵の内側から足底に向かって下方に進んでいきます。
そのまま足底を通って母趾の足底側から母趾の一番先の骨に付着します。
少しイメージが難しいかと思いますが、足関節の後方で方向転換して距骨と踵骨の溝を通っていく事が大切です。
長母趾屈筋は足関節捻挫後の可動域制限(背屈)に関わる
長母趾屈筋の起始・停止と走行等については少し理解できたかと思います。
ではこれがどのように足関節捻挫後の可動域制限に関わっているのかを説明していきます。
皆さんは足関節捻挫をした経験はありますか??
痛みが引いたその後に、足関節の動き(特に背屈)が固いと思った事はないでしょうか??
単刀直入にいうと、背屈の可動域制限を起こしている要因の一つに考えられるのが長母趾屈筋になります。
背屈制限を起こす理由は多くあるのですが、下腿後面(ふくらはぎ)の伸張性の低下が挙げられます。
アキレス腱伸ばしのストレッチをイメージしてもらうと分かりやすいかと思いますが、足関節の背屈を強くしながらふくらはぎ(アキレス腱)のストレッチを掛けていきます。
その逆を考えると、ふくらはぎが固く伸びなくなっていると足関節の背屈がしっかりと起こせなくなってしまいます。
長母趾屈筋の走行は先ほど説明しましたが、足関節の後面で外側から内側に方向転換して、足関節を作っている骨の溝を通って足底に向かていきます。
長母趾屈筋も下腿後面の筋の一つで伸張性が低下した場合は、足関節後面にある骨の溝の部分で足関節の動きを制限してしまいます。
また、足関節の背屈時に足部は背屈に合わせて後方に滑るように移動していきます。
この時も長母趾屈筋によって後方移動をブロックされてしまうために十分に背屈が起こせなくなってしまいます。
ふくらはぎに強く張った感じがないのに、足関節の背屈が上手く出来ない場合は長母趾屈筋によって制限されている可能性も考えられます。
※あくまでも可能性の一つで、背屈制限を起こす要因は様々あります
当院で行っている長母趾屈筋に対する超音波の使用例
実際に当院で行っている施術の一例を紹介します。
ストレッチボードといって下腿後面を伸ばすための台に乗ってもらい、ストレッチを掛けながら行っています。
また、筋肉は作用の反対の動きをするとストレッチがかかりやすいので、母趾の下に物を置いて母趾の軽度伸展の状態を作っています。
《長母趾屈筋の超音波》
長母趾屈筋は足関節内側縦アーチや足関節背屈制限などにも関わります
足関節周りに問題がある時に介入する事が多くこの筋の伸張性を出したり促通を行う事が多いです
ストレッチボードを使い母趾の下にタオルなどを置いて伸張性を出しやすくしています#超音波 #物療好き pic.twitter.com/UxvBgpXwYB
— 妹川 和志 (@kazuyuki_imo) April 2, 2022
まとめ
今回は【足関節捻挫後の可動域制限に関わる長母趾屈筋に対する超音波アプローチ】に関して紹介をしました。
足関節捻挫後には、可動域制限を起こすケースは多くあります。
今回紹介した背屈制限に限らず、底屈制限(足首を伸ばす)などが様々な要因で起こっていきます。
足関節捻挫の予後が上手く出来ていないと、日常生活にも支障が出たり、スポーツであればパフォーマンスの低下を引き起こす可能性も考えられます。
そのままにしないで、その時に合わせた対処を行っていく事が大切です。
杏鍼灸整骨院の妹川でした。
投稿者プロフィール
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柔道整復師
福岡柔道整復専門学校(現 福岡医療専門学校)卒業
陸上競技、サッカー、バレーボール、柔道、剣道など様々なスポーツチームの帯同経験多数
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